COJ阪神支部

旧「COJ山梨支部」。なお、中の人は巨カスの模様。

【COJP】最速!?俺の環境アナライズを見ろ

 新年あけましておめでとうございます。

 

 やっと冒頭に【COJP】と付けた記事をリリースすることができます。AC版のブログ記事では初心者そっちのけのスーパーオタクコンテンツを目指してきた僕ですが、スマホ版では結構な確率でJ触ったことない系新規参入キッズが出てきそうなので、割と初心者に優しい記事を心がけていこうと思います。

 

 

・11/20セガフェスプロモーションイベント、12/4mirrativ試友会を終えて

 

有名TCGプレイヤーがガチバトル!スマホ版『コード・オブ・ジョーカー』ステージ【セガフェス】 [ファミ通App]

 

 

 12/18アルカナカップ試遊スペース?構築戦しかないカードゲームでデッキ構築不可って試遊させる気ねえだろ馬鹿じゃねえの。

 

 

 11/20、12/4、12/18それぞれのバージョンには特に変化がなかった模様。稼働時のカードプールはおそらく

 

・AC版における「Ver1.0~Ver1.1_EX2」

・Ver1.2から《人の業》《弱肉強食》を先行収録

・PRカード(公式で告知されているもの)

 

 になります。今ゲームセンターで動いているCOJを現代とすると、COJPはだいたい江戸時代ぐらいのゲームです。この表現は決して馬鹿にしているとかそういう意味ではなく、「歴史」と「歴史改変」に関する理解がこの記事前半の目的であるので敢えての太字です。

 

 気の早いいくつかの攻略サイトではCOJPの記事や、さらには「リセマラ」についての記述も始まっています。ほぼ全てのカードをAC版COJで既に知っているので確かに現時点でカード評価をすることは可能なのですが、余りにも"当時を知らないで書いたと思われる記事"が多すぎます。

 最たるものが【ジークブック】に関するものです。【ジークブック】が環境に君臨したのはVer1.0_EX後期であり、COJPのカードプールと比較して3バージョンも古い時代の話です。江戸時代の戦場において、平安時代の戦術では基本的に勝てません。

 

 

・Ver1.1_EX2環境とは

 

  まず、「歴史」の勉強から皆様にはしていただきます。

 

 現実世界で約2年半前、Ver1.1_EX2当時の最強デッキは、【ブレイブ珍獣】と【加護信玄黄単】の2つ。

 

チラシの裏 環境トップデッキの変遷から見る資産ゲーの歴史

(※:4と5の2項目だけ見て頂ければ大丈夫です)

 

 1つ前のVer1.1_EX1を完全に制圧した【ブレイブ珍獣】。 

 コードオブジョーカー WIKI - ブレイブドラゴン

 現代でも【猿】の愛称でおなじみ、珍獣種族軸ビートダウン。「手札を減らさずにユニットを複数並べて、相手をドラゴンで焼き払って全軍でパンチ」。順番さえ覚えればプレイは簡単で、攻めるか守るかで迷ったら攻めるのが大抵正解なので野性的本能に忠実。猿でも勝てるから【猿】。《ブレイブドラゴン》以外にも《ブロウ・アップ》や《裁きのマーヤ》など小技も豊富。名実ともに江戸時代最強の矛です。

 

 それに対抗する江戸時代最強の盾が【加護信玄黄単】。

 コードオブジョーカー WIKI - 魔将・信玄

 「《魔将・信玄》+《一騎当千の神器》で全ての攻撃をシャットアウト。信玄のライフコストは《一筋の光明》によって逆利用。またライフコストで得たジョーカーゲージを使って《明天凶殺》+《戦神・毘沙門》のコンボを決め、全ての対抗手段を対戦相手から奪い去る」という豪快なデッキ。加護によって能力の対象にならなくなった信玄を対処できる方法は当時では《戦神・毘沙門》・《ジャッジメント》・《KP》しかないので、【ブレイブ珍獣】側も《ジャッジメント》の搭載を強要されました。

 

 COJ史上初の全国大会「第1回アルカナカップ」にてこの"ほこ×たて"対決の動画を見つけたので紹介。《ジャッジメント》を引けない【ブレイブ珍獣】を【加護信玄黄単】が完封しています。

 「第1回ARCANA CUP」選抜対戦動画 あーさー VS ジャン - YouTube

 

 この大会を制したのは【赤黄ブレイブ】デッキ。珍獣、黄単それぞれの特性を併せ持っているものの、突き抜けた長所を持たないのでプレイヤー側の状況判断が必要になるデッキ、と言えるでしょうか。

