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COJ阪神支部

旧「COJ山梨支部」。なお、中の人は巨カスの模様。

COJ"P"は生きていけるのか?現行の覇権シリーズ2種と比較する

 とんでもねえことが起こった。いや、これから起こる。

 

coj.sega.jp

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 COJがスマホでできるようになります。それに当たって、僕はSEGA側から「貴方の"インターネット訴求力"が欲しい。プロモーションに協力してくれ」とかいう謎の依頼を受けて、無事インターネットフリー素材となりました。一番脆そうなのが僕です。

 

 この時に僕も先走ってプレイしてますが、「残りの2人と違って、バグのせいでまともに終わった試合が1つもなかった」ことだけ報告しておきます。ほとんどのことはちょもす大先生が書いてくれたので、こちらも参照してください。

『CODE OF JOKER Pocket』をプレイしたありのままを伝える話 - chomoshのブログ

 

 

 が、このご時世にスマートフォン向けトレーディングカードゲームとは勇気ある行動をしたものだ。日本国内では「シャドウバース/Shadowverse(以下Sv)」が市場を席巻、世界的に見てもSvの元祖とも言える「ハースストーン/Hearthstone(以下HS)」の人気は根強いです。この決着のついた市場に今から飛び込んでいって大丈夫なのか・・・?

 

 僕個人としては、大丈夫だと思います。なぜなら、HSやSvとCOJは、明らかに違う種類のゲームだからです。

www.youtube.com

 

 それを説明しようとしたのがこの動画だと思うんですけど、30秒という枠に収めるためにめちゃくちゃ無理をしたせいか何が何だかわからない状態に(少なくとも見ている僕は)なってしまったので、それの説明をしつつ、今一度COJというゲームシステムを再確認しようという記事。HSあるいはSvをプレイしたことある方なら、より楽しめると思います。

 

 このゲームの"ありえなさ"をお伝えできれば幸いです。

 

 慣れてない方はこちらも参考に。

coj.sega.jp

 

 ここに来たのが初めて、という方もいるかもしれません。

 《》がついたらカード名で、【】がついたらデッキ名です。

  僕は基本的に長い文章を書く傾向にある人間ですが、今回は大事なところを太字にしました。時間のない人や、「貴様の好き勝手に付き合う道理はない」という人はナナメに読んでくださって結構です。

 

 

 

・とにかく事故の起こらないゲーム、COJ

 

 「ありえねぇ数のカードをドロー」と動画内にありますが、とにかくCOJはドロー枚数が多く、またドロー効果の強いゲームです。

 

 カードをプレイするためのコストの概念は、HSもSvもCOJも大差ありません。

 

HS:1マナスタート、1ターン毎に1増加、最大10マナ。後攻にコイン(任意のタイミングで1マナ増やせる)が渡される

Sv:1PPスタート、1ターン毎に1増加、最大10pp。

COJ:2CP(後攻は3CP)スタート、1ターン毎に1増加、最大7CP。

 

 そんな中で、HSの《初級エンジニア/Novice Engineer》というカードを見てみましょう。

f:id:GN_Denchi:20161025164436p:plain

 場に出すとカードが1枚引ける代わりに、最低限の戦闘能力しか持たないカードです。これが2コストになっています。

 

 さて、COJ《ハッパロイド》。

コードオブジョーカー WIKI - ハッパロイド

 同じ能力のカードが1コストになっています。これだけでは終わりません。

 

コードオブジョーカー WIKI - ブロックナイト

コードオブジョーカー WIKI - デビルウィンナー

コードオブジョーカー WIKI - カパエル

コードオブジョーカー WIKI - カラスマドウ

(《カラスマドウ》だけ微妙にやってることが違いますが、これは青という色がSvのネクロマンサーっぽいことをしているためです)

 

 Svの《メイドリーダー》が2コストで頑張っていたのはなんだったのか、という状態です。2コストには2コストで"色"ではなく"種族"に対応するドロー効果付きユニットがCOJには超大量にいます。3コスト以上も大概です。

