【COJS】12/1カードランキング更新 ~Ver2.0_EX2エラッタ後第一シーズン展望~
・前シーズンまとめ ※エージェント名敬称略
現行システムになって以降最もDOBの盛りにくいシーズンであった。連撃軸【緑単】すらC運用されるようになって、エメラルドの「500/2500」、およびプラチナの「500/2000」という厳しい査定に対して抜け道を用意できなくなったのである。降格報告も多く、また一度降格すると戻りにくいシーズン。全1がキリンすまっしゅからバナナジョーカーに変わったのも、その影響と言えるだろう。
11/28にカードパラメータ調整が実施されて以降は【黄単】の天下であったらしく、《寝坊のヒュプノス》などによるA調整が多く見られた。【武身】も好調。【紫単】系列の新テンプレについては試行錯誤の段階にある。
前季に完成したデッキとして傑作と言えるのがこちら。
ゆうなぎ(@yunagi1wwww)原案、【血染め珍獣】。成立自体は2シーズン前だが、《魔性のペンダント》を抜いて紫ゲージを(《強欲の代償》→)《輝ける明星》に任せることでエラッタをノーダメージでやり過ごした(ペンダントのエラッタ発表前の時点で記事中の構築は完成している)。あの【ティアマトギャンブラー】亡き後も未だに残存するCPマイナス系ロックデッキで、記事中にもあるように不快感の塊。弱点は大型固着と《死神のランプ》。ペンダント下方修正の影響で【紫単】への投入数が増えている《封札の紫呪印》も地味に苦手で、実は「デッキパワーを維持こそしたが相対的に環境が辛くなった」という稀有な立ち位置にいる。
今季の集計期間は11/16~11/29。
・カードランキング:0pt帯
2pt帯以下から上がってきたのはほとんど紫関係。《タイニードラコ》、《ムーンリターナーかぐや》、《混沌神カオス》、《ルキフグス》。
《ゴールド・ダルマン》(2pt→0pt)はSEの不具合が修正されたらしい。
【黄単】流行に伴って消滅効果耐性のある《火炎将軍スルト》は注目を集めてはいるが、《ライトニングドラゴン》が厳しい。
まるで全く噂を聞かない《黒闇刀のキサラギ》も2pt→0pt。確かに文章を読むと小型《スペリオルドラゴン》っぽいムーブではあるが、どこで使われているのだろう。
pick up:《ムーンリターナーかぐや》(76位・4pt→0pt)
流行の原因は間違いなく日々の【紫単】構築談義と頂上リプレイであり、上位陣の知識と技術が広く認知された結果である。
場にこそ残らないが手札に帰ってくるのが秀逸で、《混沌神カオス》の攻撃時効果と強力なシナジーを形成している。《彼岸のメイカ》とかいう寝ている3000なんていないのと同じなので長期的に見ると再利用の容易なこちらを使うべき、ということか。
11/28後の【紫単】では「ゲージ4から5にするのが難しい」という意見をよく聞く。ここは《彼岸のメイカ》と明確に差別されるポイントで、メイカあるいは《樹海のドリアード》との併用も検討されている。
・カードランキング:2pt帯
《オオヤマツミ》《断罪のメフィスト》《世界創世》と、いわゆる【山珍】系メンバーが勢揃い。DOBがかなり不味い前季においてフルパワーでA、さらには対話を放棄することで格上にも大波乱を見込めるタイプなのでこれも不快感が凄い。
《ムルル》《月弓のセレーネ》《ゴリデス》《魔導騎士ネビロス》など【緑単】メンバーのうち"4ptにしては優秀"なカードが2ptに。B~Aでの【緑単】を作ろうとした形跡がある。