 赤黄デッキについて - CODE OF JOKER 普及委員会(仮)

 「第1回ARCANA CUP」選抜対戦動画 harukaze VS あーさー - YouTube

 

 

 これが、我々AC版プレイヤーが生きてきた当時の「歴史」です。しかし、COJPはこの環境をそのままなぞるものではありません。AC版プレイヤーすら知らない「改変された江戸時代」、その全貌を紐解いて行きましょう。

 

 

・歴史改変要素①:カードパラメータ調整

 

 COJは、カードゲームであると同時にアーケードゲームです。現代のネット対戦型アーケードゲームのほとんどはゲームバランスの調整としてキャラクターや技などの仕様変更が入るのが常であり、COJも同様にバランス調整を繰り返してきました。アーケードゲームとして見た際にはこの"運営によるゲームバランスへの介入"の頻度はそれほど特筆すべきポイントではありませんが、HS・Svなどと比較してカードゲームとして見た際には異常なほど多い、と言わざると得ません。

 

 COJPのカードプールでアーケード版が動いていたのは2年半前。この2年半という期間で、数多のカードの記述が変わってしまいました。なので上の動画は雰囲気を掴む程度に考えてください。このパラメータ調整により、先程紹介したデッキのうち特に【黄単光明タッチ信玄】は構築する意義がないレベルまで弱体化しています。

 

《一筋の光明》:発動条件ライフ3→ライフ1

※《魔将・信玄》で耐えた後、反撃に移りにくい。

 

《カイム》:BP6000/7000/8000→5000/5000/5000

※序盤、ドロー効果による安定性を取ろうとすると盤面が脆弱に。《ストライクナース》《ヴァイパー》も同様だが、5000は《ブロウ・アップ》即死圏内。

 

《明天凶殺》:CP1→CP2

※《戦神・毘沙門》とのコンボが《マネーゲーム》無しでは不可能に。

 

《大天使ミカエル》:CP5→CP6

※フィニッシュムーブの難化。

 

 10ターンという時間制限のあるCOJでは、耐えているだけでは勝てません。"最強の盾"も最後に勝つためのカラクリがあるのですが、それがカードパラメータ調整によって潰されているのです。

 

 一方の【ブレイブ珍獣】はそれほど多くの打撃を受けていません。

 

《ブロックナイト》《デビルウィンナー》:BP1000/2000/3000→1000/1000/1000

※《裁きのマーヤ》への耐性低下。しかし自分の使う《裁きのマーヤ》が強くなるという意味でもある。黄単系の《カパエル》も同じ修正を食らっている。

 

 これだけです。《魔槍のリリム》《ニードルヘル》あたりはむしろ当時よりも強化されていて、当時の最強レシピから変更してまで採用価値のあるカードに化けています。

コードオブジョーカー WIKI - 魔槍のリリム

コードオブジョーカー WIKI - ニードルヘル

 

 このまま行くと【ブレイブ珍獣】1強待ったなし、というところで次の項目に行きましょう。

 

 

・歴史改変要素②:《人の業》《弱肉強食》

 

 ここからは、"未来からの侵略者"についての話です。

 

 SEGAは、COJPの初期環境をVer1.1_EX2としておきながらも、その1つ先のバージョンであるVer1.2から2枚のカードを先行収録しました。それが《人の業》と《弱肉強食》です。

 

コードオブジョーカー WIKI - 人の業

f:id:GN_Denchi:20161207213221p:plain(ⒸSEGA

 

 《人の業》のイラストです。焼け落ちる《戦神・毘沙門》が描かれています。

コードオブジョーカー WIKI - 戦神・毘沙門

 《人の業》は、このイラストの通りに毘沙門へのアンチカードとして作られたものです。

 

 Ver1.1_EX2において、毘沙門によるリセットからの1ライフダメージを阻止する手段はありませんでした。みんな大好きちょもす氏も、この時期の毘沙門については「今までのやりとりを無視して、BP7000を戦場に置いた状態で、1点減らして、僕の先攻からスタートしまーす」という評価をしていて、事実そうだったわけです。迷ったら毘沙門はある種の安定行動だったんですね。逆に言うと、毘沙門だけで負けてしまうデッキは環境に存在することができなかった。

 が、毘沙門を出した際に人の業が置いてあると状況は一変します。「今までのやりとりは無視するけど、自分が1点喰らって、相手の先攻からスタート」になります。差し引き2点違いますし、相手のターンにスピードムーブや進化ユニットが飛んでくることを考えるとドエライことが起こります。

