COJ阪神支部

旧「COJ山梨支部」。なお、中の人は巨カスの模様。

天下布武 ~MoA東京予選レポート~

MoA東京予選は2回戦で達磨さんに負けました。

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+アルカナブレイク・烈火の侍2・弱肉強食・謀略の祝杯

 

【侍】ミラーに勝てる自信がなくて、

《三日天下》以降本当に握るデッキがなくなったもんで、前日調子のよかったコレを使ってた。

当然ながら、店内対戦で調整できる環境にはない。

通常型【侍】よりも感触がよかったのと、後述する通常型【侍】のライズアンドシャイン採用まで考えが至らなかったので、インペリアルクルセイドへのアルカナブレイク直撃を避けたかったのがデッキ選択理由。

 

試合自体は1回戦が不戦勝で、2回戦(vs【侍】)の先攻3Tにヴォジャ楽園楽園で4枚引いたらトリガーしか引かなかったので爆死って感じでした。

いつもだったらツイッターに手札の写真上がるヤツですね。

しかも問題の"ヴォジャ楽園楽園"のシーンの後からモニターに映ってて、解説陣に「コイツなんもねえな」ってディスられてたらしいですね。

僕は怒ってるよ。(Ⓒちょもす、じゃこ)

 

 

僕の話なんかしても誰の得にもならないので、大会レポートを。

B~Eブロック途中まで観戦しました。プレイヤー名に関しては敬称略。

 

 

・《三日天下》から三日後の世界

 

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大会会場は完全に【侍】が制圧していた。東京予選の突破者をアーキタイプ別に分別すると

 

【侍】(10人)

スピム祈り御供】

獣軸【OC特化珍獣】

【赤黄加速毘沙門】

【赤黄五右衛門ワンショット】

【海洋】

【青緑】

 

と、62.5%という圧倒的な支配率を誇る。

「予選突破をかけた最終戦」を計算対象にするならば、更にその確率は増えるだろう。

公式解説陣曰く、「会場の半数以上は【侍】」。そして勝者の半数以上も【侍】。

サイドボードが使用可能な大会という特殊ルールではあるものの、完全な1強体制が始まったと見ていいだろう。

 

土曜日朝からCOJTLは「城が爆発した」という報告1色であった。

どこを見ても《三日天下》と《ジャッジメント》の画像しかないような事態に陥った。

それほどまでに、このMoA東京予選は【侍】しかいなかったのである。

 

現在の【侍】におけるおおまかなテンプレートはこちら。

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普通に【侍】を作った場合、まずここまでは確定と言える。

 

【侍】は《三日天下》前の時点でも、明確な弱点の少ないデッキとして《赤誠の沖田》実装以降はトップメタに君臨していた。

《赤誠の沖田》参戦によって、種族デッキとして見た際のアドバンテージ獲得能力も1歩抜きんでていた。

弱点と言えなくもない《蠅魔王ベルゼブブ》などの火力除去に対しても、《ドリアード》・《神の杯》・《ミューズ》などで誤魔化していたのである。

 

それが、《三日天下》以降は火力除去に対する耐性を得るとともに、《心眼のナギ》《剣神・武蔵》による全体不屈付与によって《三日天下》のデメリットを消滅させ、超BPを不屈付きで押し付けてくるようになったのである。

BPを補うためにトリガーゾーンに頼ろうとすると、《赤誠の沖田》《闇法師弁慶》がそれを許さない。

ほぼ対策不可能とまで言われ、《三日天下》実装後のわずかな期間では「【侍】を倒すには【侍】、《三日天下》を倒すには《三日天下》」という方向に、誰しもが向かってしまったのである。

 

全1・ちゃみが生み出した、今大会の傑作レシピがこちら。(掲載に関してちゃみ了承済)

惜しくも予選最終戦で涙を飲んだピカデリー平田もこのデッキをシェア。トータルの勝率・勝利数は凄まじいものがある。

これの採用カードを中心に、この大会ルール、ひいては今後の【侍】環境を生き抜く術を考察したい。

 

1.非進化ユニットの自由枠について

 

先程の穴開きレシピには、3~7枚ほどユニットを足す必要がある。

これまで投入されてきたのは主に《ミューズ》だが、《三日天下》以降はこの枠に大きな変更があった。

 

1-a.《天剣の沖田》

 