 

 そもそも毎ターン最初の定期ドローが「2枚」のゲームです。HSは30枚、Svは40枚のデッキを1枚ずつ(Sv:後攻1ターン目のみ2枚)ドローしていきますが、COJは40枚のデッキを2枚ずつドローします。ここから先述のドロー効果付きユニットをこれでもかと出しまくります。《新たなる運命》を擁する【冥府エルフ】が平均8ターンで捨て札を30枚溜めるのはSv民なら見慣れた光景ですが、COJの【オーバークロック特化珍獣】は3~4ターンで40枚のデッキを全て引き切ります。ましてや、COJというゲームはHSやSvと違い、デッキのカード全てを引き切っても負けにならず、デッキが最初の40枚の状態に戻ります。そのかわり、ゲーム自体に10ターンというターン制限があり、相手のライフを0にする以外でも10ターン目後攻終了時にライフの多い方が勝ち(同点なら後攻の勝ち)というルールになっています。

 

 動画内で、野性味溢れる女性のカード(《リーフィア》と言います)が3枚あったはずなのに、次の瞬間に別のカードに変わっている現象が起こります。オーバーライドというCOJ独特のシステムで、手札に同じユニットカードが2枚ある場合、それらを重ねるようにドラッグすると1ドローできます。重ねたカードは消滅し、重ねられたカードはレベルが1上がります。レベルの概念は面倒なので今回は省略しますが、手札中で最高レベルである3まで到達するとスピードムーブ(HSの突撃、Svの疾走に相当)を得るので、慣れないうちはガチャガチャ重ねるのが楽しいです

 

 大量にカードを引くことにリスクはほとんどありません。そういう風に最初から設計されたゲームです。

 

 そして、COJ経験者が諸手を挙げて賞賛するのが、ゲーム開始時の手札引き直し、いわゆるマリガンのシステムです。

 

HS:開始手札3枚(後攻4枚)、任意枚数入れ替え可能、制限時間中に1回

Sv:開始手札3枚、任意枚数入れ替え可能、制限時間60秒中に1回

COJ:開始手札4枚、全て入れ替えるか全て残すか選ぶ、制限時間5秒中に何度でも選択可能

 

 このマリガンシステムを発明した人は天才か悪魔かのどちらかです。例えばSvの【疾走ビショップ】で遊んでいて「6ppの《天空の守護者、ガルラ》が3枚来たから3枚引き直したのに、ガルラが1枚返ってきたあげく残りの2枚も《ムーンアルミラージ》だった」なんてのは日常茶飯事ですが、COJではそんなことが起こったらもう1回突っ返すだけです。

 

 制限時間5秒というのもミソです。望むカードが来るまで引き直したいので、試行回数を増やすためにプレイヤー側はどういうわけか反射神経を鍛える必要があります。マリガンが苦手なプレイヤーは初手に欲しいカードだけプレミアムカードにして光らせることで見やすくするなどの裏対策があったりします。また、5秒という短い時間のなかで、残り時間が少ないので最善ではない手札でも妥協するなどといった判断力も重要になってきます。

 このマリガンシステムについて、COJPは本家の完全再現に成功しました。プレイした感じだと5秒間のマリガン処理を行ってから開始手札の情報を対戦相手に送っている感じだと思う(あくまで推測です)ので、ここでラグが起こるならそれは通信ではなくスマホのマシンスペックだと思います。

 

 このゲームに「ハイスピード」という冠詞が付く理由は、だいたいここにあります。

 

 まとめると、COJというゲームはTCGにおいて回避することが難しかった"事故"を構築含めたプレイヤースキルで極限まで低減できるようにしてあるということです。"公的にドブンを保障するカード"《無限の魔法石》など、他では"ありえねぇ"カードの連続です。

コードオブジョーカー WIKI - 無限の魔法石

 これによって起こることは、ちょっさんも言ってますが実力の出やすいゲームになる、ということです。上手いプレイヤーは原則事故らないので、なんかよくわからんけど強い人に勝った、みたいな珍事が比較的起こりにくいのです。

