COJ"P"は生きていけるのか?現行の覇権シリーズ2種と比較する
とんでもねえことが起こった。いや、これから起こる。
COJがスマホでできるようになります。それに当たって、僕はSEGA側から「貴方の"インターネット訴求力"が欲しい。プロモーションに協力してくれ」とかいう謎の依頼を受けて、無事インターネットフリー素材となりました。一番脆そうなのが僕です。
この時に僕も先走ってプレイしてますが、「残りの2人と違って、バグのせいでまともに終わった試合が1つもなかった」ことだけ報告しておきます。ほとんどのことはちょもす大先生が書いてくれたので、こちらも参照してください。
『CODE OF JOKER Pocket』をプレイしたありのままを伝える話 - chomoshのブログ
が、このご時世にスマートフォン向けトレーディングカードゲームとは勇気ある行動をしたものだ。日本国内では「シャドウバース/Shadowverse(以下Sv)」が市場を席巻、世界的に見てもSvの元祖とも言える「ハースストーン/Hearthstone(以下HS)」の人気は根強いです。この決着のついた市場に今から飛び込んでいって大丈夫なのか・・・?
僕個人としては、大丈夫だと思います。なぜなら、HSやSvとCOJは、明らかに違う種類のゲームだからです。
それを説明しようとしたのがこの動画だと思うんですけど、30秒という枠に収めるためにめちゃくちゃ無理をしたせいか何が何だかわからない状態に(少なくとも見ている僕は)なってしまったので、それの説明をしつつ、今一度COJというゲームシステムを再確認しようという記事。HSあるいはSvをプレイしたことある方なら、より楽しめると思います。
このゲームの"ありえなさ"をお伝えできれば幸いです。
慣れてない方はこちらも参考に。
ここに来たのが初めて、という方もいるかもしれません。
《》がついたらカード名で、【】がついたらデッキ名です。
僕は基本的に長い文章を書く傾向にある人間ですが、今回は大事なところを太字にしました。時間のない人や、「貴様の好き勝手に付き合う道理はない」という人はナナメに読んでくださって結構です。
・とにかく事故の起こらないゲーム、COJ
「ありえねぇ数のカードをドロー」と動画内にありますが、とにかくCOJはドロー枚数が多く、またドロー効果の強いゲームです。
カードをプレイするためのコストの概念は、HSもSvもCOJも大差ありません。
HS:1マナスタート、1ターン毎に1増加、最大10マナ。後攻にコイン(任意のタイミングで1マナ増やせる)が渡される
Sv:1PPスタート、1ターン毎に1増加、最大10pp。
COJ:2CP(後攻は3CP)スタート、1ターン毎に1増加、最大7CP。
そんな中で、HSの《初級エンジニア/Novice Engineer》というカードを見てみましょう。
場に出すとカードが1枚引ける代わりに、最低限の戦闘能力しか持たないカードです。これが2コストになっています。
さて、COJ《ハッパロイド》。
同じ能力のカードが1コストになっています。これだけでは終わりません。
(《カラスマドウ》だけ微妙にやってることが違いますが、これは青という色がSvのネクロマンサーっぽいことをしているためです)
Svの《メイドリーダー》が2コストで頑張っていたのはなんだったのか、という状態です。2コストには2コストで"色"ではなく"種族"に対応するドロー効果付きユニットがCOJには超大量にいます。3コスト以上も大概です。
そもそも毎ターン最初の定期ドローが「2枚」のゲームです。HSは30枚、Svは40枚のデッキを1枚ずつ(Sv:後攻1ターン目のみ2枚)ドローしていきますが、COJは40枚のデッキを2枚ずつドローします。ここから先述のドロー効果付きユニットをこれでもかと出しまくります。《新たなる運命》を擁する【冥府エルフ】が平均8ターンで捨て札を30枚溜めるのはSv民なら見慣れた光景ですが、COJの【オーバークロック特化珍獣】は3~4ターンで40枚のデッキを全て引き切ります。ましてや、COJというゲームはHSやSvと違い、デッキのカード全てを引き切っても負けにならず、デッキが最初の40枚の状態に戻ります。そのかわり、ゲーム自体に10ターンというターン制限があり、相手のライフを0にする以外でも10ターン目後攻終了時にライフの多い方が勝ち(同点なら後攻の勝ち)というルールになっています。
動画内で、野性味溢れる女性のカード(《リーフィア》と言います)が3枚あったはずなのに、次の瞬間に別のカードに変わっている現象が起こります。オーバーライドというCOJ独特のシステムで、手札に同じユニットカードが2枚ある場合、それらを重ねるようにドラッグすると1ドローできます。重ねたカードは消滅し、重ねられたカードはレベルが1上がります。レベルの概念は面倒なので今回は省略しますが、手札中で最高レベルである3まで到達するとスピードムーブ(HSの突撃、Svの疾走に相当)を得るので、慣れないうちはガチャガチャ重ねるのが楽しいです。
大量にカードを引くことにリスクはほとんどありません。そういう風に最初から設計されたゲームです。
そして、COJ経験者が諸手を挙げて賞賛するのが、ゲーム開始時の手札引き直し、いわゆるマリガンのシステムです。
HS:開始手札3枚(後攻4枚)、任意枚数入れ替え可能、制限時間中に1回
Sv:開始手札3枚、任意枚数入れ替え可能、制限時間60秒中に1回
COJ:開始手札4枚、全て入れ替えるか全て残すか選ぶ、制限時間5秒中に何度でも選択可能
このマリガンシステムを発明した人は天才か悪魔かのどちらかです。例えばSvの【疾走ビショップ】で遊んでいて「6ppの《天空の守護者、ガルラ》が3枚来たから3枚引き直したのに、ガルラが1枚返ってきたあげく残りの2枚も《ムーンアルミラージ》だった」なんてのは日常茶飯事ですが、COJではそんなことが起こったらもう1回突っ返すだけです。
制限時間5秒というのもミソです。望むカードが来るまで引き直したいので、試行回数を増やすためにプレイヤー側はどういうわけか反射神経を鍛える必要があります。マリガンが苦手なプレイヤーは初手に欲しいカードだけプレミアムカードにして光らせることで見やすくするなどの裏対策があったりします。また、5秒という短い時間のなかで、残り時間が少ないので最善ではない手札でも妥協するなどといった判断力も重要になってきます。
このマリガンシステムについて、COJPは本家の完全再現に成功しました。プレイした感じだと5秒間のマリガン処理を行ってから開始手札の情報を対戦相手に送っている感じだと思う(あくまで推測です)ので、ここでラグが起こるならそれは通信ではなくスマホのマシンスペックだと思います。
このゲームに「ハイスピード」という冠詞が付く理由は、だいたいここにあります。
まとめると、COJというゲームはTCGにおいて回避することが難しかった"事故"を構築含めたプレイヤースキルで極限まで低減できるようにしてあるということです。"公的にドブンを保障するカード"《無限の魔法石》など、他では"ありえねぇ"カードの連続です。
これによって起こることは、ちょっさんも言ってますが実力の出やすいゲームになる、ということです。上手いプレイヤーは原則事故らないので、なんかよくわからんけど強い人に勝った、みたいな珍事が比較的起こりにくいのです。
・「ハント型戦闘」と「ブロック型戦闘」
HS、並びにSvはミニオン/フォロワー同士の戦闘に「ハント型戦闘」というシステムを採用しています。以下の記事が的確に説明しているので、時間のある方は読んでみてください。名文です。
【TCGデザイン論】 ハースストーンの戦闘システムの特徴と問題点 - I LOVE TCG
かいつまんで説明すると、ハント型戦闘とは、"攻撃側がどこを攻撃するか自由に決められる"のが特徴です。基本的に相手のターン中にできることはありません(HSにはトラップカードがありますが、それも手動ではなく自動です)。
ハント型戦闘のTCGとして、HSはまぎれもなく傑作と言えます。だから、今日のスマホ向けカードバトルにはHSを模倣したかのようなハント型戦闘TCGが多いと言ってもいいでしょう。
打って変わってCOJにおけるユニット同士の戦闘は「ブロック型戦闘」です。ユニットは相手プレイヤーしか攻撃できず、防御側のユニットがそれをブロックするかどうか決めます。防御側に戦闘の主導権があり、また相手ターン中でもこのブロックに関する判断をしなければならないのでただ待ってるだけという訳にはいきません。
COJは、実はHSよりも古いゲームです(英語版HSの稼働開始が2014/3/12であるのに対して、アーケード版COJの稼働開始は2013/7/11)。当然HSを参考にゲームを作ることはできません。
僕の目から見ると、COJは「マジック・ザ・ギャザリング(MTG)」と「デュエル・マスターズ(DM)」からの影響を色濃く受けているように見えます。そもそもユニットを色で分けているところからそうですし、ブロック型戦闘を行う上で必須となる"行動権"の概念などもです。戦闘に関わる能力設計やブロックするしないの判断などはMTG由来です。一方、攻撃力と体力をBPに一元化したこと、ライフダメージ量がBPに依存しないこと、そしてライフダメージを受けるとジョーカーゲージにボーナスが入るので逆転の目が出ることなどはDMからの影響を受けているでしょう。COJにも"進化/Evolve"というシステムがありますが、Svの「EPという別リソースを使ってフォロワーを変化・強化させる」のではなく、COJでは「進化ユニットカードを同色のユニットの上に重ねることで強力な効果や戦闘能力を発揮する」全く違うシステムになっており、これも極めてDMに近いと言えます。
さらに特筆すべき点として相手ターン中でも"トリガーゾーン"から呪文的効果を発揮できることが挙げられます。これはおそらく「遊戯王OCG」に源流のあるもので、トリガーゾーンのカードを一部効果で直接破壊することで口封じできることも同様です。MTGにおけるスタック、遊戯王におけるチェーンのような逆順処理ルールはありませんが、オンラインであれをやろうとすると通信回数が膨大になり、ゲームのテンポが損なわれる可能性が大きいのでアーケードゲームでは適さないという判断があったのでしょう。3年前の時点で国内でプレイされていたTCGをフルに参考にして作られたゲームと言えるのではないでしょうか。無論、そこから3年かけて独特の、そして怪物的進化をしたゲームでもありますが。
何が言いたいかというと、戦闘システムがまるで全く違うのでHS・SvとCOJは全く別のゲームとして認識した方がいい、ということです。プレイヤーの時間を奪い合うという意味ではこれからライバル関係になるのは間違いありませんが、これら3者はそれぞれに長所・短所があるもので、自分に合うゲームをプレイすればよいのです。
また、ブロック型戦闘を採用して全体設計がMTGやDMに近くなっているせいか、このゲームにはHS・Svと違って手札破壊があります。
人によっては「過剰なストレス」になるかもしれません。ただ、逆にこれが好きすぎてライフワーク化している人もいるので、そのあたりは覚悟して参入してください。
・ジョーカーアビリティについて