従来の【侍】ではほぼ採用されなかったユニットだが、【侍】ミラーでは異様に強い。

BPに関係なく戦闘に勝利してしまう能力は、《三日天下》の擦り合いになった時に急速に存在感を放つ。

また、弁慶ともども《三日天下》によって"寿命"が伸びているのもポイント。先攻1Tに着地した青沖田が一生攻撃しているゲームも少なくない。

唯一の難点は、《三日天下》後にブロックしてしまうと行動権を消費してしまうので次のターンに攻撃できないこと。最も、1体を無条件破壊しているので悪い条件ではない。

【侍】ミラーでは先攻マリガン基準。詳細は後述。

 

 

1-b.《カイム》

 

《三日天下》をサーチしてしまうユニット。紹介したちゃみデッキにおいてはサーチ先が《三日天下》《無限の魔法石》《人の業》とどれも極めて重要なもの。

後述する《ジャッジメント》の起動役にもなる。《三日天下》時にLvを問わず8000なので、《弱者の回廊》に当たりにくい。

細部こそ違うものの、同じく【侍】で予選を突破したらすき・じゃこ・ちょもすといった面々のデッキにも搭載されており、非侍ユニットでは現状一番手と言える。

 

 

1-c.《海鳴の精ウンディーネ

 

《三日天下》込みで考えると、唯一《剣神・武蔵》を牽制できるユニット。

サラマンドラの7000ダメージを持ってしても、現状誰も死なない可能性がある。

【侍】ミラーはもはや青沖田での殴り合い。必要以上にBPが高くても弁慶が誤魔化してしまう。

そう考えると、このユニットの2つの能力が、極めて強力に見えてくるような気がするのだ。

当然、青系のハデスなどにも刺さる。その気になれば、8000呪縛にしたっていい。 

 

 

1-d.《ミューズ》

 

惜しくもらすきに敗れて予選通過できなかった妖刀五月雨がサイドから使用。

【赤黄】系統相手に"秩序の盾・呪縛・8000"で仁王立ちし、攻撃をシャットアウト。

数は少なくなったとはいえ、火力コンボで城ごと焼き払いに来る赤系デッキはまだいる。

メタゲーム次第では、まだまだ現役といえそうだ。

 

 

1-e.《ティターニア》

 

全国でも散見されるカスタム例。全軍のBPを押し上げるとともに、《魔将・信玄》に代表される不滅持ちへの対策にもなる。

今回のMoA東京予選では不発。

 

 

1-f.《烈火の侍》

 

後述するが、今大会ではフィニッシュブローとして《ジャッジメント》が飛び交う展開が多かった。

そういう意味ではこのカードにも注目したいところだが、いかんせん対《ジャッジメント》以外の仕事がなく、【侍】ミラーでは非力。

むしろ仕事は対KP、つまり対【珍獣】系統にあるように思える。最速武蔵でどうにかなったりするのだが・・・

 

 

1-g.《チェインフレイム》《早撃ち勝負》

 

ユニットではないがここで紹介。松戸勢のナオ・INAの調整例。更に火力除去を増やした形だ。

これら2つを《三日天下》と同時使用することで、《チェインフレイム》を自軍全軍が耐え抜いたり、超火力の《早撃ち勝負》が実現する。

敵のナギなどのキーユニットを除去しやすくすることで、【侍】ミラーで優位に立とうという考えだ。

 

 

1-h.《弱者の回廊》

 

詳しくはこちらへ。

三日天下だらけ! - 無理のないCOJ

 

 

2. 《ジャッジメント》

 

元々【侍】のジャッジメントは、対【ハンデス】の秘密兵器といった側面が強かった。

比較的遅い展開を好む【侍】は、ポイズンディナーなどで痛手を負いやすく、また除去がイフリートぐらいしかないので【蒼炎ヒトミ・プロメテウス】などのキーカードを除去しきれない。そこで一瞬でライフダメージを取れるジャッジメント、という流れだった。

しかし、《三日天下》後はミラーでも強烈な決定力を持つ。

 

【侍】は《三日天下》による呪縛を不屈で打ち消しているだけなので、自ターンの頭には行動権回復を起こさない。このため、《ジャッジメント》をぶっぱなすことで、例え殺し切れなくても《三日天下》付きユニットの行動を1ターン縛れる。