 

 

 

・「ハント型戦闘」と「ブロック型戦闘」

 

 HS、並びにSvはミニオン/フォロワー同士の戦闘に「ハント型戦闘」というシステムを採用しています。以下の記事が的確に説明しているので、時間のある方は読んでみてください。名文です。

【TCGデザイン論】 ハースストーンの戦闘システムの特徴と問題点 - I LOVE TCG

 かいつまんで説明すると、ハント型戦闘とは、"攻撃側がどこを攻撃するか自由に決められる"のが特徴です。基本的に相手のターン中にできることはありません(HSにはトラップカードがありますが、それも手動ではなく自動です)。

 ハント型戦闘のTCGとして、HSはまぎれもなく傑作と言えます。だから、今日のスマホ向けカードバトルにはHSを模倣したかのようなハント型戦闘TCGが多いと言ってもいいでしょう。

 

 打って変わってCOJにおけるユニット同士の戦闘は「ブロック型戦闘」です。ユニットは相手プレイヤーしか攻撃できず、防御側のユニットがそれをブロックするかどうか決めます。防御側に戦闘の主導権があり、また相手ターン中でもこのブロックに関する判断をしなければならないのでただ待ってるだけという訳にはいきません。

 COJは、実はHSよりも古いゲームです(英語版HSの稼働開始が2014/3/12であるのに対して、アーケード版COJの稼働開始は2013/7/11)。当然HSを参考にゲームを作ることはできません。

 僕の目から見ると、COJは「マジック・ザ・ギャザリングMTG)」と「デュエル・マスターズ(DM)」からの影響を色濃く受けているように見えます。そもそもユニットを色で分けているところからそうですし、ブロック型戦闘を行う上で必須となる"行動権"の概念などもです。戦闘に関わる能力設計やブロックするしないの判断などはMTG由来です。一方、攻撃力と体力をBPに一元化したこと、ライフダメージ量がBPに依存しないこと、そしてライフダメージを受けるとジョーカーゲージにボーナスが入るので逆転の目が出ることなどはDMからの影響を受けているでしょう。COJにも"進化/Evolve"というシステムがありますが、Svの「EPという別リソースを使ってフォロワーを変化・強化させる」のではなく、COJでは「進化ユニットカードを同色のユニットの上に重ねることで強力な効果や戦闘能力を発揮する」全く違うシステムになっており、これも極めてDMに近いと言えます。

 さらに特筆すべき点として相手ターン中でも"トリガーゾーン"から呪文的効果を発揮できることが挙げられます。これはおそらく「遊戯王OCG」に源流のあるもので、トリガーゾーンのカードを一部効果で直接破壊することで口封じできることも同様です。MTGにおけるスタック、遊戯王におけるチェーンのような逆順処理ルールはありませんが、オンラインであれをやろうとすると通信回数が膨大になり、ゲームのテンポが損なわれる可能性が大きいのでアーケードゲームでは適さないという判断があったのでしょう。3年前の時点で国内でプレイされていたTCGをフルに参考にして作られたゲームと言えるのではないでしょうか。無論、そこから3年かけて独特の、そして怪物的進化をしたゲームでもありますが。

 

 何が言いたいかというと、戦闘システムがまるで全く違うのでHS・SvとCOJは全く別のゲームとして認識した方がいい、ということです。プレイヤーの時間を奪い合うという意味ではこれからライバル関係になるのは間違いありませんが、これら3者はそれぞれに長所・短所があるもので、自分に合うゲームをプレイすればよいのです。

 

 また、ブロック型戦闘を採用して全体設計がMTGやDMに近くなっているせいか、このゲームにはHS・Svと違って手札破壊があります

コードオブジョーカー WIKI - ミイラくん

コードオブジョーカー WIKI - 見習いシーフ

 人によっては「過剰なストレス」になるかもしれません。ただ、逆にこれが好きすぎてライフワーク化している人もいるので、そのあたりは覚悟して参入してください。

 

