PRカードの話
ブーストEXの新規排出開始とイベントの開始時期がここまで被ったのは初めてではなかろうか。
今日はPRカードに関してダラダラと。
暴虐王バアル以降、定期的に行われている「カードブーストEX専用PRカード」の追加。
僕の観測している範囲では基本的に不評である。僕もこの方式は正直キツいと思ってる。
ブーストPRを否とする人間の言い分としては、「そのカードを手に入れるまでに膨大な時間がかかる」という一点にある。
最速入手方法が「店内対戦サレンダー」というゲーム性の欠片もない"作業"。
コードオブジョーカーをするために、コードオブジョーカーの筐体を使って不思議な"作業"を強いられる。意味がわからない。ゲームさせろ。
少なくとも僕は耐えられなかった。ツクヨミの時なんかは1.3のパックを買いまくって、大魔導士リーナ4枚目を引いて無理やりツクヨミにトレードしてもらった。
レートなんてガバガバである。ブーストPRを手に入れるために、僕が多少損をしてもいい。
「ブーストPRなんてなくてもゲームできるだろwww」とお考えの貴方は、"競技として"TCGをやるには向いていないと言わせていただく。
基本的に、TCGの最上位帯で戦おうと思ったら、「全てのカードが使える状態にあって始めてスタートライン」である。
デッキ構築の際に"持ってないから"という理由で選択肢から外れるのは、戦う前からハンディキャップを設定しているに等しい。
J2オーバーのオタクマッチングで、相手にツクヨミやバアルを一方的に使われて「卑怯だ!」なんて言うのはただのマヌケ。使ってはならない理由がどこにもないからである。
同様に、全てのイベントPRも回収しておくべきである。「イベント走ってないから三日天下持ってないwww」は甘えでしかない。
よっぽどリアルが忙しい人もいるにはいるだろうが。僕が上海出張から帰ってきたらこの状態になるのだろう。少なくとも環境の最前線で戦う資格を失う。
死ぬほど当たり前であるが、COJはRMT(リアルマネートレード)を原則禁止している。いや、ヤ○オクとかに普通にあるっちゃあるんだけど。
これもブーストEX専用PRの凶悪さに拍車をかけている。ターミナルでパックを廻しても出ない。
エージェント各位に「時間と金のどちらに余裕があるか」と聞いてみよう。金と答えるエージェントは、おそらくブーストEX専用PRを憎んでいる。
その昔、このゲームはめちゃくちゃ高いゲームだった。1戦やるのに150円した時代があった。
そういう時代からやっているエージェントというのは、原則として趣味に投じる金に余裕のある人種である。逆に言えば、金を稼ぐために働いているはずなので、時間に余裕がない。
そういう人種にとっては、サテライトに金を入れれば簡単に出てくるベルゼブブや魔法石の方が、ツクヨミやバアルよりも入手が容易である。ツクヨミ・バアルを手に入れようと思ったら、筐体で"作業"に勤しむ必要がある。
ターミナルに金を入れる分にはほんの5秒で8枚のカードが手に入り、更にマーヤだのマネキーニャだの不思議な演出付きで結構レアなものが出やすくなっているし、フォイルカードとかいう素敵なオマケのつく昨今であるが、
カードブーストEXは最速パターンである店内対戦でのサレンダーでも、もろもろの処理を経て初めてカードが1枚出てくる。
しかもPRが確実に出てくるわけじゃない。1.0系のロクでもないカードが大半を占める。ましてや自キャラの悲鳴を延々と聞くことになるので、精神衛生的にもよろしくない。ジョーカーレベルの育成にはなったりするのだが。
"満席オブジョーカー"という再誕後特有の難敵との戦いもある。
ちなみに店内対戦は"朝得"システムで値下げがあるが、当然社会人は"朝得"なんて使えない。原則として働いているからである。"朝得"システムは"ニー得"と揶揄られることが多い。
時間に余裕のない人間が"全てのカードを集めよう"と思った時に、今回のブーストEX専用PR追加とイベントの(ほぼ)同時攻撃というのはまさに地獄である。