さらに自軍ユニットは不屈で起き上がるので、ローリスクハイリターンを地で行く行動になってしまっている。

《ジャッジメント》を咎められる《烈火の侍》が入ることはまずない。入ったとしても《土下座》だろう。赤沖田で割ればいい。

そしてこれが、【侍】ミラーでの絶望的なまでの先攻後攻格差を生み出すことになる。

 

 

3.《インペリアルクルセイド》と《ライズアンドシャイン》 ~《アルカナブレイク》~

 

これまで【侍】と言えばインペリアルクルセイドの採用がテンプレで、"時矢を見たらほぼ侍"といった感じであったが、MoAにおいてはそうもいかない。

サイドボードから超高確率で飛んでくる《アルカナブレイク》を食らうと、《インペリアルクルセイド》は存在自体が消滅する。

こうして、大半の【侍】がライズアンドシャインを採用していたのだ。

これなら、ミラーでダブル《三日天下》(通称"六日天下")なんかで絶望的な盤面になったとしても、とりあえずなかったことにできる。むしろその後に残った《三日天下》の枚数差で有利になれるかもしれない。

《インペリアルクルセイド》と《ワンダフルハンド》、また展開次第では《ライズアンドシャイン》にも刺さるかもしれないので、通常の全国に《アルカナブレイク》を持ち込むのは現状そこまで悪い選択肢ではない。最も、

と、さっそくMoA予選の影響が全国対戦にも出始めていたりするのだが。

 

 

4.【侍】ミラーの先攻後攻格差

 

今の【侍】ミラーは、先攻が圧倒的に有利とされる。

 

MoA仕様・・・先攻《天剣の沖田》スタート

 

【侍】は《人身御供》ケアのために先手も後手も《開眼のアヤメ》スタート、という時代が長く続いたが、相手が【侍】とわかっているならば先攻のキープ基準は《天剣の沖田》に変わる。

精鋭である侍で青沖田をブロックすると大損。相手に御供なんて入ってないことは、ルール上明らか。どうせナギも出てくるので、青沖田は"命の限り"殴り続ける。ついでに、その"寿命"は城を爆破すれば伸びる。ライフダメージも取ってくれるだろう。

一方、後手は変わらずアヤメスタート。青沖田やナギで初めてしまうと、即《三日天下》でもしない限り先攻2T《炎鬼イフリート》の餌食。そのアヤメで青沖田ブロックなんてできるわけないので、1点はほぼ確定。赤沖田ならギリギリ生き残るかもしれない。

徐々に迫りくるジャッジメント即死ライン。相手の攻勢をイフリートなどで凌ぎながら、なんとか武蔵でジャッジを止めねばならない。後攻は常にカツカツの動きを強いられる。

現に、Dブロック最終戦のらすきvs妖刀五月雨の【侍】ミラーでのらすきの先攻ムーブはまさにパーフェクト。

 

1T:青沖田

2T:ナギ三日天下

3T:アヤメ2連打でナギ・青沖田に加護

 

この時点で隣に座ってたINAが「もう試合終了」と発言。

後は三日天下・イフリートを撃たれながらもジャッジメント叩きつけてゲームセット。

"城爆破してはるかぜ"の完成である。

 

 

全国仕様:《アルカナブレイク》を撃つ余裕

 

青沖田スタートのしにくい全国対戦でも、やっぱり先攻が有利。

「先に展開できる」「先にCPを使える」ことが非常に大きい。

盤面が出来上がりさえすればもうCP使わないで済んだりするので、《アルカナブレイク》も撃てたりする。

一方後攻はそれこそ後手後手なので、対応している間はおそらく2CPは余らない。

先手にボコボコに殴られながら、《インペリアルクルセイド》での大逆転も潰されてGG、という場面は少なくない。

最も、《ライズアンドシャイン》が増えてきたので、この話もなかったことになりそうなのだが。

 

 

・侍を根絶できるのか

 

他のデッキで、【侍】を倒せそうなものを予選結果などから見てみよう。

 

・【赤黄】系統:覚悟を迫る大本命

 

【赤黄ミッドレンジ】と僕が呼んできたデッキは、時代の変化に伴って「ミッドレンジ」ではなくなりつつある。

テューポーン・サラマンダー・エンジェルビルダーと行った中コスト帯の戦闘用カードを無視して、《聖女の祈り》《ライブオンステージ》で加速して毘沙門をぶっ叩くゲームをしたがっている。