 

ジョーカーアビリティについて

 

 COJでは、HSやSvと違いクラス/リーダー専用カードというものはありません。では公式サイトに7人もいるキャラクター達は対戦にどんな影響を及ぼすのかというと、彼ら独自のジョーカーアビリティが試合中1回だけ使えるのです。

 

 HSのヒーローパワーに近い概念ですが、ヒーローパワーが「デッキ内に存在せず、1ターンに1度、試合中何回でも使えるが、ややコストパフォーマンスの悪い行動」であるのに対して、COJのジョーカーはデッキ内に存在しないことを除くとほぼ真逆の性質で、「使用に多大な条件が付き、試合中1回だけしか使用できないが、非常に強力な必殺技」と言えます。

 

 ジョーカーアビリティの使用には、専用ゲージが最大値に到達している必要があります。この専用ゲージの貯め方ですが大きく2つに分けられます。

 

1.自分のターンを終了する

2.ライフダメージを受ける

 

 この2つなのですが、「自分のターンを終了する際の残り時間がジョーカーゲージ取得量に直結する」せいで、COJでは思考の正確さだけでなく速さが重要視されます。「ハイスピードカードバトル」ですね。

 

 ちょっとコストパフォーマンスのいいだけのアビリティから、「2CPで対戦相手の手札を全破壊」「3CPでフィールドのユニットを全消滅」など桁外れの影響力を持つものまで様々な効果がありますが、強力なものほど必要なゲージ量が多くなっています。

 

※このジョーカー絡みのシステムのみ、現行アーケード版ではアップデートにより大きくシステム変更がなされています。2人のキャラクターから1つずつアビリティをセットできるようになり、また「1試合に1回だけ」の制限が撤廃されています。

 

 

・デッキオリジナリティボーナス(DOB)について

 

 冒頭の動画にない部分ですが、COJをCOJたらしめる要素のうちの1つなので解説しておきます。

 

 アーケード版COJでは、常にカードやキャラクター毎の使用回数が集計されており、使用率の低いカード、あるいはキャラクターを使って勝つとレートが増えやすくなっています。このシステムをデッキオリジナリティボーナスと呼んでいます。

 SEGA(というかむっくさん)はこのシステムを妙に誇りに思っているらしく、なんと特許を取っていることまで教えてくれました。事実、似たようなシステムが同社のアーケードゲームである「戦国大戦(傾奇者ボーナス)」や「Wonderland Wars(舞闘会モード)」に搭載されています。

 

 このシステムが採用されることによって、環境に流動性が生まれます。現在アーケード版では約2週間毎にカード使用率のランキングが更新されるようになっているので、2週間毎に流行デッキやテンプレ構築に微妙な変化がもたらされます。

 一方、このシステムの難点として環境における最強デッキと流行デッキが一致しないことが挙げられます。全国対戦のランクマッチでのメタゲームは、全国大会用のそれとは一致しません。特に現在のアーケード版で顕著に起こっている現象ですが、"本当の意味での真剣勝負ではない"として敬遠する人も少なくはないシステムです。

 

 COJPでは、やはりというか案の定というかデッキオリジナリティボーナスのシステムが採用されました。さらに、HSの魔素/DustやSvのレッドエーテルに相当する「生成」のレーティングにも、このデッキオリジナリティボーナスが影響するらしいのです。実際の紙のカードのように、安い時に買い、高い時に売る「株」めいた遊び方も可能かもしれません。

 

 

 

 

 いかがでしたでしょうか。

 「他のカードゲームと比較すると、思う存分好き勝手できるがそれは相手も同様である」というのがざっくりとしたCOJの特徴です

 というか、このありえねぇ世界に慣れきったCOJ勢は他ゲーで事故って怒っていることが大半なので、もはや麻薬です

 

 「脳天直撃」というフレーズは、あながち間違っていないのかもしれません。