 

 毘沙門だけでなく、《ブレイブドラゴン》などCOJPのカードプールにおいては進化ユニットが極めて強力です。それらへの牽制要素としての先行投入と見ていいでしょう。

 

 

コードオブジョーカー WIKI - 弱肉強食

 もう1枚の《弱肉強食》は、【ブレイブ珍獣】の独走を止めるために未来からやってきた最終兵器です

 

 【ブレイブ珍獣】がなぜ"江戸時代最強の剣"なのか。それは序盤の得点力の高さに集約されます。《裁きのマーヤ》《ブロウアップ》に始まり、3ターン目には《ブレイブドラゴン》が来ます。《ジャンプー》という択もあります。ここで問題なのが、最序盤の《デビルウィンナー》《ブロックナイト》《ハッパロイド》が残っていると、盤面が更地になった瞬間それらは全てライフダメージとして襲いかかってくることです。BP1000の《デビルウィンナー》とBP7000の《ブレイブドラゴン》でも、ライフダメージという観点で見た時は等価値なのがCOJです。

 

コードオブジョーカー WIKI - 裁きのマーヤ

 手札を減らさずに高速で横展開してくる珍獣軍団を止めるには《裁きのマーヤ》しかありませんでした。そして《裁きのマーヤ》を最も上手く使えるのは進化土台を十分に用意できる珍獣系統であり、また《裁きのマーヤ》を最も簡単に倒す方法が《ブロウ・アップ》であるために、【ブレイブ珍獣】を倒すには【ブレイブ珍獣】しかないという時代が、【黄単光明タッチ信玄】の開発まで延々と続いたのです。

 

 この閉塞的なメタゲームを打開するのが、《弱肉強食》です。

 

 《弱肉強食》がもたらす影響については、動画で教材が残っています。セガフェスエキシビジョンの決勝、ちょもす VS GN電池。

 決勝前のちょもすの瞬殺宣言、そしてジョーカーがそれまでの沙夜から綾花に変わっているのを見て、彼が【ブレイブ珍獣】にデッキを変えていることを確信した僕は、最初のマリガンで《弱肉強食》をキープしています

 

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 1ターン目後攻終了時。2ターン目先攻に《デビルウィンナー》→《ブロウ・アップ》が決まると早くもライフが7対5、また1CP珍獣を2体出して《学びの庭》を使われると0CP2ドローされるので、これも危険です。

コードオブジョーカー WIKI - ブロウ・アップ

コードオブジョーカー WIKI - 学びの庭

 この時点で、2ターン目先攻に向けて自分はある種の決め事をしています。「《ブロウ・アップ》か3体目の珍獣が見えたら《弱肉強食》を使う」。ワイプで見えませんが、《弱肉強食》はトリガーゾーンに刺さってます。

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 2ターン目先攻、ちょもす《風紀委員マコ》。ただ《トリックオアトリート》の後に(僕が《弱肉強食》の発動をキャンセルした)タイムラグがあることで《弱肉強食》の存在を悟ります。ここで時間が止まる条件は、ゲームが正常に動いている限り《弱肉強食》しかありえません。軽減《ブラッドハウンド》から《ブロウ・アップ》を使えば2点取れるように見えますが、《弱肉強食》があるので手札を消費するだけで終わってしまうことを悟るわけです。結果、この行動をせずにターン終了。

 

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 しかし、この時点で既に峠を越えていると言ってしまってもいいのです。手札に次項で紹介する《ヴァイス・ヘルメス》を2枚抱えるため、「横に並んでいなければ、強力な進化ユニットで攻められても大怪我することなく返しのターンで除去できる」と判断。2ターン目後攻で《ストライクナース》2号を出して《弱肉強食》を使用し、ライフレースの展開にこちらから持ち込みます。

 

 後は見ての通り《ヴァイス・ヘルメス》が大活躍するのですが、《弱肉強食》で《ブロックナイト》と《ハッパロイド》を倒せていない場合、殴り合いで負けます。双方がユニットを並べて睨み合う展開になった場合、《ブレイブドラゴン》→《ブレイブシールド》のタイミングで大量リードを取られてしまうのです。

 

 この試合、勝因は《ヴァイス・ヘルメス》ではなく《弱肉強食》です。《弱肉強食》たった1枚で、【ブレイブ珍獣】1強環境の再来を阻止しているのです。

 

 これ以外にも、試合中に登場する「完全な更地からの黄色1CP→《戦神・毘沙門》によるちゃぶ台返し」の阻止にも使えます。その他様々な応用の効くカードですので、いろいろ試してみてください。

