COJ阪神支部

旧「COJ山梨支部」。なお、中の人は巨カスの模様。

Back to the Frontline② ~今電脳世界で何が起こっているのか~

 J復帰を目指すにあたっての覚え書きその2。

 今回は環境理解とかそういう部分。当然ながらプレイしてないので、間違っている部分についてはツイッターでもコメントでもなんでもいいので指摘してほしい。

 

全体傾向①:《策略の装填》の普及

 

 ここ数か月、ビートダウン~ミッドレンジを中心に《策略の装填》が広く使われている。《策略の装填》と言えば思い起こされるのは1.3_EX2で4pt化したことで起こった【Sニケバアル】と【CR平田】の伝説的Sデッキシーズンであるが、1度だけ1ptに落ちた以外は0ptを維持し、VRの輝きに恥じない活躍を見せている。

 主な投入先は【赤単トリガーロスト】と【赤黄ミッドレンジ】(以下【装填赤黄】)。【赤単トリガーロスト】では速攻を仕掛けるために手札を浪費しがちであるためそのリカバリーとして最適であり、【装填赤黄】では「対応力は高いが本質的に手札の枚数は多くない」という従来の【赤黄ミッドレンジ】の弱点を補う形になっている。特に目立つのはこの2つだが、【青単レベルコントロール】や【黄単呪縛コントロール】にも投入例がある。

 かなり一般化してきたため、《策略の装填》そのものへの対策も必要とされている印象だ。Ver1.4初期から継続して【赤単トリガーロスト】が頑張っている原因の1つでもあると思う。割る以外にも「2ドローを阻止するためのマイナー種族ユニット」が意識されることがあり、「赤単系統への《フェザードール》の採用」や、今季であれば「青4pt枠として《ゴーストフェンサー》と《アクアランサー》のどちらを採用するか」などに影響している。

 

 

全体傾向②:上位帯での《無限の魔法石》採用数の減少

 

 ここ2シーズンは使用率1位をキープする《無限の魔法石》だが、それに反してQ4以上の上位帯では一昔前よりも明らかに投入枚数が落ちている。

 原因は様々だ。【赤単トリガーロスト】では手札コストが確保できないという理由で2枚のケースが多い。【アリアンロッド珍獣】は《狂犬の採掘》を早めに引きたいので採用は1枚に留まる。《選ばれし者》+《ダークプリースト》を擁する【OC特化赤黄】は1枚。ただ【盗賊】に0枚の構築例が多いのは僕にはよくわからない・・・手札あるでしょ君たち・・・

 もはや手放しで3枚投入しているのは【装填赤黄】のみではないだろうか。【青単レベルコントロール】や【黄単呪縛コントロール】での採用数もまちまちだ。前者はコンボデッキ的側面もあると思うのだが・・・

 前季の《盗賊の手》など汎用ドローソースによるDOB上昇が狙える場合も真っ先に犠牲になっている。この傾向は、少なからず次の項に繋がっている。

 

 

全体傾向③:APの運とプレイ回数への依存と、それがもたらす倦怠感

 

 Ver1.4以降で以前にも増して聞こえるのが「運ゲー死ね」の類の発言だ。

 「運ゲー」を基本戦術に組み込んでいる代表的なデッキが【盗賊】だろう。従来の《ポイズンディナー》系ハンデスデッキが《ポイズンディナー》2連打などで「俺もお前も全部手札無くしてから双方トップゲー(ただし《忘れられし地下書庫》は使う)」という類の運ゲーだったのに対し、基本的に全て手札を落とすことが不可能な【盗賊】は「手札に眠るキーカードが落ちるかどうか」という1つ次元の浅い運ゲーなのである。特にハンデスした後にその分のドローを補填してしまう《怪盗ZERO》はこの傾向が顕著だ。ゆえに【盗賊】には「オワ賊」「ババ抜き」などという蔑称がついている。さらに《統制者ヴィシュヌ》《ミューズ》などに《セイクリッドフィールド》するという基本戦略もあって、「誰が使っても同じの運ゲーデッキ」との批判に晒され続けている。

