成長の果てに③ ~技量差は確かにある~
何はともあれここを読むこと。
今日のメインテーマはここです。
もはやアップデート前恒例にもなりつつある、「上位陣のシステムに対する不満の爆発」。僕も老害なので、共感を示せる部分はめちゃくちゃ多いんですけど。
僕が上海から帰ってきてから言いたかった数々のことと密接にリンクしそうなので、こうやって前バージョンの時と同じようにキーボード叩いてるんですね。
1. 「コイツは引きだけ」と叩く「キツい人間たち」の心理
東京都Mさんからのお便りです。
「【赤単トリガーロスト】が好きでずっと使ってるんですけど、『トリロスは引きだけ』みたいに言われることが多くて悲しいです」
【赤単トリガーロスト】は確かにエラッタ前環境屈指の尖ったデッキで、各種サーチも少なくて「引きだけ」と呼ばれ続けたデッキである。最もエラッタ後はもっと尖ったスピードムーブ山盛りのデッキが出現してたり、トリロス側に《ONI総長》みたいなテクニカルなカードが入ったりして、比較的丸い側になってきた印象も受けるんですけど。
僕もトリロス使えないことはないんですが、本当に「最適解がトップから降ってくる」時がある。アグロデッキではあるものの、「1枚のカードパワーでなんとかする」というよりは「2~3枚でコンボしてどうこう」ってタイプで、ややコンボデッキ寄りの側面があるってのも大きいです。
ただ、この領域に突入するには、「その状況での最適解は何か」を完全に知っておく必要があります。こうすれば勝てる、あるいは大幅有利になる。それを理解している人間同士が戦っているのがK~Q上位帯です。トリガーやインターセプトをピンポイントでサーチできず、《無限の魔法石》《策略の装填》への到達も通常ドロー次第の【赤単トリガーロスト】で、そういう状況毎の最適解を連発されたらなんとなく腹が立つのも理解はできます。
「引きだけ」と言われて心を痛めるのなんて、自分のデッキへの理解度を高めて、「何を引けば(魔法石で何を持って来れば)勝てるのか」を把握してからでいいのです。少なくともそれを把握している人間が対面に向かって「引きだけ」と愚痴っているのです。
ちなみに、この「引き」を構築によって正当化することは可能です。「《風紀委員マコ》が出てきたから《蠅魔王ベルゼブブ》がある」、「《カイム》が出てきたから《無限の魔法石》がある」・・・そうです、みんな大好き全盛期【赤黄ミッドレンジ】ですね。赤黄系統や青黄系統にヘイトが集まりにくいのは、こういう部分からだと思います。
「引きだけのヤツに負けた」
「なんでこんなヘタクソがランク高いんだ」
実際問題、【赤単トリガーロスト】に関わらずこういうのTLでよく見ませんか?
これは彼らが「相手のプレイングミスが対面からでもわかってしまう」からです。
バージョンが上がるにつれて新SRを筆頭に強いカードが増えたというのは間違いありません。それによってCデッキ程度であれば「こっちの方が強いから、他のカードは採用できない」となってしまいます。エラッタ前の《雷鎚・ミョルニル》vs《カイム》なんかがいい例です。環境に存在するデッキの種類こそ増えましたが、デッキ毎の構築バリエーションは減ってきているのが現状でしょう。ランカーリプレイ・Twitterなどを中心に「強い構築例」が出回ったら、もう37枚程度はそれで固定されます。故に、対面のアーキタイプさえ判別できればたいていの場合デッキ構造もほぼ同定できます。
こうなると、「相手が取り得る最適解」もわかってしまいます。持っている手札はオーバーライドで一部見えることすらあるのです。「俺ならこうする、その選択肢はありえない」、というのが、対面から見えてしまいます。それでも相性不利やトップのカードパワーで負けた結果、「引きだけのヤツに負けた」「ヘタクソなのにランクだけ高い」になるのではないでしょうか。美化されるべき言動ではありませんが、共感はできます。
おそらく「対面からでもわかるプレイミス」が最も顕著に出てしまうのが【OC特化珍獣】です。トリガー・サーチャーの無駄遣いによる1枚損などが最たる例です。特別ランクの高くない読者の方でも、これぐらいは見たことがあるのではないでしょうか。だからと言って対面の【OC特化珍獣】に勝てるかどうかはまた別なんですけど。