COJでは、HSやSvと違いクラス/リーダー専用カードというものはありません。では公式サイトに7人もいるキャラクター達は対戦にどんな影響を及ぼすのかというと、彼ら独自のジョーカーアビリティが試合中1回だけ使えるのです。
HSのヒーローパワーに近い概念ですが、ヒーローパワーが「デッキ内に存在せず、1ターンに1度、試合中何回でも使えるが、ややコストパフォーマンスの悪い行動」であるのに対して、COJのジョーカーはデッキ内に存在しないことを除くとほぼ真逆の性質で、「使用に多大な条件が付き、試合中1回だけしか使用できないが、非常に強力な必殺技」と言えます。
ジョーカーアビリティの使用には、専用ゲージが最大値に到達している必要があります。この専用ゲージの貯め方ですが大きく2つに分けられます。
1.自分のターンを終了する
2.ライフダメージを受ける
この2つなのですが、「自分のターンを終了する際の残り時間がジョーカーゲージ取得量に直結する」せいで、COJでは思考の正確さだけでなく速さが重要視されます。「ハイスピードカードバトル」ですね。
ちょっとコストパフォーマンスのいいだけのアビリティから、「2CPで対戦相手の手札を全破壊」「3CPでフィールドのユニットを全消滅」など桁外れの影響力を持つものまで様々な効果がありますが、強力なものほど必要なゲージ量が多くなっています。
※このジョーカー絡みのシステムのみ、現行アーケード版ではアップデートにより大きくシステム変更がなされています。2人のキャラクターから1つずつアビリティをセットできるようになり、また「1試合に1回だけ」の制限が撤廃されています。
・デッキオリジナリティボーナス(DOB)について
冒頭の動画にない部分ですが、COJをCOJたらしめる要素のうちの1つなので解説しておきます。
アーケード版COJでは、常にカードやキャラクター毎の使用回数が集計されており、使用率の低いカード、あるいはキャラクターを使って勝つとレートが増えやすくなっています。このシステムをデッキオリジナリティボーナスと呼んでいます。
SEGA(というかむっくさん)はこのシステムを妙に誇りに思っているらしく、なんと特許を取っていることまで教えてくれました。事実、似たようなシステムが同社のアーケードゲームである「戦国大戦(傾奇者ボーナス)」や「Wonderland Wars(舞闘会モード)」に搭載されています。
このシステムが採用されることによって、環境に流動性が生まれます。現在アーケード版では約2週間毎にカード使用率のランキングが更新されるようになっているので、2週間毎に流行デッキやテンプレ構築に微妙な変化がもたらされます。
一方、このシステムの難点として環境における最強デッキと流行デッキが一致しないことが挙げられます。全国対戦のランクマッチでのメタゲームは、全国大会用のそれとは一致しません。特に現在のアーケード版で顕著に起こっている現象ですが、"本当の意味での真剣勝負ではない"として敬遠する人も少なくはないシステムです。
COJPでは、やはりというか案の定というかデッキオリジナリティボーナスのシステムが採用されました。さらに、HSの魔素/DustやSvのレッドエーテルに相当する「生成」のレーティングにも、このデッキオリジナリティボーナスが影響するらしいのです。実際の紙のカードのように、安い時に買い、高い時に売る「株」めいた遊び方も可能かもしれません。
いかがでしたでしょうか。
「他のカードゲームと比較すると、思う存分好き勝手できるがそれは相手も同様である」というのがざっくりとしたCOJの特徴です。
というか、このありえねぇ世界に慣れきったCOJ勢は他ゲーで事故って怒っていることが大半なので、もはや麻薬です。
「脳天直撃」というフレーズは、あながち間違っていないのかもしれません。
10/20カードランキング更新 ~Ver2.0_EX2第一シーズン展望~
・前シーズンまとめ
新カードが出たはいいが、「新カードを試すモチベーション」に欠けるシーズンというのが本音だろう。ランキング狙いなら2ptの得体の知れないカードを試すよりも高オリボの安定した構築が欲しいし、全国大会向け調整ならそれこそ新カードもクソもないのである。だいたい言いたいことは前回言い切ったので、今日は簡単に。
集計期間10/5~10/18。新カード・新ジョーカーアビリティは6日間のみの集計。
・カードランキング:0pt帯
相変わらず1位は《ドーバーデーモン》。7位《プラウドドラゴン》に昨今の闇が見え隠れする。
なぜか【昆虫】系が好調。原因を調べてみたらなんと期間ミッション。カードブーストEXチケットがDOBに影響を与えているって・・・でも、コアプレイヤーがシーズン前半に「やり控え」ていたケースもありそうなので一概にどうとも言えない。
【猿】系の《狂神アレス》《花の高原》が2pt→0pt、おそらく【ブリギッドハンデス】の《女神の息吹》対策と思われる《セレクトショップ》も久々に0pt入り。このあたりは全国大会調整組か。
《天剣の沖田》も久々に0pt。《地剣の土方》により需要が急上昇した。
・カードランキング:2pt帯
【昆虫】に押し出されたカードが強烈。通常の青系では《大魔導士リーナ》《バンシー》《滅王アレキサンダー》、蘇生軸では《天然魔導士ミーナ》《デスパレート》《レヴィアタン》。紫系も《ニードルレイン》《パイモン》《魔人の羽化》が0pt→2pt。
他には前季"フルパワーでS構築"だった【ティアマトギャンブラー】系統はパーツのほとんどが4pt→2ptで今季は頑張ってもA。他にも細かい調整に便利だった《繁栄の対価》《蜀漢の英雄・趙雲》が4pt→2pt。
いくつか注目カードをピックアップ。
118位:《ゴールド・ダルマン》
0pt→2pt。
Ver2.0_EX2移行に伴って消滅効果、バウンス効果など非破壊除去の効果音が変更されたが、その効果音が異常にうるさい。プレイに支障どころか、ヘッドホンをつけていたら健康に支障が出そうなレベルである。全体バウンスのコレや、全体消滅の《ライズアンドシャイン》なんかで顕著。アルカナカップではいつもの爆音ヘッドホンでのプレイが予想されるだけに、出場者の鼓膜を破る前になんとか修正してほしいところ。
164位:《ライトニングドラゴン》
新カード1位。最も、冒頭で述べたように新カードを試すモチベーションに欠けるシーズンである上に集計期間も短かったので止む無しか。
性能は下馬評通りに強力の一言。能力は完全に腐らないというレベルではないものの、とにかく加護8000のスタッツがイカれてるのでとりあえず出すと強い。3Dモデルがおそらく《竜魔人ドラゴニュート》互換で、"喋るドラゴン"なのでフォイルトレードでも人気。
195位:《地剣の土方》
新カード2位。
《天剣の沖田》だけでなく、【侍】関連は押し上げられるように順位を上げている(《泰山の侍》《赤誠の沖田》《剣聖・武蔵》4pt→2ptなど)。意外と勘違いされやすいが、沈黙させてから破壊するのは土方の攻撃時のみ。《天剣の沖田》を従えていない限りは本人の防御力はそれほどでもない。
236位:《転生・毘沙門》
新カード3位。
とりあえず紫系に入るのはいいが、中には《ディメンジョンゲート》から《魔天ルシファー》を呼び出してワンキルルートに入る猛者も。実は《混沌神カオス》や《軍姫エリス》でも同様のルートは可能だが、更地が取れる確実性で言えばやっぱり毘沙門。
・カードランキング:4pt帯
《舞踏のクロエ》《魔導女学院生エリン》《樹海のドリアード》と紫の低コストユニットが豊富。《大航海時代》《ディメンジョンゲート》《ジャック・ザ・リッパー》など怪しい使い道のありそうな新カードもだいたいここ。《雪忍の六花》《マーメイド》なんかは【海洋】系には朗報。
いくつかピックアップ。
281位:《ディメンジョンゲート》
新カードの中でも抜群に挙動が怪しい。上述した《転生・毘沙門》→《魔天ルシファー》だけでなく、
・《泰山の侍》《地剣の土方》→《泰山の侍》《地剣の土方》(CIPとPIGを同時に発動させながら同等の脅威を場に残す)
・《シャドウメイジ》→《シャドウメイジ》(1体目の被破壊効果発動時に既に2体目が出ているので、効果が2回分発動。《幽世のイザナミ》と合わせて7CP2点)
など、多彩なコンボがこの1週間で開発された。
303位:《英剣・デュランダル》
明らかに4ptの格ではないオーバーパワーカード。
序盤から発動し得るCP+1は手札に来てしまった大型武身を出すのにも使えるし、緑の連撃ギミックの手札消費を抑えるきっかけにもなる。
《光明神アポロン》でコピーされたが最後《炎剣・レーヴァテイン》《雷鎚・ミョルニル》よりも基本的には損害が大きい。CP+1を有効利用できないデッキは原則ない。
466位:《アキレウス》
「帰ってきた《ドラグーンレイア》」。
【海洋】系ユーザーからの評価が高い。《天然魔導士ミーナ》や《レヴィアタン》などの自己再生条件とBP強化条件が一致するのは大きい。軽減1枚で《邪眼天使サリエル》《始世姫ジョカ》とも共存できる。
514位:《老獪な一撃》
4pt、かつ0CPで使える戦闘用インターセプト。
「加護に当たらない」というとんでもない弱点があるので気を付けよう。侍や《ライトニングドラゴン》など加護は増加傾向にある。
・カードランキング:8pt帯
赤:《ケロール・レッド》に加えて新顔《ブラックナイト》が。進化土台に困らない。
黄色:《寝坊のヒュプノス》8ptスタート。他には《ジェスタークロウ》《アメノホアカリ》など。
青:《キャタピワラシ》《ゴーストフェンサー》《アクアランサー》《シャルロット》。必須パーツのpt上昇もあり、【海洋】Sは難しくない。
緑:《ポクポくん》《チアマスター》《ハムシューター》。今季も【緑単】Sは可能。《ゴッドフィスト》は《聖少女ブリギッド》のサーチ妨害になるので慎重に。
紫:ユニットは《ダークキャット》《宇宙魍魎コ・モーノ》程度。《猫の大移動》に注目。
ちなみに、新カード最下位は《はにわの洞窟》。
・ジョーカーランキング
新アビリティ追加により、ポイント査定が変化。
1~6位:0pt
7~13位:2pt
14~19位:6pt
20~27位:10pt
となっている。
0pt枠拡大により、ここ最近ずっと2ptだった《冥札再臨》《明天凶殺》が0pt昇格。
2pt枠もほぼお馴染みの面々で、従来のジョーカーアビリティ18種についてはおおむね性能通りの査定。
集計期間の影響か、19~26位を新アビリティが固めることになった。新アビリティ1位は《トリックフィンガー》。2位《インペリアルクルセイド》までが6pt帯。
10pt帯では《エビルガンビット》と《セイクリッドシールド》がわかりやすく強力なので悪用されそう。最下位は《スターインパクト》。
今日からイベントです。稼働当日、せめて翌日からイベントやっとけば10/15・10/16の店舗予選組も痛い目見ないで調整できたのにね。
全国大会に関係なさそうなプレイヤー、あるいは既に店舗予選を抜けたプレイヤーなら今季はそれなりに稼ぎ時。新ジョーカーアビリティの育成に充てるといいでしょう。
《女神の息吹》、その功罪
現COJで最強のカードと言うと意見の分かれるところだろう。
《魔天ルシファー》かもしれないし、《邪眼天使サリエル》を推す人もいるだろう。その昔は《蠅魔王ベルゼブブ》や《破壊少女シヴァ》であったかもしれない。
では、現COJで「最凶」、あるいは「最悪」のカードは?《破滅のギャンブラー》?