 

 

・歴史改変要素③:できなかったことができるようになっている

 

 ここまで見ると、「昔強かった戦略が弱くなっただけの窮屈な環境」という印象を持ってしまうかもしれません。アーケード版COJでも別のゲームでも同じですが、できていたことが運営側の修正によってできなくなってしまうのは非常に面白くないものです。

 

 しかし、COJPに関しては「新しい遊び方」を十二分に提示してくれました。

 

 カードパラメータ|COJポケット(コード・オブ・ジョーカー Pocket)|セガ公式

 

 これは、先行登録などによって配布の決定したPRカードの一覧です。全てAC版に存在するものですが、COJP稼働に伴い一部のカードに過剰な上方修正がかかったせいで、江戸時代だと言っているのに零戦やB29を飛ばしてくるようなヤカラがいます

 

 特に有能(危険)な3枚を紹介しましょう。

 

・《ヴァイス・ヘルメス》(能力発動時ライフコスト1→ライフコスト無しに)

 

 セガフェスエキシビジョンで大暴れ。「消滅」はシャドウバースのものとほぼ同様で、被破壊時効果を発動させずに捨て札ではない消滅領域に送る除去効果です。

 もともとは能力の発動にライフコストがあるために連打が効かず、《一筋の光明》とのコンボを目的とした限定的な利用に留まっていたカードですが、何をトチ狂ったのかライフコストが撤廃されたので気軽に使えるようになり、もはやこれを主軸にしたデッキを組むことすら可能になりました。

 単体だけ見れば攻撃を控えたり「不屈」などで能力を使わせない立ち回りも可能に見えますが、黄色は同色に《湖畔のアリエ》を抱えます。

コードオブジョーカー WIKI - 湖畔のアリエ

 《湖畔のアリエ》+《ヴァイス・ヘルメス》は「カード2枚+5CPで任意の相手ユニット1体を消滅させて6000のスピードムーブ」となり、このカードプールではかなり強力な2枚コンボです。《湖畔のアリエ》は《プリティベル》からサーチできるので簡単に手札に加えることができ、コンボの成立が容易であることも見逃せません。このコンボから逃れるには、もはや「加護」しかありません。

 強力な進化ユニットで場を制圧していくことがメインになりがちなカードプールですが、《人の業》の行動権消費効果からでも《ヴァイス・ヘルメス》に繋がるのは特筆すべき事項です。

 セガフェス以降散々騒がれている《ヴァイス・ヘルメス》ですが、稼働直前に突然下方修正が入ったとしても《雷龍》が控えています。現状ほぼ下位互換となっていますが、それでも十分な性能です。

コードオブジョーカー WIKI - 雷龍

 

 

・《ノーブルドラゴン》(攻撃時:相手単体の基本BP-3000→相手全体の基本BP-2000)

 

 セガフェス時には配布が確定していなかったために解禁されておらず、Mirrativ試遊会以降で使えるようになったカードです。

 一見《ブレイブドラゴン》よりも弱く見えますが、BPにダメージを与えるためにターン終了時まで生存されてしまうと全回復される《ブレイブドラゴン》に対して、《ノーブルドラゴン》の効果は基本BP低下のデバフであるため、半永久的に持続します。これは不滅を持つ《魔将・信玄》にも有効です。《魔将・信玄》+《一騎当千の神器》ですら、《ノーブルドラゴン》に3回殴られると沈みます。

 緑にとって、これだけ相手の盤面に大きな影響を与えることのできるフィニッシャーはかなり貴重です。《ヴァイス・ヘルメス》を苦手としますが、単純なカードパワーではその《ヴァイス・ヘルメス》をも上回るでしょう。AC版のVer1.1_EX2期には存在しなかった、新たなデッキタイプを生み出す可能性のある1枚です。

 

 

・《暴虐のネビロス》(Ver1.2期からの先行投入)

 

 AC版からの上方修正こそありませんが、1~2つ先のバージョンであるVer1.2~Ver1.2_EX期において、一時代を築き上げた傑作です。

 「強力な進化ユニットによる盤面の制圧がメインとなるカードプール」と書き続けてきましたが、《暴虐のネビロス》は進化ユニットではありません。そのくせ、スピードムーブと攻撃時効果を持つために並みの進化ユニットとほぼ同等の影響力を持ちます