「ミッドレンジ」ではなく、「マナランプ」「ビッグマナ」に近い挙動になってきた。

古いプレイヤーの方には、【中速赤緑】と【追い風ベリアル】の違いと言えばわかっていただけるかもしれない。

 

そんなこんなで、【侍】の盤面が揃い切る前に毘沙門をぶっ叩く【赤黄】系は当初対【侍】の一番手と見られていたが、今回の通過者は2人と大苦戦。

それもこれも赤沖田が悪い。《聖女の祈り》や《ライブオンステージ》を割ってくるのである。

【侍】に《ダークマター》はまず搭載されないので、大量に伏せてリアルで"祈る"のが正解なのだが、その大量に伏せたカードはどこから供給されたのか疑問符はつく。

 

加えて、超高確率で2枚以上に増える《人の業》もケアしなければならない。

また、何らかのフォローがなければ着地した毘沙門は殴れない。返しで武蔵が飛んできたらダメージ負けするためである。

 

【赤黄ミッドレンジ】が全盛期を過ぎてからは"腕の差が出る職人専用デッキ"と言われるが、今もその傾向は強い。逆に、プレイングに自信があれば理論値で侍と勝負出来うるとも言える。

 

 

・【蒼炎ヒトミ・プロメテウス】:"アレ"さえなければ・・・

 

【侍】はそれほど展開の速いデッキではなく、また除去能力もそれほどではない。

本質的には、《三日天下》などで得た超BPと不屈で押しつぶすデッキである。

盤面を作る過程で《ポイズンディナー》により手札に干渉する【ハンデス】系統は、比較的【侍】と戦いやすい。

特に【蒼炎ヒトミ・プロメテウス】は赤沖田の被害が少なく、天敵と呼べるものはイフリートとジャッジメント程度。

このマッチアップではイフリートを撃てる回数でどちらが勝つか決まると言ってもいい。

最も、MoA形式だと【ハンデス】系統最大の悪夢、《謀略の祝杯》がサイドから飛んで来るので、少しアヤシイ。

 

 

・【赤青コントロール】【魔導士】:オール7000を越える火力を

 

この2種は、1発までなら《三日天下》されても焼ききれる大火力を持っている。

 

BANが持ち込んだシャレコウベ+チェインフレイム軸【赤青コントロール】は解説陣に「対【侍】のお手本」とまで絶賛された。

敵のナギ・アヤメが7000になったところでシャレコウベ+チェインからオール7000で更地。8000オーバーはキッドなどで処理できるし、《冥王ハデス》も控える。

王道の《蠅魔王ベルゼブブ》+《レイニーフレイム》も搭載。

 

【魔導士】はいつものムーブで《魔導の書》2連打しましょう。

イフリートでしか除去が来ないので、それと《弱肉強食》さえどうにかすれば気持ちよくなれる。

《チェインフレイム》入ってたらちょっとやばいかな・・・

 

両者共通で青を含むので、ダブル《三日天下》は《弱者の回廊》でぶっ飛ばせる。

そして、両者共通で【赤黄】系統と当たったら即死レベル。

《人身御供》が悪夢。【魔導士】に関しては単発《蠅魔王ベルゼブブ》すらキツイ。

 

 

・【青緑】:7000への早撃ち、8000へのキッド

 

BP8000満載で、一人がキッドに殺されてももう一人で討ち取る超BP型【青緑】は、よくモモベリアデビルークがリプレイに載せていたが、これに近いコンセプトのデッキが予選を突破。

 

 

ナギが7000になったところで、ゴーレム早撃ちすれば落とせる。

アテナで更にBPを上げたり、ツクヨミで侍側の効果を消すことで《三日天下》と互角の殴り合いを実現。

ただ、このタイプでは《海鳴の精ウンディーネ》には注意が必要。

 

 

ここに挙げたデッキ群でも「侍に有利が付いているか?」と言われると首を捻らざるを得ない。

他にも【海洋】がジョーカーを《ライズアンドシャイン》に換装するなど、環境の頂点にある【侍】を意識しなねばならない状況が続いている。

長らく3すくみの状態が続いていたが、ここにきて久々に1強環境。

大阪予選までにメタデッキが開発されるのか?

"三日天下"は、少なくとも3日以上続いていく。