僕は《女神の息吹》だと思う。
これはVer2.0_EX2最序盤の環境アナライズであり、DOBシステムの真意と深淵に近づくものであり、ランキング復帰を諦めた僕の愚痴である。
結構な長文、しかも難解な内容になるかもしれないが、比較的ヒマだというのならお付き合い願いたい。
・そもそも「DOBが高くなる」とはどういうことなのか
DOB、デッキオリジナリティボーナスが高くなるデッキというのは大きく2つに分けられる。
1つ目は、デッキコンセプトそのものがオリジナリティに溢れている場合。完全なる新デッキが生まれた場合、基本的にこちらになる。【OC特化珍獣】も、Ver1.4後期の【舞姫】や【赤青魔手ハンデス】も、最初はこちらだった。Ver2.0_EX1前半、きょへ式【黄紫】なんかもこちらの部類。一部の職人が不思議なワンショットデッキを組んだ場合なんかも相当する。
現環境では唯一【ティアマトギャンブラー】がこれに当たる。成立からそれなりの日数が経ってはいるが、未だに各パーツのポイントが上がらない(理由は後述)のでたまにフルパワーでSになったりする。各パーツ毎のポイントが割と均一で、俗に言う"綺麗なポイントの付き方"が特徴。僕がイマイチ【ティアマトギャンブラー】を憎み切れないのは、この綺麗なポイントの付き方にあると言ってもいい。
2つ目は、「デッキの機能を維持したまま異物を混入させること」。今回の本題はこちらである。【猿】、Ver1.2_EX【赤黄ミッドレンジ】、Ver1.3【海洋】、Ver1.3_EX1【侍】、Ver1.4_EX1【加護盗賊】、Ver1.4_EX2【舞姫アリアン】、Ver1.4_EX3【赤青魔手ハンデス】・・・環境を支配してきた1強デッキ達にも、フルパワーの状態とは別にシーズンごとにDOBを調整したバリエーションがあった。
ただこの場合に重要なのは、"デッキとしての機能を維持"することである。DOBの数値調整のために必須カードを抜いてしまっては元も子もない。緩和された要求勝率以上に負けるのがオチである。(こちらも参照→チラシの裏 これでB!?)
デッキ毎の必須パーツというのはデッキ毎に違う。この必須パーツの枚数が40枚中何枚かというのが問題である。上に挙げた例では【赤黄ミッドレンジ】【侍】【舞姫アリアン】なんかは35枚近くが抜いてはならない必須パーツであり、DOB調整の難しいデッキであった。逆に【海洋】【加護盗賊】あたりはこの中では比較的自由度が高く、シーズンが変わる毎にDOBの高い構築バリエーションを考えるのが常であった。
また、デッキコンセプトに"圧縮"が含まれる場合、見かけ以上に必須パーツが多くDOBを上げるのが難しい。上記のデッキ群では【猿】がこれに相当。《女神の詩》など圧縮手段をマイナーなものに切り替えることでDOBを上げたり、進化土台に《ケロール・レッド》など明らかに弱い1CPカードを使うなど非常に苦労してきた歴史がある。Ver2.0以降の【紫単】は同様の問題を抱えるが、紫ゲージの概念が追加されているせいで圧縮手段や進化土台にも自由度がほぼなく、"DOBの高いバリエーションを作ることが最も難しいデッキ"と見てしまって間違いない。
↑Ver2.0_EX1前半、全盛期【紫単】の必須カード。35枚取られてわずか6pt。
では、流行りの【緑単S】の必須カードを見てみましょう。
15枚。ジョーカーもほとんど自由なので、今0ptと書いてあるからと言ってこれを160ptにするのが容易だということがわかるだろうか。
・"異物"を最大限に有効利用できる、最近の高オリボデッキ
最近の高オリボデッキに共通するのは、「DOBを上げるために入れた"異物"の有効利用に長ける」、ということである。
基本的には、引いてしまった弱いカードの使い道は普通に出すか、軽減コストに使うか、あるいは《無限の魔法石》で捨てることだった。「《策略の装填》S環境」や「《はにわ》《白虎》《朱雀》S環境」など、過去のS環境を体験してきたプレイヤーはこの異物処理に悩まされてきたことだろう。DOBを上げるために《無限の魔法石》へのアクセスも悪く、そもそも《無限の魔法石》の枚数自体を絞らざるを得ないケースすらあったはずだ。
が、カードプールの増加にともなって、《無限の魔法石》のように「手札あるいはトリガーゾーンをコストとして、なんでもかんでも1:1交換してしまうカード」が増えた。具体的にその契機となったのは《聖少女ブリギッド》と《邪眼天使サリエル》である。《マーメイド》もその1つだが、自己再生できる青ユニットが登場するまでは採用するメリットに乏しく注目されなかった。
《邪眼天使サリエル》がトリガーゾーンの何を破壊しようが、対戦相手のユニット2体は破壊される。この場合において、0ptカードも8ptカードも等しくサリエルの弾でしかない。Ver2.0以降の【海洋】はこの"異物処理"に極めて長けるデッキであり、サリエルだけでなく《マーメイド》で引き直したり《デスパレート》であらかじめ埋めたりと、これまでの"異物処理"の基本であった「とりあえず場に出す」「軽減コストに使う」以外の方法をフル活用し、更にそれら全てが最終的に《天然魔導士ミーナ》《レヴィアタン》らの自己再生に繋がるのである。
【緑単S】は、不要牌を《聖少女ブリギッド》によって3コストユニット(すなわち《飛翔のジズ》《プラウドドラゴン》)に替えることもできるが、基本的には「軽減コストに使う」ことを極限まで突き詰めたデッキであると言える。本来5CP(《ドーバーデーモン》でも4CP)かかる連撃ギミックを、最序盤の3CPしかない場面から全ツッパで押し通し始める。
悪く言うと【海洋】は《邪眼天使サリエル》頼みだし、【緑単】は《聖少女ブリギッド》頼みなのだ。DOBを上げるということは、基本的にはデッキ内のパワーカードを減らすことである。圧縮に特化しているわけでもないのでデッキが1周することはなく(【海洋】は1周できなくもないが、自己再生の関係上2周目突入直後が弱い)、必殺技であるはずのサリエルやブリギッドは基本的には3回だけなのだ。最長10ターンあるCOJにおいて、Sデッキが強みを見せるのは3ターンだけ。カードパワーの高いカードを複数揃える低オリボデッキに、基本的には勝率で劣る・・・
そのはずだった。
・《女神の息吹》、その功罪
「Sデッキは強い行動を取れる回数が少ない」、というこれまでの原則をたった1枚でひっくり返しているのが《女神の息吹》である。
まずこの《女神の息吹》というカード、高DOBデッキにおける"異物"利用の基本概念である「軽減コスト」というルールと極めて相性がいい。なんでもかんでも軽減に挿してしまうことで発動条件である「手札0枚」を満たすと同時に、次のターン回収した2枚にとっては軽減コストとして利用できることになる。【緑単S】でよく見る光景だろう。「手札の不要牌を全て切って捨札中最強の2枚に交換する」行為と言える。
《邪眼天使サリエル》についてはCIPの選択回収で《女神の息吹》を回収できるという相互効果がある。基本的には《邪眼天使サリエル》がターンを跨いで生存しようものならその試合はだいたい負けなので除去しなければならないのだが、死んだはずのサリエルを《女神の息吹》が回収してしまう。以降、相互に回収を繰り返すことでループが成立する。
《女神の息吹》が出張ってくる試合が面白くないのは、「延々と同じことを繰り返される」ことにある。サリエル息吹ループはまさにそれだし、【緑単S】も多いときは5回以上ブリギッドやジズを出してくる。そもそも《女神の息吹》が《女神の息吹》を回収できるせいで《女神の息吹》を全てのターンで使われるという展開も珍しくない。序盤、中盤、終盤という概念がどこかに消え去り、回り始めるとそれ以降は機械的に同じことを繰り返される。すなわち、「DOBの高いデッキでも最強行動を繰り返せる」。緑単系にしろ青単系にしろ、Sデッキがなかなか死滅しないのはこれによって要求勝率をクリアしているから。
《無限の魔法石》によってデッキから確定サーチするのには、回数に限度がある。1度使用したカードをデッキに戻すためにはデッキを1周させなければならないからだ。一方、デッキ以外を対象とした確定サーチにはその回数に限度がない。特に捨て札は使用したカードがすぐに置かれる場所なので、最も再利用が容易である。その分、捨て札からの確定回収は比較的厳しい条件が課されている。
捨て札から確定回収するための手段を運用するためのコストを見てみよう。
・《女神の息吹》:0CP ※2枚回収
・《神託の天草》:2CP+進化土台 ※被破壊時
・《冥札再臨》:2CP+ジョーカーゲージ50%
・《邪眼天使サリエル》:5CP+進化土台
似たような概念である、消滅領域からの確定回収についても列記。
・《神札再生》:0CP ※自ターン開始時まで黄色ユニットとトリガーゾーンを保持
・《ダークプリースト》:3CP
・《光明神アポロン》:4CP ※被破壊時
《女神の息吹》以外のカードが厳しい条件を課されているのがわかるだろうか。《邪眼天使サリエル》や《光明神アポロン》は回収以外にも多機能なユニットであるが、それでもこういったユニットを呼ぶために1ターンで使えるCPのうち半分以上を割くことになる。
消滅領域回収によって比較的自由に強行動を繰り返す【黄単S】系統だが、それでもヘイトが向きにくいのはいつかどこかで《ダークプリースト》にCPを割いているから。《ダークプリースト》を出したターンというのは本当の意味での"最強行動"ではない。例えば《ダークプリースト》の代わりにその3CPで《雷神トール》でも出されようものならその6000はスピードムーブで走ってくる。そもそも消滅領域にカードを送り込むためには《どきどきテイスティング》などでワンクッション必要、というのも忘れてはならない。
確定回収にCPを使わないことで、「最強行動をしながら次のターンの最強行動の準備をする」というめちゃくちゃな事態が多発している。《邪眼天使サリエル》はその攻撃時効果によってそもそも青系の最強行動であることも多いが、《繁栄の対価》《デストラクションスピア》などそれなりに潰す手段が用意されている。
《神札再生》も実はやべーのでは?と思うかもしれないが、発動タイミングが限られている有色インターセプトであるために対策がそれほど難しくない。盤面から黄色ユニットを全て排除すれば当然使えないし、そもそもトリガー割りで割れる。《女神の息吹》は度重なる強化によって発動タイミングが"自分、あるいは相手のターン終了時"となっており、赤・紫系のトリガーを割れるデッキ相手には割られる前に発動し、青系あるいは《明天凶殺》といったハンデスデッキ相手では相手ターンをやり過ごしてから発動できる。《女神の息吹》そのものを止めるためには、ハンデス要素に加えてバウンスかトリガー割りどちらかが必要なのだ。捨て札を消滅させる《盗賊の手》《文明崩壊》では、間に合っていないケースが非常に多い。