 《ブレイブドラゴン》が単体効果になって弱体化したような印象を持ってしまいますが、進化ユニットの運用には進化元となる通常ユニットが必要で、また場に出せたとしても《人の業》により1回休みになる可能性があります。《暴虐のネビロス》の利点は通常ユニットであるためにこれらの問題を無視できることです。赤には《ブロウ・アップ》や《ニードルヘル》、《レイニーフレイム》などの優秀なインターセプトがあるので、進化ユニットに頼らずともある程度の状況の打開が可能です。

 やはり《ヴァイス・ヘルメス》に弱いですが、コイツに《ヴァイス・ヘルメス》を使ってくれるならもっと強力な《ブレイブドラゴン》や《蛮王ベリアル》が生き残りやすくなるということでもあります。

 

 

 PRカード以外にも、何枚か危険なものがあるので紹介しましょう。

 

・《セイクリッドフィールド》(CP2→1、基本BP+2000の効果が追加)

 

 正確にはカードではなく、御巫綾花のジョーカーアビリティです。

 稼働当時は「加護」がついても《ブレイブドラゴン》2連打に無力だったために見向きもされなかったのですが、CPが軽くなった上基本BP+2000がついたために火力耐性が大きく向上。全体6000ダメージを生き残り、反撃に転じることができるようになりました。

 加護のついた巨大ユニットに対抗するのはこのカードプールでは極めて難しいです。基本的には《戦神・毘沙門》が対抗手段になりますが、毘沙門が来るとわかっているのなら《人の業》を刺すチャンスです。

 

 

・《守神・不動明王》 (CP6→5、効果追加:相手ターン開始時に相手ユニット1体の行動権を消費)

 

 AC版での上方修正により大変貌したカードです。

 「呪縛」とは、ターン開始時の行動権回復を無効化するバッドステータスです。これにより、場に出た時点で行動権消費状態のユニットを無力化し、疑似的に除去します。この「呪縛」と追加された新効果のシナジーにより、行動権を消費していないユニットに関しても1体ずつ無力化していくことができます。

 黄色の大型進化である《戦神・毘沙門》と比較して、確実性がない代わりに場に出てからも仕事をするというメリットがあります。また《人の業》の破壊効果を喰らわずに済むうえ、不動明王本人が行動権消費状態でも一定の仕事ができることから、進化ユニットでありながら《人の業》に極めて強いので無駄撃ちさせることができます。《戦神・毘沙門》の返しに《戦神・毘沙門》を出すぐらいなら、こちらの方が優れているケースがほとんどです。

 「呪縛」では「不屈」を無効化することはできないので、「不屈」を苦手とします。毘沙門を差し置いて採用するほどではありませんが、同時採用して使い分けができるようになると戦術の幅が大きく広がります。

 

 

・COJP環境解説:色別

 

 ようやく本題です。まずは、色別の特徴を見てみましょう。

 

 

 固有能力としてダメージ除去を持ちます。トリガー破壊・スピードムーブに関してもほぼ固有能力と言えるでしょう。

 BPへのダメージによる除去は消費CPに対しての効果が大きく、瞬間的な破壊力に優れます。《ブロウ・アップ》と《ニードルヘル》はその最たるものでしょう。トリガー破壊によって防御側の態勢を崩せることも含めて、攻撃を極端に重視した属性です。

 

 種族サーチャーとして悪魔の《風紀委員マコ》と竜の《リトルドラコ》を抱えます。《暴虐のネビロス》《総督者ネビロス》《魔槍のリリム》など、悪魔種族には赤の主軸となるユニットが多いです。《リトルドラコ》は自身をサーチすることができませんが、この性質のためにほぼ確実に《サラマンダー》に繋がります。《サラマンダー》は序盤においては3CPで9000という圧倒的なサイズを持ちますが、ライフが減ってくるとズルズル弱くなります。

 

 進化ユニットは小回りの利く《裁きのマーヤ》《魔槍のリリム》、そしてフィニッシャーの《ブレイブドラゴン》《蛮王ベリアル》と役割に応じた豊富なラインナップを揃えます。《裁きのマーヤ》は赤のほぼ全ての要素と噛み合う優秀なカードなので、持っているなら是非投入したいです。

 一方で、《暴虐のネビロス》《阿修羅百式》などに加えて火力除去系の優秀なインターセプトを多く持つので、進化ユニットに頼らない戦いでは最も優秀と言える色でもあります。

 

 弱点は防御面。《威圧》以外に実戦レベルの防御インターセプトを持たず、《サラマンダー》以外は防御に向くメンバーではありません。殺られる前に殺るのが基本戦術です。

 

 

・黄色

 