限られた時間で不思議の国でドローショットしていたら2週間後の電脳世界で地獄を見るかもしれない。ワンダーランドウォーズ面白いんだよ。畜生め。
ここまで散々ディスって来たが、一方的に貶すわけにもいかないというのが現状。
僕は否定側の人間なので広い視野を持てずにいたんだけど、K井さんとキャスで議論して別の知見を得たので紹介する。
ちなみに、K井さんは「どちらかと言えば賛成」程度。随分前の話なので、もしかしたら間違っている部分があるかもしれない。
"金に余裕はないが時間に余裕はある"というタイプのエージェントは、往々にして通常パックのSRが足りなかったりする。
新カードが出るたびに5桁もの投資をしてサテライトでガチャガチャする財力がない。
蠅魔王ベルゼブブ・無限の魔法石・軍神アテナ・大魔導士リーナ。欲しくても手に入らない高嶺の花。
特に前者2つはあらゆるデッキに入り得る性能を持つので、持ってないというのは小さくないハンディキャップ。SS2あたりからこれは顕著になる。
ただ、新カード追加の度に福沢諭吉数人を犠牲にはできなくとも、日々の「1戦40円」を「1戦60円」にするのはできないことはないだろう。
うっかりPRフォイルでも引こうものなら、Twitterや掲示板のトレード案件を覗いてみれば通常パックSRに簡単に化けたりする。
全国のフォイルおじさんの人数は確実に増加傾向にある。ブーストEX専用PRは超高確率で別ボイスなので、希少度も手伝って人気が非常に高い。
ツクヨミ追加時のフォイルツクヨミの価値はまさに青天井だったが、今ではかなり落ち着いた。
最も、トレードは双方の合意のもとに成り立つので、あまりにも露骨すぎると誰も見向きしなくなるので注意が必要だ。
この"わらしべ長者"にも似たなにかは"トレーディング"カードゲームとしての本質を思い出させてくれる。小学生がお小遣いでパックを買う感覚に近い。
別のTCG経験者の皆様、初めて買ったパックから出たレアカードを覚えていますか?
僕は遊戯王が第7弾の《幻獣王ガゼル》で、MTGがアポカリプスの《名誉回復/Vindicate》だったと記憶している。
MTGの方は相当な大勝利なのだが、当時の僕はシロートなのでそんな知識はない。
《幻獣王ガゼル》は漫画原作でそれなりに頑張ったけど、《ヂェミナイ・エルフ》《ブラッド・ヴォルス》が闊歩する当時の遊戯王ではクソレアもいいところだった。
しかし、DOBというシステムのあるCOJにおいて、本当の意味でクソなカードというのはそこまで多くない。
闇ずきんちゃんは4ptついたら強カード。執行官アーテー・ゴッドフィストなんかもその系統と言える。
そんなこんなで、「カードブーストEXでうっかり変なカードを引くかもしれない」というのは、微課金組にとっては希望の星になり得るということ。
僕ら"競技者"が忘れて久しい感覚がそこにあるのだ。
ついでに、夢のない話になるが、COJのプレイ筐体の1日の売り上げというのは相当悲惨な部類に入るそうだ。このゲームのプレイ料金安いからね。
そこにテコ入れして、ゲーセン側の印象をよくするというのもカードブーストPRの目的にあるのだろう。ブーストEXは100円入れなきゃできないわけだし。
ゲーセンから筐体が撤去されるのが最悪なので、そこはある程度飲みこまなきゃいけない部分だとは思う。
全体的に面倒な話になったので、ゲームそのものに関係しそうな話をして締めようと思う。
・未実装PRカードファーストインプレッション(タイムオブプリンセス~暁姫ニュクス)
採点基準は以下参照。
Ver1.3_EX1新カードファーストインプレッション - COJ山梨支部
・タイムオブプリンセス 2
「タイタンの鉄鎖&エンジェルフェザーに謝れ」という話は聞くが元がどっちも強くない。
バウンス効果で先攻1Tカンナとかをテンポよく処理できるのは便利かも。
絵はWLWそのまんま。何が悲しいって効果があまりにも別物すぎる。
・神剣フラガラッハ 2
効果は強いが重すぎる。必要な時に魔法石から取り出してズドン、というのが上手くいかない。