さらに問題なのが、「少数の必須パーツと多数の高オリボカード」という構成はカードランキング更新による打撃を受けにくいことである。上に画像で示した【緑単S】の必須パーツはずっと0ptをキープしているが、残りの25枚とジョーカーの部分において手を変え品を変えS構築を維持し続けている。《イナバハンター》がダメになっても別の何かを使えばいい。ひとつのデッキがこんなに長くS構築を維持し、さらにはランク毎の要求勝率を満たしてくるというケースは前例がない。【ティアマトギャンブラー】がデッキ単位で未だに高いDOBを叩き出すことがあるのはこれが原因。「勝てるSデッキが【ティアマトギャンブラー】しかない」のなら、すぐに次のシーズンでDOBがガクッと落ちる。あのデッキ自体は《ディバインシールド》まで含めて必須パーツがそれなりに多いコンボデッキなのだ。それでももっとお手軽な【緑単S】が常時存在するためにデッキ種として選択するプレイヤーが少なく、本格的な流行にまで至っていない。
今までの文章全てを踏まえて、今の全国対戦で何が起こっているのかというと
・カードプールの増加により、「必須パーツ少数と、それ以外の部分に高オリボカードを詰め込んだSデッキ」が成立
・そういったデッキが《女神の息吹》によって最強行動を繰り返せるようになったので、必要勝率を満たしている
・《女神の息吹》そのものを止めることは難しく、必然的にそのデッキの最強行動をメタるしかない
・「必須パーツ少数と、それ以外の部分に高オリボカードを詰め込んだSデッキ」はカードランキング更新の影響を受けにくく、いつまでも高DOBデッキとして全国対戦環境に残存する
Ver2.0_EX2へのバージョンアップから1週間も経たないうちに、勲章レースを制するには高オリボデッキしかないという結論が出てしまった。新しいSデッキを開発する場合を除いて、「新デッキ開発」あるいは「全国大会に向けた最強デッキ探索」を行うことは「ランキング入りを諦める」ことと同義になってしまった。"勝率を重視した新リーグ"という上位陣の幻想は、エメラルドランク実装から1週間持たずに、早くも崩れ去ったのである。
もちろん、【ブリギッドハンデス】ミラーなど、《女神の息吹》によって面白くなるゲーム展開がないわけではない。そもそも《謀略の祝杯》と並んでハンデスメタとしての役割もあるのだ。 だがそれでも、現在の息吹を取り巻くデッキ構築並びにその結果のランキング争いは、あまり誉められたものではないと思う。
・「COJはこういうゲームなんだ」、と割り切るかどうか
こういう部分まで含めてCOJというゲームなんだ、と言われたら仕方がない。僕は開発ではないので、それを受け入れるしかない。
ただ"強いプレイヤーが全国ランキング上位にいる"という状態に戻すためには、「《女神の息吹》を下方修正する」か「DOBというシステムそのものを抹消する」しかないと思う。「ランキング指標となる勲章を集めるために一定勝率を維持し続けることを要求する」勲章システムはそこまで悪いものではない。
エメラルドランクが実装された暁にはランカー復帰目指してみるか、と当初は考えていたが、僕の時間リソースの総量はそれに耐えられるものではなかった。全国大会の準備を細々としながら、適当なペースでCOJと向き合うことにする。
僕はもう心が折れてしまったのだ。僕が今のエメラルド環境ならびにランキング争いを見てこうなんじゃねえかと勝手に考えているだけなので間違っている部分はあるのかもしれないが、もしそうなら間違っていると教えてほしい。
主役は新カードじゃない!? Ver2.0_EX2直前特大号
・生放送の感想
花田勝氏ってやっぱりすげー人なのかもしれない。前回の生放送以降でエージェントに噴出した不満点ほぼ全てを開発陣にぶつけ、我々が知りたい疑問点について回答を引き出した。SEGA側が台本を準備したのかもしれないが、そうだとしてもあの台本を読ませるに足る人物であったということである。もしもキャスティングボードを僕が握れたとしても、他に適任者が思いつかない。
Joshaさんはこれから頑張ってください。
・新システム
対戦、およびランキングに関係のあるものだけです。ユニットズーム機能とかはAiKさんの専門領域だと思うのでここではやりません。
1. エメラルドランク追加
既にアナウンスのあった、事実上のランキングリセット。
現ランキングを参照した称号の配布については事前に紹介されていたが、今後ランク毎に称号やプレートが貰える見込み。
2.DOBシステム変更
「形骸化していたDOBシステムを再機能させようとしたらやりすぎてしまった」という旨の発言をむっくがしており、前システムについてはSEGA側が非を認めた形になる。
新システムはこちら。
D:0~39pt。JP1.0倍、勲章1.0倍
C:40~69pt。JP1.5倍、勲章1.2倍
B:70~99pt。JP2.0倍、勲章1.5倍
A:100~159pt。JP3.0倍、勲章2.0倍
S:160pt~。JP4.0倍、勲章3.0倍
新Verでの査定がわからないので、「現プラチナランク(+500/-1500、勝利時勲章+10)」の査定でJP維持に必要な勝率およびその状態での"勲章獲得速度"を概算。
D:勝率75.0%、30試合時23-7、勲章+230
C:勝率66.7%、30試合時20-10、勲章+240
B:勝率60.0%、30試合時18-12、勲章+240
A:勝率50.0%、30試合時15-15、勲章+300
S:勝率42.9%、30試合時13-17、勲章+390
Sデッキでの必要勝率は明らかに上がった(現行制度で37.5%)。これだけ見るとAデッキやSデッキの時間効率が優れているように見えるが、肝心のエメラルドランク査定が見えてこないのでフタを開けてみないとわからない。
カードランキングでのポイント閾値などは現状維持。
3. 新ジョーカーアビリティ追加
今回の目玉かもしれない。
9人の使用可能キャラクターに1つずつアビリティが追加。また、「ゲージ消費量:中」という新たな概念が誕生、小が50%消費、大が75%消費であったが、動画を見る限りでは中は60~67%あたりではなかろうか。当然Lv1での追加になると思われるので今から育成を始めないといけない。特に10/15~10/16にアルカナカップ予選を控える人には死活問題。
能力を現行18種から27種にまで増やしてしまったので、ジョーカーランキングでのデッキオリジナリティポイントにはなんらかの変化があるはず。生放送で説明がなかったので、稼働して最初のランキング更新を迎えないとわからない。2.0稼働時と同様なら、しばらくの間これらの新アビリティは2ptで使えることになる。
以下個別考察。
緋神仁:《スプレンドシックル》 2.5
CP2、消費小、「自軍ユニット2体のレベルを+1」。
消費小なので、《インペイルメント》と判別不能。
小回りの効く《シャープリィスライヴ》。《プロメテウス》などとコンボしようにもCP4と75%消費が重く、ジョーカーアビリティの連打が効かないことが弱点であったが"レベル2を作ること"を条件にCPと消費量を大幅に改善したことになる。
攻撃さえできれば勝手にレベル2になり、かつOC能力を持つ《白夜刀のカンナ》との相性は最高。
御巫綾花:《セイクリッドシールド》 3.5
CP1、消費小、「自軍ユニット1体に基本BP+2000と加護」。
消費小なので、《ブレイブシールド》と判別不能。
"フィールド"から"シールド"になったことで全体効果ではなく単体効果になってしまった。最も、"フィールド"全盛期については「あれはやりすぎました」と非を認めるコメントが出ているので許してあげよう。
加護のついた巨大ユニットを簡単に、かつ繰り返し作れるという点で赤系などいくつかのデッキを憤死させかねない。効果対象としてはよく《風精ウィンディ》と組んでいた《現世のイザナギ》が鉄板か。《ミューズ》、さらには《聖少女ブリギッド》というのも面白い。
星光平:《スターインパクト》 2.5
CP2、消費中、「相手トリガーゾーンのカードを全て手札に戻す」。
Wジョーカーシステム以降初の相手トリガーゾーンに干渉できるジョーカーアビリティ。
要するに《銀翼のクリス》CIP。《デストラクションスピア》《アムネシア》《死神のランプ》《世界創世》などトリガーゾーンからの妨害カードには強烈なものが多いので、安全を確保した上で必殺コンボを決めよう。
また、《女神の息吹》を手札に戻してから叩き落とせるためハンデス系デッキでの利用も考えられる。「ハンデス系相手の《女神の息吹》はハンデス側のターン終了時」という原則を逆手に取って《女神の息吹》を無効化できるのは面白い。
鈴森まりね:《トリックフィンガー》 4
CP1、消費中、「カードを2枚引く」。
Ver1.xからの復活組。CPの軽いドロー系ジョーカーというと《ルインリード》《冥札再臨》となるが、これらは手札が1枚しか増えなかった。《トリックフィンガー》は手札が2枚増えるが、ゲージ消費量の面で前述2種に劣る。《ワンダフルハンド》は効果も必要CPもゲージ消費量も最大クラス、という立ち位置。CPの捻出に苦労するデッキだと《ワンダフルハンド》から入れ替わって採用することもあるかもしれない。
山城軍司:《エイミングクラッシュ》 2
CP2、消費中、「相手ユニット2体に強制防御」。
デメリットのない《獣王の威光》、と見てしまって構わないだろう。加護に当てたいなら《獣王の威光》か《アプスー》に頼るしかない。
《ランスロット》《軍神アテナ》《開闢王伏羲》あたりのレベル2から始動できれば宇宙。しかし、例によって自軍更地だと意味がなく使う盤面やデッキを選ぶ印象は否めない。
京極院沙夜:《月花熾滅》 3.5
CP3、消費中、「相手のレベル2以上のユニットを全て破壊」。
"げっかしめつ"で読みは合ってますかね。
ざっくりと《冥王ハデス》CIP。これがジョーカー能力になって全デッキで使用可能になったのが大きい。下方修正を受けてもなお使用率トップに《サイレンスビロウ》が君臨しているのは、スターターデッキ【赤ヒトミ・デーメーテール】や拡張パック【昆虫】など下位ランク帯で多い赤緑系デッキにおいて加護や不滅を対処できるのが《サイレンスビロウ》しかないという問題があるから。事実、プラチナ帯マッチングだけ見れば《サイレンスビロウ》が1位独走とは到底思えない。《ワンダフルハンド》の方が体感多い気がする。
そんななかで、レベル2にさえなればほぼ全ての相手を破壊できるこのアビリティの追加は《サイレンスビロウ》独走への牽制とも言える。定期的にレベル1に戻る武身、破壊効果耐性と加護を併せ持つ《宝玉獣カーバンくん》、とにかく沈黙を当てたい各種システムユニットなど《サイレンスビロウ》でしか刺せない仮想敵はそれなりに多いが、《サイレンスビロウ》被弾を見越した超BP戦術などもある。CPやゲージ消費量についても微妙な違いがあり、相互互換と言えるだろう。