 固有能力は行動権消費・バウンスなどの非破壊除去。自ターンでの行動権回復についてもほぼ固有能力と見なせます。また、行動権を消費した状態のユニットに対してはダメージ除去が使えます。MTGの白・DMの光文明に相当し、ここから「平等」というキーワードを担当するためか《戦神・毘沙門》がいます。

 

 種族サーチャーとして精霊の《プリティベル》と天使の《ストライクナース》がいます。《プリティベル》は各種コンボの起点になる《湖畔のアリエ》に繋がります。《ストライクナース》は自身をサーチして複数並べると巨大化していくほか、手札でのオーバークロックによりスピードムーブを付与できるようになると大化けする《聖天使ニケ》の収集にも使えます。

 

 《湖畔のアリエ》などの行動権消費は一時的に相手ユニットを無効化することができますが、基本的にはその1ターンのみです。攻撃に使った場合は反撃されることを考えなければなりませんし、《イカロス》などで防御に使った場合は本当に一時凌ぎにしかなりません。《ジャンプー》によるバウンス(手札に戻す効果)も、再度出し直されることを考えるとその本質は時間稼ぎにあると言えます。

 ただ1ターンだけ隙を作る能力という意味では全属性中最強とも言えるでしょう。《ジャッジメント》はその最たるもので、インターセプトながらゲームエンドカードの1枚として君臨します。1ターンでの攻撃回数を倍増させる《大天使ミカエル》も、条件さえ整えば速やかに試合を終わらせることができます。

 

 本質的には守りの属性であり、盤面を取り返すには進化ユニットによる制圧が極めて重要になります。行動権消費から繋がる《ヴァイス・ヘルメス》《雷龍》《守神・不動明王》、そして時間稼ぎの果てに全てを強制的に解決する《戦神・毘沙門》。

 攻撃的なデッキも、防御的なデッキも組める色ですが、COJPのカードプールでは若干防御寄りに動いた方が強いデッキに仕上がるでしょう。

 

 弱点は、進化ユニットは極めて強力なものの通常ユニットのサイズが小さいことです。BP7000の通常ユニットが唯一存在しない色であるため、無策で立ち向かうと《ブレイブドラゴン》2連打で壊滅します。

 

 

・青

 

 固有能力はレベル2以上の効果破壊と手札破壊。MTGの黒、DMの闇文明から「死者の利用」をモチーフとすることを引き継いだのか、ユニットが破壊された時に発動する効果や捨て札からの回収が極めて多いのも特徴です。

 

 COJPのカードプールではずば抜けて不遇な色であると言ってしまって構わないでしょう。その原因は、進化土台の不足にあります。

 

 まず、《デビルウィンナー》《ブロックナイト》《カパエル》に相当するユニットが、青だけ存在しません。これはかなりの痛手です。その分《カラスマドウ》や《ミイラくん》など被破壊時に効果を発動するユニットがいますが、これらの上に進化ユニットを乗せてもインターセプトドローや手札破壊を誘発するわけではないのです。

 また、種族サーチャー《雪忍の六花》の貧弱さも目立ちます。サーチ対象が自身を除くと汎用性の低い《中忍月影》しかいないため、積極的に採用することが難しくなっています。

 

 進化ユニットの質自体は他色に劣っているわけではありません。条件が整えば複数体のユニットを破壊できる《冥王ハデス》、超多機能ユニット《卑弥呼》、捨て札から手札を増強できる《冥姫ニュクス》《神託の天草》などを揃えますが、その運用の土台になる部分が余りにも脆いのが青属性です。

 

 強いて採用するメリットを挙げるとすれば《ファントム》の存在でしょう。BP8000以上という狭い条件ながらも、2CPでユニットを破壊しつつ場にユニットを置けるハイパフォーマンスカードです。他にも、1CPかつ緩い条件でユニットの完全除去が可能な《ムーンセイヴァー》はインターセプトとして強力な部類に入ります。

 相手の強力なユニットを破壊することが得意という性格上、赤や緑のデッキのサブカラーとして適正が高いです。

 

 

・緑

 

 固有能力はBP操作。不屈および相手ターン中の行動権回復、そしてドロー効果(サーチとは区別する)も固有能力に近い扱いです。

 

 戦闘に特化した属性です。ユニット除去手段に関しても、《早撃ち勝負》や《ホークアイ・ショット》など、疑似的な、あるいは強制的な戦闘を介するものが多いです。《バルバトス》《ノーブルドラゴン》などの基本BP変化も戦闘を有利にするためのものと言えなくはないですが、効果量が大きく直接除去として機能するシーンも少なくありません。