6CPインターセプトとして見た際にどうにもジャッジメントに見劣りするのも悲しい。
かと言って4ptつくと突然死を撒き散らしそうなカードなので危険と言えば危険。妖○五月○「ワンパン3点じゃ満足できない」
・軍将ヘカテー 3.5
【魔導士】強化パーツ。アンチ【侍】ということなのだろうか。
蠅魔王出されたら負け、みたいなところのあった【魔導士】では容易にBPを補強できるコイツは有能。5000を6000にする意味は今でも大きい。
魔導の書を撃つ上でも1CPなのはポイントが高い。自分に効果を使えるので腐りにくい。天敵は実は裁きのマーヤ。あれ、結局【魔導士】ダメなんじゃ・・・
三日天下でBPを増やすと味方に効果を使える機会が増えるので相性がよかったりする。【魔導士】以外でも有効利用できないことはないだろう。
・アルカナジェネレーター 1.5
アルカナブレイクが出た際に僕は凄い勢いでディスった記憶がある(1.5点)んだけど、いろいろあってそうも言ってられなくなった。
2速ジョーカーが想像以上に多い環境になったのもある(2速ジョーカーを実質消滅させるので1:1交換、ジョーカーがもたらすアドを考えればそれ以上)し、
サイドボードありという大会ルールができたおかげで、効く相手にだけ投入するということが可能になった。
で、このアルカナジェネレーター、アルカナブレイクのそのまんま裏返しなわけだけど、なんで3CPって書いてあるんですかね。解散でしょ。
・エリートシーフ 4
CIP2アド。これだけ見ると蠅魔王以来のバケモノ。
蠅魔王のアドの取り具合が盤面に依存しているのに対し、こちらは相手の手札依存。少なくとも自分のドロー自体は確約されている。
低すぎる戦闘能力は確かに問題と言える。蠅魔王はアタッカーとしてもトップクラスであるが、コイツはただの5/6/7。6/7/8だったら完全にこの世の終わりなので残当。一周回ってコイツを起点に人身御供が撃ちたい。
既存のデッキに入る余地はないが、パワーカードだとは思う。期待をこめて4。
・暁姫ニュクス 3.5
通称赤ニュクス。【魔導士】強化パーツその2。今度こそ【魔導士】専用機で、待望の非進化6000であるにも関わらず現行【魔導士】使いからの評価は高くない。
というのも、現行【魔導士】に赤が入る余地がなく、また赤ニュクスにしかできないことがサーチしかないのである。
魔導の書4枚目以降として稼働させるにはかなりの手間が必要。赤ヒトミと併用してください、という設計なのだろう。蒼炎との併用を考えるとプロメテウスという怪物が立ちはだかる。
通常の【魔導士】は青黄で完結することがほとんど。クシナダヒメのために緑がタッチされることはある。軍将ヘカテーも増えたし。
赤ヒトミ・肉焼きピクシーと言った面々では、カンナ・カイム・エメルダを擁する黄色と大小リーナ・マッドシスターの青とどっちが強いかと言われて困惑してしまうのが現状である。
逆に、「既存のデッキに新たに【魔導士】ギミックを突っ込める」と考えるのがコイツを使うモチベーションになるのではなかろうか。
赤ヒトミと言えばデーメーテール系脳筋ビート。クシナダヒメを共有し、おそらく軍将ヘカテーもすんなり入るので、魔導の書を突っ込んで戦果を挙げるのは難しくないと思う。
【侍】狩りに定評のあるシャレコウベ・チェインフレイム軸【赤青コントロール】も魔導士型に換装可能だろう。シャレコウベと赤ヒトミでどっちが丸いかと言われたら後者だろうし、結局【侍】を倒せるだけの瞬間火力を維持できることに変わりはない。
別のギミックと併用することで対秩序の盾も安定するだろう。前者は肉弾戦で打ち勝てるし、後者なら大魔導士が運用可能だ。
既存の【魔導士】を強化するのではなく、新たな形の【魔導士】を生み出すカードとして、今後の趨勢を見守りたい。
とにかく僕は店内サレンダー作業が耐えられないので、軍将ヘカテーとフラガラッハはターミナルで回した適当なSRでトレードする方向に行くと思います。
今アツいのは1.1_EX2かな。魔法石難民・武蔵難民の方は声をかけてください。