もちろん青系のレベルコントロールで使ってもいい。
黒野時矢:《インペリアルクルセイド》 2.5
CP7、消費大、「相手ユニット全てを破壊する」
Ver1.xからの復帰組。当時と同様に、《ヘレティックスカー》と判別不能。
《パニッシュメントブレイク》と比較するとCPが重い分効果対象が広い。これもある意味無理盤面への回答と言えるが、例年通り"使ったターンは他の行動ができない"という問題を抱える。確実性の面で《サイレンスビロウ》《月花熾滅》《パニッシュメントブレイク》を超えるが、"ゲージがあっても最大CPがまだ7になっておらず使えない"というシーンは少なくなさそう。窮地を乗り越えるためのジョーカーとしては認識しづらく、【海洋】の《パニッシュメントブレイク》のように決定的な打点を出すための1手という認識が強い。
時矢の2択については前のめりなデッキでは《ヘレティックスカー》、守りを重視していたら《インペリアルクルセイド》というのが通説。
リナ・ヴァレンタイン:《チェックメイトアクト》 2
CP3、消費中、「相手ユニット2体に防御禁止」
ざっくり《狂神アレス》CIP。加護に当てたいなら本家《狂神アレス》か《魔軍総帥アスタロト》。
除去できているわけではないのでライフレースに自信のあるデッキで使いたいところ。単純に《獣忍白狼》を無効化するだけなら《サイレンスビロウ》よりもゲージ消費量で優れるので、《ナイトガーデン》を挟めば《魔天ルシファー》に繋がる紫系統で使われるかもしれない。CP的にはビロウでいいんだけど・・・
霧谷紫雨:《エビルガンビット》 4.5
CP1、消費中、「手札を1枚捨てて、デッキから好きなカード1枚を手札に加える」
ざっくりと《無限の魔法石》。
「これさえあれば勝てる」という場面は少なくない。そのための《無限の魔法石》だが、世の中にはその魔法石が引けないと喚くプレイヤーがそれなりにいる。しかし、もはや魔法石を引く必要すらなくなってしまった。カードプールの増加とともにメインデッキ内だけで対応できる範囲が広がっていくなかで、勝つのも負けないのも自由自在なジョーカーアビリティ。
《無限の魔法石》そのものと比較すると、CPが1増えたが"ユニットを出さなくても使える"のでCP的には実はトントン。また魔法石というカードを消費している分2:1交換であったのが1:1交換に格上げされているが、ジョーカーゲージをそれなりに消費している。
平時から手札が多く、またデッキ40枚単位で対応力に優れるデッキの方が使いやすい。
4. 新カードレビュー
新カードの強さについては「いつも修正ギリギリを狙っています」とむっくの弁明。それでもVer2.0_EX1で明らかにやりすぎたからか、今回はおとなしい印象を受ける。
Ver2.0_EX2から新要素「選略」が追加。Hearthstoneの「Choose One」と思えばわかりやすい。どちらかを選べる汎用性、というのがウリだがどうにも選略を持つユニットそのもののスペックがおかしい。
そのうち公式からカードリスト出ると思うので詳細省略。
赤ユニット
・《ブラックナイト》 2.5
1CP4000というイカレたスペックがまず目を引く。1CPで《煉獄の封札炎》を耐え切って進化土台になるというのは前代未聞。ただ4000が無我の境地や消滅耐性を持っても結局《ゴールドクラウン》《アリアンロッド》《天空神機ゼウス》に負けてしまうのであくまでスペックだけの評価。《天龍のレイア》ぐらいなら止まるので無我の境地優勢か。
・《夢笛のアリア》 2.5
神獣サーチャー。《黄金蝶の少女》を使おうと思ったら必須なやつ。
同色の神獣は《フェニックス・ニケ》《レッドシーサー》のみと散々な仕上がり。《黄金蝶の少女》に頼らないデッキで使おうとするとまともなサーチ先が《ユニコーン》《宝玉獣カーバンくん》《角端》・・・まともとは到底言い難い。【ティアマトギャンブラー】系デッキでそれなりによく見るメンバーと思いきや、あのデッキは《創生竜ティアマト》をサーチできる《ヒートドラゴン》が先攻初手担当になっているのでやはり厳しい。
腐っても種族サーチャー、しかも進化土台に飢え続ける赤。8pt帯まで落としてはならないカード。
・《クイーンアント》 3.5
相手ターンを跨いで生き残らないと本領を発揮できないため動き出しこそ遅いが、動き始めればその打点と展開力は本物。1裏に叩けば死なないだろう、と思って甘えると《聖少女ブリギッド》か《悪意のプレリュード》2連打で死ぬので現環境は怖い。
盤面を作る能力は凄まじいが、相手の盤面を一切崩せない。"縦にも横にも展開力に優れ、更には手札消費も少ないが原則として不器用"な昆虫種族を象徴するカード。
・《ジャック・ザ・リッパー》 3.5
難しいことを考えなくても、とりあえず「珍獣にブロックされない2CPスピードムーブ」ぐらいには見てよさそうだ。
で、問題の自己回収・連続攻撃部分。コイツ1枚を回収するのに2枚のカードを犠牲にしているので、基本的には手札が減っていく。手札枚数については生放送内では《ワンダフルハンド》で解決していたが、この自己回収・連続攻撃の一連の流れを使うなら「そこで殺す」か「手札がもう既に必要のない状況である(=10ターン目)」ことが望ましい。前者がアグロ的考え方だが、十分な手札をアグロが持っているとは思えない。後者はコントロール系デッキのライフレースに関して救世主になり得る可能性があるが、9ターン目までに引いても(【珍獣】系相手のピンポイントメタ以外で)おそらく腐ることとどう折り合いをつけていくかが問題になる。
"カードパワーはありそうだけど僕の想像力ではどうしようもないのでみんな頑張って"というのが率直な感想。赤系の現在の主力である《パズズ》(が生み出す《ウイルス・灼》)と相性が悪いのもつらい。
黄色ユニット
・《雷神エルサンダー》 2
《鳥人スパルナ》の系譜。種族も同じく巨人。
ブロック時9000だが、基本的には《悪意のプレリュード》で即死してそう。《エンジェルビルダー》まで繋がれば熱いので使うなら【巨人】か。
・《寝坊のヒュプノス》 3
決して弱くはない。恒常的にランダムハンデスを使えるのは【OC特化珍獣】系にはかなりのストレスになるだろうし、自分の手札が7枚でターンを始めるのも難しいことではない。
ただ、黄色4CP帯はよほどの性能がないと使われない激戦区。《光明神アポロン》はもちろんのこと、《銀翼のクリス》《幻夢のロキ》にも勝てているとは思えない。
・《シュヴァルツティーガー》 3.5
すごい戦車道を感じる。
更地でこそ殴れないが、殴り合いの展開にめっぽう強い。《白夜刀のカンナ》《炎剣・レーヴァテイン》などを瞬殺できるのは好印象。《ゴールドクラウン》なんかと合わせて使うことで膠着状態でも能力を活かせる。
・《ライトニングドラゴン》 4.5
書いてあることが余りにもめちゃくちゃだ。このバージョンの最強カードなのは間違いないだろう。
選略は《ゴールドクラウン》CIPか《守神・不動明王》CIP。というか、「あの《ゴールドクラウン》が守りにも使える」という時点でもう何を言っているのかわからない。こちらは進化ではないので得点力は本家が勝るが、大量得点を生み出すきっかけになるのは同様。CP5というのも絶妙で《天龍のレイア》《シュヴァルツティーガー》《司令官テイアー》などとギリギリ併用できる。
守備力も尋常じゃない。殴り合いを全否定する全体呪縛付与に、「《パイモン》全盛期を見て何も学ばなかったのか」と運営を疑いたくなるような加護8000の圧倒的フィジカル。"CP1上げたら《エンジェルビルダー》に強烈なオマケがいっぱいついてきた"と考えることもできる。
黄色5CP帯と言えば《天帝インドラ》の独壇場だったが、互いに弱点を補うわ寝焼き全体5000と《ゴールドクラウン》能力とでコンボできるわと明らかに併用推奨。散々《ゴールドクラウン》を引き合いに出したが、全体呪縛を選択すればその《ゴールドクラウン》そのものともコンボが成立するのでもはやヤケクソの領域。
【黄単】、あるいはそれに近い構成のデッキでしか使えないので5点は付けていないが、「修正ギリギリのラインを攻めている」という運営の言い分に間違いはないと納得させてくれる1枚。
青ユニット
・《流精ティターニア》 3
選略は《ロキ》CIPか《ヴァイパー》CIP。さすがに《ヴァイパー》よりはBPが低く設定されている。汎用性を追及したら普通こうなるんですよ聞いているのかね《ブラックナイト》君と《ライトニングドラゴン》君!
フィジカルにこそ不安が残るが"ユニットかインターセプト好きな方を引ける"というのはかなり魅力的。環境に間に合うかどうかは不安だが、4ptは到底付けられない。
・《エンパイアソルジャー》 2
不滅ユニットで攻撃すると例え防御側を倒せなくともBPダメージとして残るので、後続の攻撃が通りやすかったり小さい火力で敵ユニットを除去できますよ、というデザイン。
しかし不滅の本領は防御面と除去耐性にある。「更地では強くない」という弱点も相まって、高い評価はつけられない。
・《メデューサ》 3
とりあえず相討ちできる、というデザインなのだが《炎剣・レーヴァテイン》即死域なので過信できない。《創造神機ブラフマー》での蘇生対象なので物量で攻めたいところ。《人柱のシズク》と比較すると効果が弱い分素出しできる。
・《地剣の土方》 4
"ラストサムライ" Joshaが開発入りしたと思ったら早速とんでもないものを作っていた。《天剣の沖田》《地剣の土方》と続いたので、今後"人剣の近藤"でも出す予定があるのだろうか。
CIP・PIGで2CP以下の侍を蘇生。効果対象は《開眼のアヤメ》《天剣の沖田》《RONIN》。破壊されれば効果破壊でも戦闘破壊でも対応するし、どちらのターンでも構わない。
戦闘時効果は"沈黙させてから破壊"というシークエンスになっており、PIGや効果破壊耐性を無効化する。"暗殺"を表現したというが、"この世の怨念を全て引き受けた結果"のようにも見える業の深い効果。侍3体以上という条件は付くが、CIPの特殊召喚があるので達成はそう難しくはない。
しぶとさ、堅さ、突破力、どれをとっても一級品。間違いなく今後の【侍】には必須カード。
緑ユニット
・《ハムシューター》 1.5
【OC特化珍獣】が使う【OC特化珍獣】対策。消滅効果耐性がないので【黄単】相手では不安。
余りにも用途が狭すぎる。せめてもう少しBPがあれば・・・
・《月弓のセレーネ》 3
3CP7000、または3CP4000で自身含めて自軍全体+1000。
・・・無条件3CP7000!?そんなヤツ今まで1枚もいなかっただろうが!《流精のティターニア》に謝れよお前も!