《両成敗》も4pt→2pt。【OC特化珍獣】の隠し腕だが、その派生形である【血染め珍獣】にも入っていることがある。
pick up①:《ジャック・ザ・リッパー》(108位・0pt→2pt)
実装から日時が経つにつれて評価を上げているスルメカード。
リッパー算の手引きなる解説記事も登場。デッキ種として【黄単】ではなく【赤黄】を選択する原動力となっている。リッパー算以外にも《原初神ガイア》→軽減リッパーは《ライトニングドラゴン》を倒せるので要習得ムーブ。
pick up②:《魔軍総帥アスタロト》(189位:4pt→2pt)
対【黄単】として注目されている。
《ライトニングドラゴン》《光明神アポロン》から防御性能を奪い去り、《天空神機ゼウス》で消されない。《ヘレティックスカー》を採用していることも多い【黄単】系統相手にライフレースで勝てる自信があるのなら用心棒として他色へのタッチ採用もアリだろう。
・カードランキング:4pt帯
《アラクネ》が4ptスタート。実用性よりもイラストの話ばかりしているが。
11/28のエラッタの影響は2日分しかないはずなのに《上忍炎威》と《迷子センター》が8pt→4ptに。
《英雄の剣》《蜀漢の英雄・趙雲》《謀略の祝杯》あたりはpt調整枠に適する。
pick up:《寝坊のヒュプノス》(365位・8pt→4pt)
もともと4pt/8ptルーパーだったが、エラッタの影響で4ptでなら十二分に使えるカードパワーを手にしている。
【黄単】系統相手に手札5枚でターンを返すと待ってましたとばかりにコイツがすっ飛んでくるのでなんとかして4枚以下に抑えよう。《ジャンプー》ケアにもなる。《ジャンプー》と《寝坊のヒュプノス》が同時に襲いかかってくるなどどうしようもないケースはあるが。
《聖槍・ロンギヌス》をアテにして黄色絡みの【武身】に入っていることも。
・カードランキング:8pt帯
赤:《ケロール・レッド》おるやん。だいたいコレでええやろ。【黄単】意識の《ホーリーカウンター》も悪くはないが《ライトニングドラゴン》がなあ。
黄色:1CPどころか2CPもいない辛めのラインナップ。デッキパワーで頭1つ抜ける立ち位置なのにDOBもあったら困るのだが。
青:だいたい《サイボーグ死兵》でよさそう。
緑・紫:8ptユニットで盛るのは諦めよう。
ユニット以外では《戦士の誓い》が久々に8pt。サーチしたい戦士なんて《アリアンロッド》ぐらいのものだが。《薙ぎ払い》はもしかしたら【血染め珍獣】対策になるかも。
・ジョーカーランキング
0pt帯は顔ぶれに変化無し。
《ルインリード》が6pt→2pt。代わりに落ちたのは《トリックフィンガー》なのでドロー系としては相互互換だがゲージ消費量の差は無視できない。《インサイトストライフ》は連撃軸【緑単】で利用され6pt→2pt。代わりに落ちたのが《ターミネートコマンド》だが、こちらは【武身】などへの適性が高い。
《セイクリッドシールド》が10pt→6pt。《現世のイザナギ》などに加護をつけて遊べる。代わりに《スプレンドシックル》が6pt→10ptで、《プロメテウス》+《ゴールドメイデン》を使うならスタメン候補。
DOB自体は前季と大差無し。大方の予想通り【黄単】を中心としたメタゲームの推移になるでしょう。
また、アルカナカップエリア予選も残るは中日本地区のみ。全国最後にして、エラッタ後最初のエリア予選。当然参戦予定ですので、12/4は内田橋で僕と握手!