他にもキツいやつ、いますよ。でも、ゲーム的に関係があんのかないのかよくわかんなくなるんで、ここでは書かないです。上海から帰ってきて以降、リアルもネットも交友範囲を広げる方向に動いてますが、気の合う誰かが増えていく一方で多くの闇も見てしまった。精神的な疲弊を感じることは多々あります。
でも、「お前も十分キツいじゃないか」って言われたらそれまでなんでね。万人受けしない性格なのはわかってますし、それゆえの「お前の人気好感度は原則低いけど、俺は好きだよ」みたいな評価に繋がってるんだと思いますし。
2. 長すぎる道を歩くために必要なモノ
APの話です。
Ver1.4_EX2での査定緩和については導入前から否定寄りの意見が多かったですが、それが今になって不満として噴出した格好だと思います。
APランキングを上げるのに重視されるものが「勝率」ではなく「プレイ回数」になってしまいました。
Q3→Q2、必要AP50000。これがQ1→K4まで続きます。ちなみにK4→K3は60000、K3→K2は65000だそうです。COJwiki、役に立ちました。なかなかやるじゃねーの。
査定自体はユルユルです。Q3はC5割で増えます。B5割で増える領域がどこまでなのかはもはや見当もつきません。「J1が200/300だった時代(あるいは100/200)がよかった」とかよく聞きますが、アレはアレでもっと上の方に問題点がありました。査定の是非は、この際置いておきます。
僕が提起したい問題はこの50000という数値を増やす間に、何のイベントもないこと。登山はしているが、山小屋がない。緩やかな道(査定)ではあるものの、途中で水も飲めやしない(モチベーションの維持が難しい)。隣のワンダーランドウォーズもランク1個上げるための必要ページが膨大なゲームですが、あの途中に置いてあるアイテムの入った宝箱は、確実にモチベーションの維持に繋がっていると思います。COJから「ミッション」の概念を逆輸入した舞闘会も面白かったです。ああ、そういえばワニ倒さないと。
あの宝箱の概念、輸入できませんかね。あるいはSS以下のようにランク自体をもっと細分化するんでもいいですけど。「やったー、『次のランクまでのAP』の1万の位が4から3になったぞ!」って、あまりにも虚しくないですか。達成感、欲しいです。
他人と競うのは達成感を追及する上で有効な手段かもしれません。その果てに「なんでアイツヘタクソなのにこのランクなんだ」みたいな話に行きついてしまうとすると、少し悲しい気分にはなってしまいますがね。
APを追及する上で、今重要なのは「時間」と「時間をCOJに費やせるモチベーション」と言えるでしょう。「技量」、と言いたくなる気持ちは非常にわかりますが、「技量」もまた「時間」から生み出される部分があると思います。冒頭で【赤単トリガーロスト】とその理解度の話をしました。【OC特化珍獣】、【舞姫】、【武身】・・・このあたりには、僕も理解するために時間を割きました。それでももっとやり込んでるプレイヤーには敵わないものです。COJにおいても、「やり込み」は嘘をつきません。
3. 「GN電池の限界」と「僕の限界」
そんなこんなで、僕のAPの話をしようと思います。
僕が上海から帰国した時(昨年12/3)にJ1で、そこからちょうど1ケ月(~1/3)でQ3まで昇格しました。週平均で100戦はこなしていましたが、この時期は極端に「勝率」がよかった時期でもあります。握っていたデッキが僕と相性がよかったのもありますが、これが環境的に有利な立場にあったかと言えば違うでしょう。失礼を承知で言わせてもらいますが、「Q2・Q3・Q4~J1・J2」、これらは中点で区切ったランク毎にかなりの実力差を感じます。この1ケ月半で僕が全国で対戦してきた中での観測範囲ですし、あくまで平均値なんですけど。
何が言いたいかというと、上海滞在中に抱いた野望の通りに、僕は「無双」に成功しました。恐ろしいプレイ回数を掛けたわけではありません。使える時間の全てをCOJに割いたわけではありません。ワンダーランドウォーズもガンスリンガーストラトスもやってました。「半年のブランク」を「過去の遺産」で捻じ伏せたのです。
現在、Q3です。