実際のところ図体だけのキャラなので高い評価はつけられない。《聖少女ブリギッド》とコンボするにしても、"ターンを跨いで生存したブリギッドを動かしたい"という状況以外では《飛翔のジズ》《プラウドドラゴン》の方が強い。
・《ラードーン》 2.5
種族、コスト、挙動といい《鬼ブル》の転生体ではないだろうか。
動き出せば止まらないが、余りにも動き出しが遅い。スピードムーブも付けにくいしなあ。《ビッグマシン》の方が簡単に遊べる気がする。
・《英剣・デュランダル》 4.5
緑3CP武身。【緑単武身】が可能になった。
実際に動くところを想像するとかなり強そう。「《鏡盾・イージス》から進化して急にCPが増える」のが危険すぎる。《鏡盾・イージス》なんて先攻初手ですぐに出てくるし、後攻初手の《叢雲・クサナギ》からも生えてくる。秩序の盾がついている可能性も高く、2から3の変身を止める暇はあまりないのが実情。
素出しでもCP1はキャッシュバックされるので、連撃トリガーとしても悪くない。《飛翔のジズ》でも《プラウドドラゴン》でもなんでもすればいい。手札に来てしまったとしても、イージス程度には使える。むしろ進化先がクサナギあるいは《三叉・トリシューラ》なので、除去耐性に目を瞑ればイージスよりも期待値が高い。
進化する関係上除去優先度も高く、相手にしたくないカード。《死神のランプ》にはくれぐれも注意。
紫ユニット
・《宇宙魍魎コ・モーノ》 2.5
おそらく《宇宙海賊ジャ・アーク》の手下。
《ダークテイマー》っぽい挙動を示すが、紫にはPIG持ちが《タイニードラコ》《混沌神カオス》程度しかおらず、またジェネレートサイクルもいないので有効利用しにくい。《ダークテイマー》との決定的な違いとして、自分を選べないことが挙げられる。自壊してゲージ+2から特殊召喚、という流れは強すぎるので止む無しか。逆に、自陣更地には普通に置くことができる(当然紫ゲージも+2されないが)。
被破壊時の特殊召喚効果はゲージ消費がなくそれなりに優秀でゲージが-2されて循環する構造。破壊方法・タイミングを問わないのは偉い。(10/11 16:00修正。生放送で口頭修正ってなんやねんわざわざコレ書くために全部生放送聞き直しはしねえわ)
ポテンシャルをフルに引き出すには、《ONI総長》を持ちPIGを豊富に抱える青との混色デッキが最適だろう。
・《樹海のドリアード》 4
2CP5000ゲージ+1、または2CP6000秩序の盾ゲージ-1。
ゲージを増やすモードで使われることが多くなるだろう。暴れすぎてお仕置きされた《彼岸のメイカ》と比較して、素のサイズや出した瞬間の安定感に優れゲージ上昇量で劣る。メイカは今《ニードルレイン》に耐えられないのでこのフィジカルの差は無視しにくい。新たな先攻初手候補の1つになるだろう。
6000秩序の盾モードは対《聖少女ブリギッド》戦で活躍。《プラウドドラゴン》にこそ殺されるが、ハンデスタイプにはそもそも入っていない。
・《アマゾネス》 2
紫ゲージを利用して、"戦闘で負けなくなる"効果。
発動する度にゲージ-2なのでやりすぎると《混沌神カオス》などに繋がりにくくなる。ゲージ3は常にキープしたいことを考えると使いにくいかなあ。
・《転生・毘沙門》 3.5
帰ってきてしまった毘沙門。「俺達が愛した《戦神・毘沙門》はこんなメスガキじゃない」という怨嗟の声の方が圧倒的に大きいあたりはまさに《人の業》を感じる。似たようなポジションの《軍姫エリス》よりもBPが低いのも泣ける。俺達の知っている毘沙門は《蠅魔王ベルゼブブ》で即死したりはしない。
しかも帰ってきたところで極めて微妙な立ち位置だ。よほどのことがなければ《魔天ルシファー》で勝ててしまう勢力だし、現状大量破壊を担当する《混沌神カオス》《軍姫エリス》は"敵陣にのみ影響を与える"ので得点力がコイツの比ではない。ヤケクソにデカくなった《ユグドラシル》などコイツでしか対応できない敵もいなくはないが、"フィニッシャー"としてカウントするのは難しくあくまで"緊急回避手段"でしかないということに留意。【紫単】に《始世姫ジョカ》を入れるぐらいならこっちを入れた方が必要ない時に紫軽減になるので腐りにくい、という程度。
トリガー・インターセプト
・《ディメンジョンゲート》 2.5
どうやってコストパフォーマンスを無視して胡散臭いユニットを特殊召喚できるか、にかかっている。となると、呼びたいユニットの筆頭は《モロク》。《ミイラくん》を破壊して《モロク》が出てくるのは完全にインチキなので専用デッキが組めればそれなりに遊べそう。《ミイラくん》を破壊して《ミイラくん》が出てくるのも悪い取引ではない。
他にも《人柱のシズク》なんかは狙い目。《ブラッディ・マリー》や《龍将・政宗》を破壊しつつ後続を呼ぶ《2挺拳銃》ごっこもできなくはない。
・《大航海時代》 3.5
史上初、《死神のランプ》に阻害されないCP加速カード。
「元のコストが2以上」なので同一ターンで連打するとCP2のカードはCP0になる。生放送中で披露されたが《救いの神風》のようなインターセプトもコスト軽減されるので噛み合ってしまうと大爆発間違いなし。Hearthstoneの《ソーリサン皇帝/Emperor Thaurrisan(BRM)》を知っている人はこの文章のヤバさに気が付けるはず。
最も"ターン開始時に発動するトリガー"なので、1ターン前に伏せておく必要があるし、適当に伏せてしまうと暴発する。《三叉・トリシューラ》などのトリガー破壊に弱い。更には発動時の手札枚数で効果量が変動するのでハンデスにも弱い。弱点だらけだが、それでも動き出すと人が死ぬ。僕は使わないけど何かしらの新デッキ・新コンボが成立しそう。
・《ターゲットインサイト》 2
これが都合よく決まる展開があまり想像できない。《弱肉強食》を最近使ったことのある方は知っているだろうが、【珍獣】系ですら《ドーバーデーモン》のせいで盤面のコストが分散されているのである。
・《意志の継承》 2
お前らそんなに《サイレンスビロウ》が憎いのか。
余りにもピンポイントメタすぎる。《滅王アレキサンダー》と自作自演コンボするぐらいなら最初から《闇神・ツクヨミ》使えという話。
・《血染めの夜》 2.5
自ターン開始時効果を使うならそのターン中に《天空神機ゼウス》や《原初神ガイア》などのリセットボタンまで繋げたい。余ったCPでスピードムーブを投げられるのがベスト。《血染めの夜》→《花の高原》第二効果はこの発動順なら成立する。どの道《死神のランプ》を踏むとこちらが更地な分爆死なので注意。
敵ターン開始時効果は使えるとしたら【海洋】。《始世姫ジョカ》や《邪眼天使サリエル》で更地が取れ、沸いてきたゾンビ共を全部まとめてシュートすることでCP-5のロックが成立。壊したユニットが大抵ゾンビなのでリカバリーも効きやすい。
どちらにせよ、被破壊時に美味しい効果のあるユニットを犠牲にしないとアド差がキツい。僕はコレあんまり研究しないと思うんで誰か適当にやっといてね。
・《不意打ち》 2.5
赤インターセプト。ぅゎょぅじょっょぃ。
相手ターン中に不意に炸裂する《破壊少女シヴァ》CIP・・・と思いきや、なんと出たユニット自身には当たらない。それでも【代償紫】などウィニー系の序盤の攻勢を凌ぐのには十分な効果がありそう。
・《はにわの洞窟》 2
3枚まで、と書いてあるが基本的には"戦闘で死んだヤツ"がいるので2枚が限界。3枚引きたいなら《文明崩壊》なりなんなりして1周させよう。
これを構えた状態でターンを返すのは弱そうなので、自ターンで使ってしまいたい。
・《ムーンブレード》 3
《ムーンセイヴァー》がスタン落ちしていることに今気付いた。
0CPになったが、発動条件が「自ターン開始時」と速効性がなくなった。引いたらさっさと伏せて、使えるタイミングで使ってしまうのがいいだろう。
・《老獪な一撃》 4
とりあえず0CPのBP操作インターセプトなので流行りそう。基本BP低下なので効果が永続する。
胡散臭いポイントとして、戦闘さえ発生すれば対象選択は自由という点が挙げられる。明らかに勝てる、あるいは明らかに負ける戦闘中に発動して、戦闘に関係のないユニット2体を狙い撃つことが可能なのだ。単純にその戦闘に勝つ勝たないの部分においては《武器破壊》に譲るが、幅広い戦略を取れる。カード名に偽り無しのグッドデザイン。
・《闇夜の襲撃者》 2.5
使うとしたら、「《魔天ルシファー》でフィニッシュするためのお膳立てとして事前に1点削っておく」など。戦闘終了時に効果が途切れるので《ブレイブシールド》とのコンボは不可。
あ、今回はカードパラメータ調整ないそうです。稼働前日に急にやります、とかないよね?
新カードは《ライトニングドラゴン》が頭1つ抜けて強く、次点に《英剣・デュランダル》・《地剣の土方》・《樹海のドリアード》といったところ。新カード以上に新ジョーカーアビリティ追加の影響が大きく、時間的余裕の無さも含めて新環境並びにアルカナ店舗予選の展望は全く読めない。
新Ver稼働は10/13(木)。インペリアルパックとアルカナ予選イベントは今日までだそうです。新Verを待つ前に現Verでできることはやっておきましょう。
10/6カードランキング更新 ~Ver2.0_EX1最終シーズン/Ver2.0_EX2第0シーズン展望~
・前シーズンまとめ
僕が前回の記事をアップしてすぐに、エメラルドランク追加という公式からのニュースがあった。
新ランク追加のお知らせinfo-coj.sega.jp | CODE OF JOKER -コード・オブ・ジョーカー-│SEGA
「プラチナ勲章は10/13を以て無価値になる」という意味でもある。だが「ようやく大会用調整ができる」、と意気込んで普通のデッキを握って全国に潜ってみると【緑単S】の嵐。1000位争いとは無縁の位置にいるようなプレイヤーが【緑単S】を繰り出してくるのである。2位・キリンすまっしゅが1位・バナナジョーカーを抜くために【緑単S】ならまだ理解の範疇の内に入るのだが(物理的に抜けそうにない、という点には目を瞑る)。そんなこんなで、大会用の調整に全国対戦が使えない状況は続いている。
COJとの関わり方そのものが人によって違うのかもしれないな、と考えさせられるのがここ昨今である。COJを完全に競技としてみなし、プレイヤーとしての強弱に拘る層。1種のライフワークとして、毎日プレイする層。このゲームをあくまで1つの手段とみなし、人脈を広げみんなでワイワイできればいい層・・・
全国ランキングに君臨する人間たかが100人とっても、根っこの考え方はだいぶ違う。「万人を納得させるゲームバランスやランキングシステムの構築」は難しいのかもしれない。ただ、現行のDOB周りのシステムやランカーリプレイの選出基準については、不満の声しか聞こえないのが事実である。
10/8に、新バージョン直前生放送が予告された。僕としては、「エメラルドランク実装とそれに伴うDOB関連のシステム変更」に関して説明責任を果たしてほしいというのが切実な願いである。8/25のシステム変更では、ユーザー自らが倍率値などを概算する羽目になった。根本のゲームシステムそのものについて運営から説明されない、というのは少なくともTCGとしては不適切であると思う。カードテキストを隠して新カードを追加するようなものだ。さらに言えば、当初やらないと言っていた「実質のランキングリセットをすることになった」ことについては土下座案件ではないか、というのが実際に《意気投合》《ライトステップ》で土下座するシーンを見た老害の心境である。
今運営がどういう層をメインターゲットとしてCOJを作っているのかは知らないが、どうやらR&Dサポーターズ開設以降はここはしっかり監視されている模様なので、見られていることを前提に苦言を呈すことにした。