【COJS】11/28カードパラメータ調整
11/28(月)よりカードパラメータ調整をいたします。
— コード・オブ・ジョーカー(COJ)公式 (@coj_sega) November 21, 2016
詳しくは公式サイトをご確認下さい。 #cojhttps://t.co/sN2mfNJuAF pic.twitter.com/ptVFIPTi6o
一目見た感想は完全にコレ。
・《破滅のギャンブラー》
CP-4→CP-2。
【ティアマトギャンブラー】、本格的な流行を迎える前に無事死亡。
これ、絶対「プレイヤーの過剰なストレス」で修正されたでしょ。デッキ自体は【武身】や【ブリギッドハンデス】に弱かったりと割とまともにメタゲームに組み込まれてて、しかも最強と呼べる地位にはいなかった。ハメられるストレスのせいで過剰に印象に残るデッキだったのである。そこを完全に殺した。相変わらず、ユーザーの言う事を律儀に聞いてくれる運営である。
今後《ケルベロス》《創生竜ティアマト》がどのような使われ方をしていくかの方が注目すべきではないだろうか。
【ティアマトギャンブラー】が死んでも、CPマイナス系ロックデッキとして《血染めの夜》を利用した珍獣デッキ(いずれ紹介したい)があるので我々のストレスが完全に取り除かれるわけではない。
・《女神の息吹》
回収対象:任意選択2枚→ランダム2枚
言いたい放題言ったこの記事から1ケ月が経ち、《女神の息吹》もただのカードとしてではなく"概念"として環境に吸収されたように思える。【連撃緑単】も【デスパレ息吹】もさらなるデッキパワーを求めて固定枠を増やしていき、それに伴ってDOBを下げていった。それでも、【黄単】系統がキツかったりして無敵とは呼べなかった。特に今季の【連撃緑単】はCばっかりで、「オリボデッキ」としてのデッキ選択ではなく「勝率の見込めるデッキ」として支持されている。
【デスパレ息吹】も、時間が経つにつれて「オリボデッキ」ではなくなっていった。ただ、「《デスパレート》で作った捨て札を第二の手札として扱い、《女神の息吹》で任意回収することで確実な後出しジャンケンができる」という基本構造が、デッキからカードをドローするタイプのTCGにおいて許される光景なのか?という疑問については確かに首を傾げざるを得ない。おそらく、ここを潰しに行った調整である。開発者チョビに罪はない。ゲームのルールを曲げるキャラクター・戦術を極めることは、罪ではなく栄誉でありそれ相応に称えられるべきなのだ。
今後、《女神の息吹》はハンデス対策としての限定的な運用のできるカードに戻るだろう。《女神の息吹》で《女神の息吹》は拾えないし、《邪眼天使サリエル》も同様である。また、何を拾うかわからない関係上、どのカードも強いデッキ、すなわちDOBの低いデッキで使うことが前提の調整になる。【ブリギッドハンデス】の《女神の息吹》は良カード、という意見について応えた形かもしれない。
しかしそれでも、《女神の息吹》は実装以降幾多のエラッタを経てもなお「選択して2枚回収するカード」だったのだ。カードそのもののアイデンティティーを曲げる修正というと《現世のイザナギ》などこれまでにも前例は無くはないが、それをネガティブな方向にやってしまったのは初めてではないだろうか。環境の中心に立ち、いつかは修正されるものとして「ぼくのかんがえた《女神の息吹》修正案」はTLにいつも流れていたが、いくらなんでも選択回収を辞めるとは思わなかった。ちなみに、筆者の考えていた《女神の息吹》修正案は"このカードは使用した後捨て札に行かず消滅する"です。
・《タケミカヅチ》
CP4→3、7/8/9→6/7/8
基本BP全体強化発動条件:機械3体→機械2体
攻撃時バウンス効果発動条件:機械4体→機械3体
「相手ターン終了時、相手の行動権消費済ユニットに機械×2000ダメージ」が削除?