 "勝てないはずの戦闘を無理やり勝たせてしまう"《不可侵防壁》は緑を象徴するインターセプトと言えます。ほぼ同じ効果の《英雄の剣》よりも、緑であるという理由だけで効果量が大きくなっています。また"勝てない戦闘を避けようとする"黄色の行動権消費に対して《土下座》《逆転の大竜巻》というメタカードを持っています。これらの要素から、トリガーゾーンの緑伏せはこのカードプールではかなり危険度の高いものです。

 

 《ブロックナイト》に加えて《ハッパロイド》がいるため、ドロー速度は最速です。【珍獣】系の高速ドローを狙うデッキのコアになります。このドロー速度で《KP》を3枚揃えることで、盤面のリセットすら可能です。

 種族サーチャーは亜竜の《ギャウルス》と侍の《心眼のナギ》。《ギャウルス》に関しては《ノーブルドラゴン》が超絶強化されたためにかなり使いやすくなりました。《心眼のナギ》は、侍種族がほとんど赤に偏っているものの自身の強力な効果で【侍】デッキの核となる1枚です。【侍】には欠かせない《剣聖・武蔵》が緑であるのもポイントですね。

 

 進化ユニットも基本的には戦闘能力に特化したものばかり。不屈と膨大なBPを持ち攻防で頼れる《ジャンヌダルク》《ジークフリート》、赤と黄色ではほぼ倒せない《アレキサンダー》。相手盤面へ干渉することが進化ユニットを含めても苦手、のはずでしたが《ノーブルドラゴン》がその弱点をなかったことにしてしまいました。

 

 弱点は、ほぼ全ての行動が戦闘を介して行われること。戦闘勝利時にはユニットのレベルが上がってしまうので、青の「レベル2以上を破壊」という要素を極端に苦手とします。

 

 

・COJP環境考察:流行デッキ予想

 

 ハースストーン・シャドウバース・ウォーオブブレインズなどに慣れていると「ヒーロー(リーダー・国)別に専用カードがあるので構築が大きく制限される」というイメージがありますが、COJにはそういったシステムがないのでかなり好き勝手にデッキが組めます。

 

 

1. 【黄単】

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 セガフェスで僕が使ったものそのままです。なぜか僕の端末に《天龍のレイア》が入っていなかったので、実稼働時には《ストライクナース》→《天龍のレイア》、《大天使ミカエル》→《雷龍》or《人の業》を推奨します。

 アーケード版における【黄単光明タッチ信玄】が「相手の攻撃を耐えきった後に大技で逆転する」デッキであったのに対し、このデッキでは「相手の攻撃手段を即座に潰し、ライフ微不利でも盤面有利な状態を維持し続ける」ことが重要です。《一筋の光明》や《大天使ミカエル》が弱くなっている一方で、黄色が強くなった要素は《ヴァイス・ヘルメス》と《守神・不動明王》なので、デッキの方向性はこれで概ね間違っていないでしょう。

 黄色という色の特性上1度は相手の強力なユニットに暴れることを許す構成になっていますが、2度仕事をさせないことを徹底していけば極端な不利が付くことはないだろうと考え、エキシビジョンに持ち込みました。《湖畔のアリエ》+《ヴァイス・ヘルメス》が軽減無しで成立する5CP(4ターン目)あたりからは無類の強さを発揮します。

 

 

2. 【赤黄】

 

 セガフェスのヒッキーさんのデッキですね。

 赤が入ることで、黄単では実現できない能動的な攻撃能力を得るとともに、《サラマンダー》のフィジカルを有効利用できます。赤から見れば、黄色に期待するのは《ジャンプー》や《ヴァイス・ヘルメス》、《戦神・毘沙門》など超高BPユニットへの対抗手段です。《聖天使ニケ》を入れて《ブレイブドラゴン》などを2回行動させるコンボも考えられます。

 《ヴァイス・ヘルメス》は悪魔なので《風紀委員マコ》からサーチ可能ですが、逆に《暴虐のネビロス》に繋がりにくくなるので手放しで喜べないところ。《リトルドラコ》→《雷龍》なんてルートもあるので、種族サーチャーを採用する際には慎重に。

 

 

3. 【ブレイブ珍獣】

 

 《人の業》《弱肉強食》が入ったから勝てない、のではありません。それらで無理やり対策しないとどうしようもないほど強いのが【ブレイブ珍獣】です。従来のレシピをそのまま流用してもいいですし、当時よりも強くなった《蛮王ベリアル》や《魔槍のリリム》を入れてみるのもいいでしょう。【黄単】【赤黄】がやや遅めのデッキなのに対して、こちらは殺戮本能に忠実な最高速チューン。殺る気が違います。