Ver2.0_EX2の稼働日は、エメラルドランクが実装される10/13というのが最有力。その2日後の10/15には、アルカナカップの店舗予選が始まる。
今回の集計期間は9/20~10/4。この期間中、中国に行ってたり腸炎で救急車で運ばれたり天気が悪かったりとわずか1日しか全国対戦ができていません。
・カードランキング:0pt帯
《ドーバーデーモン》が1位をキープ。だがその使用ポイントは4200前後と、相変わらずJそのものの勢いに不安要素を感じる数値である。最も、前シーズンは「やり控え」が合法的に成立してしまうシーズンでもあるので致し方なし。
新しく0ptになったカードで目立つのは【海洋】系。《天然魔導士ミーナ》《滅王アレキサンダー》2pt→0pt、《レヴィアタン》《デスパレート》4pt→0pt。ついでに対【海洋】の代名詞《盗賊の手》が0ptになっているのも面白い。「手札消費を荒くして成立条件を満たしてしまうために、TCGとしての大前提を破壊しているのでカードそのものを削除してほしい」という声が相次ぐ《女神の息吹》(【海洋】だけでなく【緑単S】でも必須)への対策にも一応使えるので、そこを評価された形か。
紫系では《ルキフグス》《魔人の羽化》《ニードルレイン》が2pt→0pt。固定パックの影響と見られる。黄系では《オータムロイド》《ダークプリースト》《司令官テイアー》が2pt→0pt。
また、《ゴールド・ダルマン》が超久々に0pt帯に。【ミリア珍獣】全盛期以来ではなかろうか。
・カードランキング:2pt
《ラミエル》《聖夜のメリィ》《鳳凰》《火精フレイミー》と綺麗に【赤単トリガーロスト】パーツが並ぶ。全て0pt→2pt。昨今ではほぼ赤いカードとして扱われる《聖天使ニケ》も0pt→2pt。
【猿】から《狂神アレス》、【緑単アグロ】から《ランスロット》《軍神アテナ》、両者で使える《開闢王伏羲》が全て0pt→2pt。これらを運用する上でキーになる《花の高原》は167位で2pt維持。
《プロメテウス》《アークウイング》《ソードダンサー》《どきどきテイスティング》など、なぜか4pt帯にいた黄系の猛者が2pt帯に戻ってきた。一方で、《ユニコーン》が0ptから2ptに落ちている。
・カードランキング:4pt帯
《泰山の侍》4ptは明らかに強すぎる。《赤誠の沖田》《闇法師弁慶》も2pt→4ptで【侍】はかなりオイシイ。
【ティアマトギャンブラー】系では《トリックメイジ》《破滅のギャンブラー》《伝説の奇術師》《グレイスウルフィン》《ヒートドラゴン》が2pt→4pt。そういえば《ケルベロス》も0pt→2ptなので、前季よりはかなり余裕のあるポイントになりそう。"ティアマト四天王"のけさん&アワッホス曰く「今季は【ティアマトギャンブラーS】3rd Season」らしいのでざっくりこの世の終わり。
《神弾・ストラ》《ファンガスガール》《アサルトガール》《大いなる世界》など、特定の目的意識があればptを問わずにデッキに投入したくなるカードが4pt帯に多いのも今季の特徴。
《蜀漢の英雄・趙雲》が久々に4pt。無色のpt調整枠としては《繁栄の対価》と2択。《死神のランプ》は2ptに上がってしまった。
・カードランキング:8pt帯
ここ最近のSP・PRである《貴公子ZERO》《月想の眠り姫》《道化師メイ》《リントブルム》が全て8pt。特に前者2枚は活躍が期待される。
色別に見ると、赤は《ラッシュビートル》が白眉。《アリアンロッド》系が増えている傾向もあるのでメタとして活躍できる可能性がある。
黄色は《ポメ錦》《残響のアレグリア》《マンドラゴラ》と、8/25~9/7シーズンを思わせる大盤振る舞い。当時とは4ptのメンバーが違うので完全に同じ構成にはできないだろうが、【黄単S】の可能性は十分ある。
青は前述の《貴公子ZERO》が頭一つ抜けて強力だが、《サイボーグ死兵》《プリムラ》《紫電龍》と他にタレントがいないわけでもない。《サイレントウィッシュ》は4ptでも使用価値のある優良インターセプト。
緑は《風雲龍》1択。《プラウドドラゴン》をデッキからリクルートしてしまい効果使用機会を減らしてしまうという難点こそあるが、他とは明らかに格の違うカードパワー。《ライジングドラゴン》が赤ではあるものの8ptなので、《ニードルアリゲイター》などと組み合わせるとそれなりにシナジーのあるデッキになりそうではある。
紫は《月想の眠り姫》以外何もないので諦めてください。
無色のトリガー・インターセプトでは《戦場の誓い》が優秀。【戦士】デッキはもちろん、《アリアンロッド》ピンポイントサーチが可能なのでそちらでの用途もある。【ブリギッドハンデス】が大流行するようなら《全ては計画通り》も視野に入る。
・ジョーカーランキング
0ptメンバーには変化無し。
《パニッシュメントブレイク》《ライズアンドシャイン》が6pt→2pt。《デリートレイド》は10pt帯唯一の単体除去であったため2ptまで急浮上。また、《ターミネートコマンド》《リトルウォンド》が10pt→6pt。
《ディバインシールド》《インペイルメント》《スターライト》がまとめて2pt→10pt。《インペイルメント》は定期的なアレなので放置。《ディバインシールド》《スターライト》はともに【ティアマトギャンブラー】レギュラー枠。
勲章システムの根本が変わらないのであれば、プラチナランカーは「JPカンスト、あるいはプラチナ勲章を500の倍数直前で止めてエメラルドランク開放に備える」のが賢いやり方。僕はしっかりカンストで止めてます。アルカナカップに出たい方はイベントの完走も忘れずに(~10/11)。
9/21カードランキング更新~Ver2.0_EX1エラッタ後第三シーズン展望~
・前シーズンまとめ
シーズン開始当初こそS環境は落ち着くのかと思われたが、最終的には【ティアマトギャンブラー】S、【緑単】Sだらけになってしまった。
Sデッキで勲章を増やすプレイヤーには、Sデッキを使わずして追いつくことはできない。例えば「勲章300個」という一定基準に対して、Cデッキが20勝、Bデッキで15勝必要なのに対し、Sデッキでは6勝である。プレイヤーがどのぐらい筐体に座れるか、などを考えてしまうと、この差は余りにも大きすぎる。
またSデッキの普及により、ランキング、すなわち勲章レースから「勝率」の概念が消え去って、プレイヤーの不満はいよいよ持って大きくなってきた。「誰が強者かわからない」のである。全国ランキングを元に選出されるランカーリプレイを見ても、誰がやっても《聖少女ブリギッド》《プラウドドラゴン》《飛翔のジズ》を投げつけることしかできないデッキしかいないのであればもはや手札の枚数ぐらいしか見るべきものがなくなってしまう。
このマッチ帯で連勝ドヤとか勝率ドヤするのなら最低でも25連勝か95%ぐらい無いと驚けない(⌒-⌒; )
— mondial (@mondial_coj) September 17, 2016
2.0以降の広いマッチ幅に加えて、"対戦相手のデッキが基本的に強いとは限らない"というS環境特有の問題もあり、デイリー戦績や連勝記録でさえ誇れるものではなくなった。プレイ内容にスコアをつけてくれる音ゲーやSTGと違い、COJにはプレイヤーを「絶対評価」する機能はない。あるのは目の前の敵を倒して優劣を決める「瞬間的な相対評価」、そしてそれをどれだけの精度で、どれだけの時間続けられるかという「継続的な相対評価」の2つである。
8/25に行われたDOBシステムの査定変更により、ランキングが機能不全に陥りプレイヤーの「強さの証明」が極めて難しくなってしまった。何の指標かわからなくなってしまった勲章レース自体はますます加速し、9/20時点のランカーボーダーはプラチナ勲章6000を超える。
もはや、「強さの証明」のためには公式大会しかない。
コード・オブ・ジョーカー 第4回 アルカナカップ~共同戦線~ | SEGA
事実、公式大会はある。だがしかしS環境のせいで「今一番強いデッキがわからない、それを作ろうにも全国対戦が調整にならない」という非常事態である。プレイヤー間で評価が高いのは【紫単】【猿】【ブリギッドハンデス】あたりだが、今Tierランクをつけられるのかという話になると店内対戦が50戦は必要だろう。
「強さの証明」がどれほど重要なのかはプレイヤー各位によって認識の分かれるところではあるだろうが、わざわざゲーセンに出向いて対戦ゲームに興じている以上、少なからず「他者を踏み越え、自身の方が上だ」と叫びたい欲求はあるだろう。行き場を失ったこういった衝動が対戦相手以外の何かを破壊しないことを祈る。
要するに、COJ稼働以降最も危険な状態に陥ったシーズンだったと、僕の中では解釈している。
集計期間は9/7~9/19。
・カードランキング:0pt帯
1位:《ドーバーデーモン》
6位:《聖少女ブリギッド》
7位:《ブロックナイト》
8位:《プラウドドラゴン》
9位:《ライオンハートガール》
12位:《飛翔のジズ》
数々の解説記事こそあれどどうしても難解なイメージが付きまとう【ティアマトギャンブラー】よりも、大衆に支持されたのは至極簡単な【緑単】であった。《ブロックナイト》は連撃のトリガーにならないので採用されないこともある。
【緑単】S関係では《イナバハンター》が8pt→0pt。Sデッキに囚われない部分においても《天空のアイテール》《ランスロット》《軍神アテナ》《ブッシュファイター》が2pt→0pt。《花の高原》の関係で【猿】系にも入っていた《開闢王伏羲》は4pt→0pt。
余談ではあるが、1位の使用ポイントが4500と低く、さらには《デーメーテール》《ティターニア》などのスターターカードが順位を上げていることから、COJの客離れをも懸念されている。《メリュジーヌ》が100位で0ptになったらしい。
46位:《原初神ガイア》
50位:《人身御供》
66位:《学びの庭》
83位:《火精フレイミー》
94位:《狂神アレス》
【猿】関係。フレイミーのみ4pt→0pt、他は2pt→0pt。《ブロックナイト》は【緑単】じゃなくてこっちか。
《人身御供》→《花の高原》(114位、4pt→2pt)は往年の"祈り御供"を彷彿とさせる。「高速で横に並べてから進化ユニットのパワーで勝つ」コンセプトの【猿】には《花の高原》の本来の効果の方も使いやすく、必須カードと化した。《人身御供》は【緑単S】の序盤の攻勢を凌ぐのに極めて有効であり、デッキ種自体の高い評価の一因にもなっている。
他には《バンシー》《封札の死壊石》《聖夜のメリィ》《エンジェルビルダー》《ユニコーン》《ケルベロス》が2pt→0pt。
下方修正を貰ったはずの《闇天使ネフィリア》がまだまだ元気で、17位。全く落ちる気配がない。
・カードランキング:1pt帯
108位:《トリックメイジ》
112位:《創生竜ティアマト》
121位:《破滅のギャンブラー》
158位:《グレイスウルフィン》
188位:《伝説の奇術師》
4pt→2pt。【ティアマトギャンブラー】関係。
必須パーツに4ptが多すぎて勝手にポイントが稼げる、という立ち位置だったが今季はついにS構築が不可能になりそう。ヘイトの集め方だけはTier1なので、デッキパワーの真価が問われるシーズンになりそうだ。
151位:《2挺拳銃》
178位:《アイアンゴーレム》
200位:《ブラッディ・マリー》
全て4pt→2pt。
チラシの裏 【ヒッキー✩が解説! #1】2016/9/10 ランカーリプレイ(赤黄二挺拳銃デッキ)を読み解く
前季出現した新デッキというと赤青、あるいは赤黄の【2挺拳銃】デッキとなる。《聖少女ブリギッド》に頼らない盤面解決力は見物。流行度はそれほどでもなかったが、「プレイしていて楽しい」という声の聞こえる良デッキではありそうだ。