どうしても使ってほしい、ということか。
本人うんぬんよりも、機械ユニットの汎用性の無さが辛いのがこのカード。そういう意味では効果発動条件緩和は歓迎できる。並べるメンバーは同色で《はにわ》《スティンガー》《シュヴァルツティーガー》、他色では青が優秀で《龍将・政宗》《グレイブガーディアン》《シメツノトクリ》。赤は《ラッシュビートル》《アイアンゴーレム》とタケミカヅチや政宗をサポートする構成。重いが《勇王機神バトルカイザー》《暗黒機神ダークカイザー》は強力。
あとは全体除去されないことを祈ろう。沈黙には基本BP強化、《始世姫ジョカ》には政宗、《原初神ガイア》にはバトルカイザー、《天空神機ゼウス》にはラッシュビートルと一応の回答は揃っている。
・《パープルバニー》
ゲージ増加量:+1(効果によるユニット破壊に成功:+2)→+0(+1)
【紫単】系統への下方修正その1。「2ターン目、ゲージ2から《パープルバニー》→《悪意のプレリュード》」という光景は飽きるほど見てきたが今後はかなり難しくなる。次項も含めて、ゲージ3への到達を遅らせて序盤を脆くしようという調整。この"遅れる"調整は、純正【紫単】よりも【代償紫】側への打撃が大きい。
・《魔性のペンダント》
CP0→1。
【紫単】系統への下方修正その2。0CPカードとしては確かに強力無比だが1CPでは完全にゴミなので事実上の存在末梢。
《魔性のペンダント》とは、"紫という色の象徴"だった。そもそも「紫」というカラー自体が他4色から様々な要素を引き継いだ代わりに紫ゲージという枷を付けたテーマである(何を引き継いで何を引き継げなかったのかを考えると現環境での他4色の立ち位置がわかる)が、元々の青よりも強力な効果を与えられていたのがインターセプトドロー。《魔性のペンダント》、《封札の紫呪印》、《なすカウ》、《背徳の翼アザゼル》・・・Ver2.0初期の紫は、「インターセプトによるデッキとゲージの循環」が独自テーマにあったことはほぼ間違いないだろう。
Ver2.0_EX1、Ver2.0_EX2とカードが増えるにつれてゲージを増やすユニットが追加されていきこの特性は薄れていったが、《魔性のペンダント》は使われ続けた。大昔の《カイム》のように「他の選択肢を奪っているため下方修正」なのかもしれない。しかし、紫のカードデザインは《魔性のペンダント》を前提に組み立てたものではないだろうか?資産価値を維持するために《魔天ルシファー》を弄れないから代わりに修正されたなんて話も聞くが、そもそものデザインから崩してはいないだろうか。
代替候補筆頭は《封札の紫呪印》だが、インターセプトが使えるようになるまでが1ターン遅く、またトリガー破壊に弱い。インターセプトを多用しないデッキを作ってほしいというメッセージなのかもしれないが、《悪意のプレリュード》《ナイトガーデン》を筆頭にパワーカードの集まる紫でそれはどうなのという話である。
・《クイーンアント》
7/8/9→6/7/8。
蘇生効果発動タイミング:自ターン開始時→自ターン終了時。
相手のターンを跨がなくても蘇生効果を使えるようになった。《アムネシア》《デストラクションスピア》されなければ昆虫が出てくる。これにより赤史上初の「後攻1Tで2体出せるユニット」になった。現在では後攻初手で出そうとすると軽減に《アーミーアント》か《グラスホッパーBLACK》が必要だが、赤2CP以下の昆虫が増える度にカードパワーが上がると考えると将来性も十分と言える。
・《寝坊のヒュプノス》
CP4→3、6/7/8→6/6/6。
決して弱くはないが、「黄色4CP」という生まれた場所が悪かっただけのカードなのでこれはエゲつない。黄色3CP帯でのライバルは《グレイスウルフィン》《ユニコーン》など。層が薄いわけではないが4CP帯に比べれば随分マシである。
今季8pt。11/30か12/1にはカードランキング更新があるだろうが11/28の適用直後は大チャンス。
・《エンパイアソルジャー》
CP4→3、7/6/5→6/5/4。
上と違って単純にパワーの足りてないカードなのでダメだと思います。
・《ハムシューター》
効果追加:奇数ターン開始時に緑のインターセプトをドロー。
ターン開始時ってことは3/4/5のコイツが相手ターンを生き残る必要がありますね?んなことできるわけねえだろうが。せめて偶数ターン開始時なら先攻1T適正があった(それでも《炎剣・レーヴァテイン》で死ぬが)。
OC時の《グラウンド・ヘヴィ》は据え置き。
・《転生・毘沙門》
5/6/7→6/7/8。
毘沙門っつったら7/8/9だろうがボケェ!同じCPで7/8/9の《混沌神カオス》は場に出た後もいろいろオマケついてるんだから7/8/9でもバチ当たらんやろ!