帰国時に1200だか1600だかまで落ちていた全国ランキングもここまで回復しました。上海に行く前の数字を見てみたら、179位だったんですね。僕のいなかった空白の半年の間に強いプレイヤーが新しく出てきたことを考えると、「借金の返済は終わったな」という感じはします。
もう1つ、これは今日のデータなんですが「最新10戦で3勝」なんですね。Q4時代と違い、負ける日が出てきました。負けるとムキになるタイプなので、実は他ゲーのプレイ時間は減ってます。ゲーセンにいる時間がどれだけあるかってのはもう少し後で書くんですけど。Q3というランクは実に楽しくて、対面に見知った名前が出てくるし、1日やればトップランカーを1回ぐらいは踏むし、それでいて絶望的な実力差も感じないので、「今の自分の適性ランクだな」と強く思います。目の前に出てくるQ2オーバーの圧半端ないです。事実上、「COJの最前線に帰還する」という、帰国後目的としてきたことは達成できたと考えています。
この3週間で、Q3からQ2まで行く過程の4割ほどを進みました。今のペースを維持できれば、遅くとも3月中にはQ2になれるでしょう。APが減る日はあっても「大炎上」までは行きません。増える日は増えます。僕はまだ、自分のエージェントとしての能力に、限界を感じてはいません。
ただ「時間」だけはどうしようもない。僕は平日の昼間は職場にいないといけないんですよ。仕事の性質上ブログ書くぐらいはこっそりできたりするんですけど、例えばこうやってブログ書いている4時間の間に、4時間COJをプレイしている連中には100%勝てないんです。デッキの理解度や熟練度、すなわち「時間が生み出した技量」で置いていかれます。これは上海に出る前のVer1.3_EX2ぐらいから薄々感づいてはいました。僕の能力よりも、「僕の能力を上げるためのリソースに限界がある」。職を失ってまでCOJをする覚悟は僕にはありません。
正直言って、もう100位以内には戻れません。「時間」が足りないのです。
4. トップエージェントになれない僕に、何ができるのか ~COJ山梨支部の方針転換~
このブログは、開設当時全国2桁だった自分が「一応全国ランカーだしある程度発言力あるだろ」ぐらいのノリで始めたものです。皆様に認知していただけるようになったのはカードランキング更新の記事を定期的に書き始めるようになって以降ですが、それ以降も「COJの最上位階級まで読める記事を目指す」ことが根底にあり、上海から帰ってきてからもそれを目指してCOJをプレイし、また記事を書いてきました。失った時間を、熱意で埋められると信じて。
しかし、Q2オーバーと自分との力量差は、もはや埋められません。追いつくための推進力が、僕自身にないのです。僕が真剣に考えなければならなかったのは、上海にいた半年間をどう埋め合わせるかよりも、帰ってきてからの僕が持っている時間がそれほど多くないことでした。
こうなると、このブログの方向性を変えねばなりません。
クソ長い記事ですが、なぜ貼ったかというと「童貞神秘論」と「承認欲求のコントロール」だけです。もはや僕にQ2オーバーを唸らせる記事は書けません。根拠となる実力や経験が足りないからです。そうなると、自然とこのブログの対象読者からQ2以上は外れていくのです。単純に娯楽として読むならまだしも、「技術向上」のためにはなりません。
しかしこれはあくまで僕の心の持ちようであり、根本的に何かこのブログの記事内容や更新ペースが変わるという意味ではありません。超級者達と同様に、上級者や中級者もここを読んでいて、その数は例によって後者の方が多いのです。
間違ったことを言うこともあるでしょう。でも、基本的に人間は常時完璧ではありえません。そして、COJに関して僕が間違える確率というのはQ2オーバーのそれよりも高い。残念ながら、それが実力です。
でも、COJに対するモチベーションは、まだ失ってはいません。ゲーセン行ったらまず真っ先にCOJ筐体に座ります。リアルにしろネットにしろ、COJがあるからこそ今の僕があるのだという感謝は、常に持っています。今の僕に何ができるのかを考えると、やっぱりこうやって何か文章を書くことなのかな、とも思うわけです。
今月末のカードゲーマーに、Ver1.4_EX3の情報が載るそうです。
COJというゲームを、多くの人が楽しいと思えるようになれば。そのために微力ながらでもお手伝いできるのであれば、それが今僕にできる最善と思えます。
ではまた。