 珍獣系特有の高速ドローギミックだけ残して、フィニッシャーを《ノーブルドラゴン》にするなど新しいカラーリングのものもできるかもしれませんね。

 

 

4. 【侍】

 

 珍獣系と並ぶ種族デッキの雄です。《心眼のナギ》による全体不屈付与、《炎鬼イフリート》によるコストパフォーマンスに優れた単体除去、そして固有フィニッシャーの《剣聖・武蔵》を抱え、独特の挙動を楽しめるデッキ。このカードプールでは赤緑で組むことになるでしょう。《セイクリッドフィールド》との相性が極めていいのが特長。《戦神・毘沙門》だけはどうしようもないですが、来るとわかっている毘沙門には《人の業》ですね。

 

 

5. 【黄緑】【青緑】

 

 緑を中心として、戦闘で勝てなくなったら他色のカードに頼る構図です。黄色なら《戦神・毘沙門》《ヴァイス・ヘルメス》《ジャンプー》、青なら《ファントム》《ムーンセイヴァー》あたりでサポートします。《ノーブルドラゴン》が攻撃し続けられる状況を作れればベストですね。

 

 

6. 【悪魔】

 

 【ブレイブ珍獣】とはまた違った角度の最速デッキです。ほとんど赤単で、《アレキサンダー》などの処理のために青か黄色がタッチで足される形になるでしょう。

 《暴虐のネビロス》だけでなく、《総督者ネビロス》《ターボデビル》などのスピードムーブを投げ続け、《威圧》で押し切る脳筋ムーブがウリです。《正拳突き》《燃え広がる戦火》など、ライフダメージを特に意識した構造になっていることもあるでしょう。《総督者ネビロス》《魔槍のリリム》は相手のトリガーゾーンのカードを破壊しながら攻撃できるので、BP操作系のインターセプトをこちらだけ使える展開にしやすいのは明確な利点ですね。《人の業》を破壊して進化ユニットを確実に着地させることもできるでしょう。

 

 

 このあたりはとりあえずデッキとして一線級で戦えるものでしょう。【オーバークロック特化珍獣】【青単レベルコントロール】【ディナーハンデス】などAC版で人気のデッキも組めなくはないですが、少しずつですがデッキの必須要素がカードプールに足りなくて辛いと思います。この3種は次の(Ver1.2~1.2EXに相当する)カードパックが出てからが本番ですね。

 

 

・「リセマラ」について

 

 新しくスマホゲーが始まるということで「リセマラ」したい人も多いとは思いますが、以下のような点からリセマラはオススメできません。

 

①HSでもSvでもそうだが、デッキを組むのにどうせ複数枚同じカードが必要になる対戦カードゲーム系アプリでは1枚最高レアリティを引いたところで強くなりにくい。"オーバーライド"のルールがあるCOJではなおさらこの点が強調される。

《ヴァイス・ヘルメス》《ノーブルドラゴン》《暴虐のネビロス》が全員に配布されるのでリセマラしなくとも超強力なユニットを持った状態からスタートする

 

 おそらく、リセマラが上手くいったからといってその後のプレイ環境が劇的に変わることはないのでは?というのが現時点(2017/1/5、深夜1:00)での予想です。

 

 ただ、どうしてもお金がない、という方に僕オススメの方法をお伝えします。

 

 《デビルウィンナー》《ブロックナイト》《カパエル》が3枚ずつ出たらストップです。

 

 結局のところ、COJは異常な枚数をドローするから楽しいのです。COJというゲームを楽しく遊びたい、というのならこの3種は避けて通れません。これらが収録されたパックがどのぐらい配布されるのか(事前登録などの報酬が1.0系なのか1.1系なのか)はわかりませんが、レアカード1~2枚で一喜一憂するよりかはこれらの土台をガッチリ固めてありえねぇドローをしてた方が面白いだろう、というのが僕個人の意見です。逆に、この3種は課金してでも3枚揃えないとCOJの神髄は味わえないかな、とも思います。と言ってセガに貢ぐような催促をしておけば関係各所からも怒られないでしょう。そういや生成システムもあるしこのぐらいはどうにかなるんじゃないの、多分。責任は持てない。

 

 

 

 

 いよいよCOJPリリース当日になりました。まだまだ寒い季節が続きますが、COJ運営が語る「冬はコタツでCOJ」、すぐそこまで来ています。

 

 

 次はスマートフォンの向こう側でお会いしましょう。