・《意志の継承》
発動タイミング:自分のユニットが出た時→自他問わずユニットが出た時
相手の《滅王アレキサンダー》《闇神・ツクヨミ》への完全なカウンターカードと化した。《サイレンスビロウ》→《魔天ルシファー》にも《獣忍白狼》+《意志の継承》で立ち向かえる。1CP残して相手にターンを渡すほどの価値があるカードとも思えないが・・・
・《熱帯のフラミン》
効果ダメージ:2000→自軍天使の枚数×1000
弱体化では?《裁きのマーヤ》+《熱帯のフラミン》でOC《ゴールド・ダルマン》や《聖少女ブリギッド》を殺されたという被害報告は相次いでいるが、今後はフラミンだけだと1000ダメージしか入らないので範囲がかなり狭くなる。
天使が並んでいれば従来以上のパフォーマンスになるが、「ユニットが並んでいれば強い=ユニットが並ぶことはまずないので原則弱い」はCOJの大原則。《丹花のリンリン》よろしくフラミンが複数体並ぶような事態になると大惨事なので頭の片隅には入れておこう。
・《上忍炎威》
スピードムーブ追加。
隙を見て叩きつけることでライフダメージ付き《ダークマター》のように使える。《人身御供》→《聖女の祈り》or《花の高原》などには刺さるだろう。ブロッカーがいても《謀略の女王ミリア》ですり抜けられるのも魅力。
・《コロポックル》
CP3→2、4/5/6→3/4/5。
あっ、また2CP緑増えた。《飛翔のジズ》に繋ぐと確殺されていた《炎剣・レーヴァテイン》《悪意のプレリュード》を耐えるようになるのでそれなりに強力。もともと戦闘ではほぼ負けない。
逆に言うとなんらかの手段で基本BPを補強しないと「ちょっとアイツ燃やしてきます」でオワリ。
・《聖宮の大鏡》
CP1→CP0。
どんな効果のカードなのかさっぱりわからないのでちょっと調べたらだいたい《スペリオルドラゴン》でした。出てしまった《邪眼天使サリエル》を1ターン誤魔化せたりできるのでCP0ならまあ採用圏内だと思います。今季8pt。
・《迷子センター》
わかりやすく言うと「選択してハンデスしたカードを《迷子センター》自身の効果で回収されることはなくなった」ということ。捨て札0枚での挙動は要検証。
・総評
【デスパレ息吹】、【ティアマトギャンブラー】が消滅。おそらく【代償紫】ももう無理で、純正【紫単】も無理とは言わないが壊滅的打撃。【緑単】も《女神の息吹》が消えて無理ができなくなった。
エラッタ後のトップデッキ候補は【黄単】系統。《ライトニングドラゴン》追加以降は元気なデッキだが、その《ライトニングドラゴン》を含めてエラッタでの打撃が無く1歩抜け出るというのが大方の予想。【紫単】系統に弱かったが【デスパレ息吹】【緑単】【ブリギッドハンデス】に強いという立ち位置だったので、環境的にもやや追い風。【黄単】を倒すなら【武身】【侍】あたりが候補になるのだろうか。
ただ、そういうことよりも《女神の息吹》《魔性のペンダント》などに見られる「カード追加時のデザインを丸々変えていくパラメータ調整」を是としてしまっていいのか、というのは小さくない問題に見える。今後カード追加がされても、1年後にはコストやBPなどの数字だけでなく効果デザインやアイデンティティーまでもが変わり得る可能性が露見した。