《アイアンゴーレム》は相方《龍将・政宗》と一緒にpt変動するのが常だったが、赤黄型【2挺拳銃】で単独採用され始めたので、ついにptが別枠になった。
勢いがないのは【黄単】【紫単】。
《司令官テイアー》《オータムロイド》《ダークプリースト》が0pt→2ptだが、これはまだ序の口。
《魔人の羽化》《ニードルレイン》《混沌神カオス》は0ptでも全くおかしくない顔ぶれ。
・カードランキング:4pt帯
【黄単】、さらには【海洋】といった2シーズン前の流行デッキパーツが顔を揃える。集計期間に1日だけ(9/7)2シーズン前が引っかかっていなかったら、全て8ptまで戻っていたんじゃないかという面々だ。
まず【黄単】系。
《プロメテウス》《銀翼のクリス》《大天使ガブリエル》《どきどきテイスティング》が2pt→4pt。《神札再生》《ポメ錦》《マンドレイク》など2シーズン前の8ptチームは0pt→4pt。"エラッタ前のソリューションカード"《アークウイング》も0pt→4pt。
【海洋】系の方が強烈。
《デスパレート》《天然魔導士ミーナ》《レヴィアタン》《マーメイド》とデッキを定義するキーカードが全て0pt→4pt。「フルパワーでB」との声も聞こえてくる。
《シャルロット》《TA-YU》など2シーズン前に8ptだったカードがやはり4ptになっているが、AやS調整するなら8ptカードを使えばよさそう。
紫も凄い。
《アネモネ》《魔導女学院生エリン》《封札の紫呪印》《舞踏のクロエ》《タイニードラコ》《軍姫エリス》が2pt→4pt。《フェアウェル・ソング》にいたっては0pt→4pt。このあたりのパーツが全体的に軽めなことと《強欲の代償》が2pt→4ptであるために【代償紫】がアツく、環境最速の押し付けデッキがBで組めるらしい。
《繁栄の対価》《死神のランプ》が2pt→4pt。流行が予想されるほとんどのデッキに対して刺さる。
・カードランキング:8pt帯
赤はさすがに前季が強すぎてなんもない。《魔炎の決意》はそれなりかな。
黄色は《オトタチバナヒメ》に加えて2CPユニット多数。《ヴァイオレット》もなかなかやる。
青がラインナップの珍しさと優秀さを兼ね備えている。《宿怨のプロメテウス》《魔侯アンドラス》《ファフニール》は単純に使いやすい。また、《ドラゴンブリザード》が8pt。【海洋】がフルパワーでB行くのはこれが原因。インターセプトに《兵糧攻め》というわかりやすいハンデスカードがあるのも魅力。
緑は前季で使い切ったのか《アステロイドガール》ぐらいしかない。《威令フルーレティ》が8ptスタート。【緑単】Sを継続させるなら双方フル投入だろう。
また、今季は紫にもそれなりな8ptユニットが出始めた。デッキの動きを阻害しないのは《マルバス》だが、無理すればゲージを増やせる《激奏サラスヴァティー》、ゲージ消費こそあるものの疑似除去になる《ダークキャット》などバラエティーにも富む。
種族トリガーは《巨竜の島》《盗賊のアジト》。《ギャウルス》《ブラックケルビム》が4pt維持しているので、サーチ先を確保しつつ組み合わせることで高速圧縮できる。
・ジョーカーランキング
《サイレンスビロウ》が下方修正にも関わらず1位を堅持。0pt帯のメンバーに変化はない。
ついに《スターライト》が10pt帯を脱出。6pt帯を飛び越えての2pt帯である。【ティアマトギャンブラー】系でレギュラー格。単純に最軽量で1枚ブロッカーを無効化できる特性から、他のデッキにも使われるケースはあった。
《インペイルメント》はいつも通り10pt→2ptループ。
《ルインリード》《パニッシュメントブレイク》が2pt→6pt。ともに【海洋】で使用実績あり。つくづく【海洋】に都合のいいシーズンである。
《ターミネートコマンド》が2pt→10pt。【武身】で有名だが当然のように【緑単】でも使用可能。《リトルウォンド》《シャープリィスライヴ》の使用率が飛びぬけて凹んでおり、専用の特殊用途こそあるものの6ptでは使いたくないという事情が見える。
これを書いている間にも今季バージョンの【緑単】Sが一部ランカーの手で完成したとか。今季もメタゲーム、並びにランキングの正常化は望めそうにない。
9/8カードランキング更新 ~Ver2.0_EX1エラッタ後第二シーズン展望~
・前シーズンまとめ
あの「《策略の装填》S環境」と同格、あるいはそれ以上のS環境になってしまった。
【海洋】のSバージョンから始まったSデッキ旋風だが、それに与し易い【黄単】Sが最終的には最大勢力に。この【黄単】Sがそれほど特別なことをしてこない"丸い"タイプのデッキであることも幸いし、【緑単】S、【武身】S、【侍】S、【猿】Sなど多くのデッキバリエーションに恵まれたシーズンでもある。
新デッキ、というか新たに注目を浴びたのは強力な上方修正のかかった《飛翔のジズ》。【緑単】でも十二分に戦えるようになった。《加速装置》+《雄大なる間欠泉》、あるいは《世界樹の恵み》でピンポイントサーチするなど、ジズ運用のためにデッキを特化させていたのが前季の【緑単】である。
また、いわゆる【ティアマトギャンブラー】系統が大幅強化。《ケルベロス》上方修正もそうだが、必要パーツの多い難解なコンボデッキという側面に《ユニコーン》上方修正がベストマッチ。ほぼ全てのデッキパーツが4ptであったこともあり、Sデッキのくせにハメの成功率が前季以上と、もはやロマンデッキとは呼べない状況に突入しつつある。
「Sデッキ1勝→勲章50個」という時速の強化が著しく、ランキング争いをしようとするとSデッキを握らない限り勝ち目がない状況であった。上位陣がSデッキ化していき環境全体のデッキパワーが落ちていったので、豊富なデッキバリエーションと合わせて「どうやっても割と楽しく遊べる」という意味では貴重なシーズンであった。唐突に現れる【代償紫】(C~D)に2キルされても、勝率37.5%でプラチナ維持できるのだから些細な問題である。
一方で、「ランキングシステムの形骸化」については不満が噴出した。前季だけ勲章獲得の時速が明らかに速く、また高勝率も必要としていないので「今COJをいっぱいやっている人ランキングに変わってしまった」、という声が上がるのは仕方ない。そして恐ろしいことに勲章は減ることがないので、このシーズンの影響は未来永劫残る。
今季の集計期間は8/24~9/6。エラッタが8/30なのでちょうど半々ぐらい。
・カードランキング:0pt
《カパエル》1位の時点で前季の【黄単】Sの勢いは見て取れる。《選ばれし者》《現世のイザナギ》《ダークプリースト》《オータムロイド》が2pt→0pt、《ポメ錦》《神札再生》《マンドレイク》《残響のアレグリア》については8pt→0ptである。さらには【黄単】への対策として使われた《虚空への回帰》も8pt→0pt。《アークウイング》くんはエラッタ前の【黄紫】で稼いだだけだと思います。
【海洋】関係も《天然魔導士ミーナ》《滅王アレキサンダー》《レヴィアタン》《海底の楽園》《デスパレート》《マーメイド》《ヴォジャノーイ》が全て0ptに。Ver2.0にタイムスリップしたかのような面々である。
他には緑系を支える《常夏のサンビスタ》《飛翔のジズ》が0pt入り。
・カードランキング:2pt
【黄単】【海洋】の爪痕はここにも残っている。《ジェスタークロー》《TA-YU》《シャルロット》《サイボーグ死兵》は8pt→2pt。また【黄単】系統の4ptパワーカードで、取捨選択に悩まされたカードがいくつか上がってきた。《大天使ガブリエル》、《銀翼のクリス》、《ユニコーン》、《雷鎚・ミョルニル》などなど。また、【黄単】【海洋】双方に対策として刺さる《繁栄の対価》も4pt→2pt。
【黄単】【海洋】によって0pt帯から弾かれたのは主に【昆虫】系。《飛翔のジズ》によって緑系が《聖少女ブリギッド》に構築を寄せていく中、旧【緑単アグロ】メンバーの《天空のアイテール》《ランスロット》《キュベレー》あたりが2ptに落ちた。
S環境の影響か、《バンシー》《聖夜のメリィ》《魔導女学院生エリン》といった汎用性の高いパワーカードを今季は2ptで使える。
注目は《神弾・ストラ》。【武身】のポイント稼ぎに用いられることが大半であったが、【ティアマトギャンブラー】の中核である《創世竜ティアマト》《ケルベロス》相手に武身ギミックで予想外の角度から登場して破壊することができるので、対策として有効なのではないかと話題になっている。
・カードランキング:4pt
いきなり《クラウンクイーン》が見えて悶絶。実績・実力ともに十分のパワーカードである。
それ以外でも《闇法師弁慶》《赤誠の沖田》と【侍】関連は恵まれている。
8ptから上がってきたロクでもないものが多すぎるので、見るべきは2ptから落ちてきたカード。《献身のフェリア》《ソードダンサー》《パールヴァティー》《ルサルカ》《シメツノトクリ》《魔力開放》あたりは実績十分。また、《紅蓮の命》《ダークマター》《微笑の占い師》など、トリガー割りが異様に多い。
201位が《破滅のギャンブラー》で、その下にも関連カードが多く【ティアマトギャンブラー】系統は好調との見方が強い。Sに到達するかしないかギリギリのラインだそうだ。
・カードランキング:8pt
前季が強すぎたが、紫以外はそこまで悪くない。
赤が特にアツく、《フォックスバンデット》《ヤドキャリー》《シルフの空士》《安穏のアリエス》などなど。1CPに《ケロール・レッド》あり。《バーンソーサラー》《大天使ウリエル》など種族デッキを意識できる要素も。
黄色はそれこそ前季が最強すぎたが《裁断のライブラ》《豊穣のクシナダ》と珍しいラインナップ。《タケミカヅチ》がいるのもすごい。
青も悪くない・・・どころか、自己再生要素に目を瞑れば前季より強い。1CPに《キャタピラワシ》、他にも《アシストソルジャー》《幽冥のイカロス》《水精アクア》《プリムラ》と低コストには困らない。《神託の天草》《紫電龍》と進化にも恵まれる。
緑は1CPに《ポクポくん》・・・と思ったらなんと《軍将ヘカテー》がいるので明らかに今季はこっち。《アプスー》がいるので爆発力もある。
種族トリガーは前季から引き続きの《海からの贈り物》に加えて《受け継がれし英雄譚》。黄色・緑系で有効利用できそうだが、一番悪用が効くのは《オオヤマツミ》+《救世の天草》のワンショットデッキかもしれない。種族トリガーとは少し違うが《クローン生成》も8ptで、こちらは【OC特化珍獣】かそれに近いデッキ用。
・ジョーカーランキング
エラッタ前期間の影響か、《サイレンスビロウ》は未だに首位をキープ。
ただ2位以下は様変わり。【黄単】系での活躍により《ヘレティックスカー》が久々に0pt復帰。逆に《冥札再臨》が史上初の2pt落ち。
10pt枠というか【武身】のレギュラー格である《ターミネートコマンド》が10pt→2pt。【海洋】の友《ルインリード》も6pt→2pt。
代わりに6ptに落ちたのはなんと《ライズアンドシャイン》。Ver1期よりも重くなったとはいえ、まだまだ使えるリセットボタン。今季は《虚空への回帰》に怯えなくていいしね。《シャープリィスライヴ》も10pt→6pt。
10pt帯異変あり。《インサイトストライフ》は初の10pt落ちだし、なんと《スターライト》がついに最下位を脱出。代わりに最下位なのは《インペイルメント》・・・って、これいつもの2pt/10ptループですよね。
「S環境になるのかならないのか」という点では「ならない」が優勢な気はするが、一度Sデッキが流行してしまうとランキングシステムの観点からSを作らざるを得ないという微妙な立場。8日12時時点では一応【ニケパズズ】系、【青単レベルコントロール】系、【ティアマトギャンブラー】系がSに行けなくもないらしい。
正常なメタゲームを忘れて久しい。エラッタ後環境で「結局何が強いのか」はまだ誰も知らないのではなかろうか。