 もう1つ「誰が使っても同じ」と言えば《パールヴァティー》だろう。【黄単呪縛コントロール】の根幹を為すカードだが、これがシナジーを重視したB~Cデッキである場合はまだいい。だが、このデッキ種はもっともSデッキ化が容易であり、Sデッキ化すると《パールヴァティー》頼みというような挙動を示してくる。知っての通り、《パールヴァティー》は当たり所さえよければ加護や無我の境地ですら実質除去が可能だが、当たり所が悪けれほとんど何もしないことすらある。《パールヴァティー》の戦果に、プレイングスキルは関係しないのだ。

 

 《破壊少女シヴァ》をどう使い、またどう躱すかというのは技量の見せどころではあるのだが、《破壊少女シヴァ》はあまりにも多くのデッキに入りすぎたためにもはやこのあたりのプレイングは上位帯常駐のための前提条件と化してしまっている。そこを踏み越えたうえで襲い掛かってくるのが《統制者ヴィシュヌ》と《セイクリッドフィールド》、それに《パールヴァティー》。査定緩和、それに「1強が存在せずどのデッキにも明確な不利対面が存在すること」も手伝って、今のCOJでAPを増やすのにエージェント側の技量が介入する余地があるのかどうか疑わしいという声は大きい。重要なのはいかに筐体に座る時間を増やせるかと、そこでいかに運を見せるか・・・COJがアーケードTCGという形態を取っている以上避けられない問題ではあるのだが、余りにもこの傾向が強いのであれば今まで勝率重視でプレイしてきた層を中心に不満が出るのも仕方ないだろう。

 

 COJのデベロップメントは、1.2の《人の業》以降「特定カード、デッキに対してピンポイントなメタカードを作る」ことでメタゲームを変化させてきた。【珍獣】系に対しての《弱肉強食》《ファンガスガール》etc、ハンデス系に対しての《謀略の祝杯》《夜盗クローニャ》などなど。その過程でそれまであった「加護」「固着」「無我の境地」に加えて「秩序の盾」「消滅効果耐性」「効果破壊耐性」などの除去耐性持ちユニットが登場していく。ここまではいい。「このカードにはこの手の除去が効かないので別のカードを使いましょう」ぐらいでしかない。ましてやこういった除去耐性ユニットは総じてBP、というよりは攻撃性能が低かった(《エンジェルビルダー》《ユグドラシル》という例外もいたが)。BPも立派な除去耐性なのだ。《蠅魔王ベルゼブブ》とともに多くの時間を過ごしてきた我々はそれを知っているはずだ。

 そういった状況下で、《セイクリッドフィールド》の全体加護&BP+2000は多くのデッキを窮屈な状況に押し込んでいるのだろう。《神域のジャンヌ》が8000加護効果破壊耐性、《統制者ヴィシュヌ》が9000加護秩序の盾ついでに敵攻撃時基本BP-1000、《怪盗ZERO》が8000加護固着ついでに攻撃時《ライトステップ》・・・基本BPと加護という2つの除去耐性を同時に付与することで、元々除去耐性を持っていたユニットと合わせるといとも容易く「敵を封殺する布陣」を作れるようになってしまった。6速0CPなので、「溜まる前に何かをする」ということはほぼできない。挙句の果てに「デッキに眠る数少ない《戦神・毘沙門》を《怪盗ZERO》が直接奪っていく」のだから運次第でとんでもない詰ませ方をしてくる。

 おそらく今までのCOJの歴史の中で「ユニットを除去するのではなく相手を単純に詰ませる」というデッキが頂点を取ったことはないだろう。最も近い環境は【メフィスト世界ロック】や【昆虫メフィスト】が《大いなる世界》や《明天凶殺》で一方的な封殺を仕掛けていた1.2初期のような気がするが、この期間は《断罪のメフィスト》(と《人の業》や《一筋の光明》の兼ね合い)が極端に技術介入を要求してくる、プレイングセオリーの多い環境でもあった。

 

 次のエラッタで《セイクリッドフィールド》が何らかの下方修正を受けるのは間違いないだろう。ついでに、《パールヴァティー》が5000/5000/5000になりそうだが。

 

 

 なんか思ったより長くなったのでデッキ毎の雑感は今度にします。