あとは11/28というこのエラッタの適用時期。現在第4回アルカナカップのエリア予選真っ最中だが、なんと12/4の中日本エリア予選だけエラッタ適用後の環境で行われる。山梨で店舗予選を抜けた筆者も中日本予選組なので全く他人事ではない。店舗予選通過者の中にはエリア予選に向けて全国対戦ではなく店内対戦で調整をするプレイヤーもいると聞く。エリア予選から全国決勝までの間に大規模な仕様変更がある、なんてのは長い事COJやってるともう日常茶飯事と言って笑えるのだが、せめてエリア予選という同じステージぐらいは同じ環境でやるべきではなかったのか。
例によって目を見張るような上方修正もほぼないのでワクワクしない。Ver2.0_EX3なのかVer2.1なのかは知らないが、新カードの投入が待たれる。
【COJS】11/17カードランキング更新~Ver2.0_EX2第三シーズン展望~
・前シーズンまとめ(エージェント名敬称略)
構築面では、採用枠に余裕のある【緑単】系列にバリエーションが増えた程度。チョビが「現状の【デスパレ息吹】よりも強い青デッキはもう作れない」などと言い出し、モチベーションが尽きたのか全1が【緑単】系のキリンすまっしゅに入れ替わった。
あとイベントがめちゃくちゃすぎてついていけない。
そもそもこのスペシャルルールの公平性を《盗賊の手》《文明崩壊》でブチ壊せるところから始まり、その《文明崩壊》が先手と後手で強さがかなり違うこと、さらに言えば偶数ターンの手札総入れ替えの直前でのバウンス効果(《聖槍・ロンギヌス》《ジャンプー》《銀翼のクリス》)は再利用ができず通常時よりも強力であるなど、余りにも別ゲーな上星100で終わるので僕はこのルールについて詰めるのをやめた。
ただそんな小さいことを言っている場合ではないのだ。
11/20(日)#セガフェス にて、COJポケットのステージイベントが開催されます!
— コード・オブ・ジョーカーPocket公式 (@cojpocket_sega) 2016年11月15日
MCは「鈴森まりね」役 加藤英美里さん!詳しくは公式HPをごらんください。#COJポケットhttps://t.co/BCqohCTcJc https://t.co/TwN1w3a0Wk
えっと、フリー素材なので、出ます。youtube、ニコニコで生放送あり。
急に"ほぼVer1.1_EX2環境"でのガチ対戦を強いられて、全くデッキとかのビジョンないんですけど。
相手は世界レベルでの実績付きの人間性能モンスターだらけなので、僕らのアドバンテージは経験値だけです。そもそも僕がちょもすヒッキーに比べて格下だってことまで考えるとガン不利もいいとこですがどうにかしなきゃいけないみたいです。ってか友晴さん来週GP千葉主催なのにこんなとこで何してんの・・・
今季の集計期間は11/1~11/15。
・カードランキング:0pt帯
1位:《ドーバーデーモン》
4位:《女神の息吹》
7位:《聖少女ブリギッド》
8位:《プラウドドラゴン》
9位:《飛翔のジズ》
むっくさん、何か申し開きがあるならどうぞ。
前季【緑単】関係は《ストレンジ・アイ》《緑湖のアイリス》8pt→0pt、《ニードルアリゲイター》4pt→0pt、《開闢王伏羲》2pt→0pt。
《女神の息吹》対策で《文明崩壊》が2pt→0pt。《盗賊の手》は当然0pt維持。
それ以外で0ptに上がってきたのは【侍】の《泰山の侍》と《開眼のアヤメ》、さらに【黄単】系の《銀翼のクリス》。これらに共通するのは、アーキタイプとして加護を使いやすいため《聖少女ブリギッド》《プラウドドラゴン》に耐性があること。ただ【侍】は固定パックの影響もありそう。収録されていない《地剣の土方》は2ptだし。
・カードランキング:2pt帯
《ゴールド・ダルマン》に加えて《見習い魔導士リーナ》が0pt→2pt。【OC特化珍獣】系は《人身御供》を戦略に組み込みやすいので【緑単】相手に有利に立ち回れる。
《侵撃の魔手》《圧殺のタウロス》が0pt→2pt。【ブリギッドハンデス】系には朗報ではあるものの、この程度ではC到達できないアーキタイプ。
緑系ユニットが数えきれないほど2pt帯に参入。《ソードマスター》も2ptスタート。《強欲の代償》《夢破れし者》も4pt→2pt。唯一、《ブッシュファイター》のみ0pt→2pt。
紫系は《タイニードラコ》《ルキフグス》が0pt→2pt。どちらも【紫単】使用者からの評価が高い。
他にめぼしいものでは《バンシー》《司令官テイアー》《花の高原》が0pt→2pt。
・カードランキング:4pt帯
《陸戦型キャタピワラシ》《月弓のセレーネ》《ムルル》が2pt→4pt。現状の連撃軸【緑単】には無理なく入る。
《海底の楽園》《ヴォジャノーイ》《レヴィアタン》が全て4ptに。青単の主流として【デスパレ息吹】型が広く普及した影響だろうが、Ver2.0~Ver2.0_EX1の蘇生軸【海洋】のポイントが今季は高そう。その他青系では《ファンガスガール》《呪いの贈り物》も2pt→4pt。
他には紫系《魔力解放》、【猿】の《女神の詩》、【OC特化珍獣】の《魔導士の館》が2pt→4pt。《魔導剣士ネビロス》は4ptスタート。
・カードランキング:8pt帯
赤:前季のメンバーがほとんど残るがそもそも前季がアレすぎる。《レリックレイダー》が8ptスタートなのが最大の収穫。「種族指定無しで赤伏せ0CPからブロック時に効果のあるインターセプト」と書くと8ptにしてはなかなかやる。
黄色:1CP帯は《オトタチバナヒメ》、2CP帯は《ポメ錦》。やろうと思えば【黄単S】ができるシーズン。
青:1CP帯がいないので厳しい。蘇生型【海洋】組むなら《シャルロット》《ドラゴンブリザード》入れてもいいのでは。
緑:1CPも2CPもいない。【緑単S】、ついに消滅。
紫:既存のデッキには組み込めないものばかり。
・ジョーカーランキング
0pt帯の顔ぶれに変化無し。《インペリアルクルセイド》0pt維持は想定外。
もはや前季の記憶が残っていない2pt帯。《ターミネートコマンド》が6ptから上がったことだけはわかる。
6pt帯、落ちてきた《ルインリード》《エビルガンビット》が白眉。最近は《インサイトストライフ》が【緑単】系でよく使われる。
10pt帯はもう触りたくもない。《セイクリッドシールド》が唯一ワンチャンありそう。【黄単】系から《ケルビム》《風精ウィンディ》感覚で飛んでくるらしい。
【緑単】を中心にメタが回った結果、ようやく【緑単】の数が減りそう。ここ最近の【緑単】はC~Aでの構築バリエーションも増えてきたので侮れないが、【黄単S】【海洋S】は【緑単S】ほど影響力はないのではなかろうか。強いデッキがちゃんと対面に出てくるシーズンになりそうだ。
【COJS】11/2カードランキング更新~Ver2.0_EX2第二シーズン展望~
・前シーズンまとめ
多くのデッキの構築・立ち回りへの理解が進んだ、近年稀にみる当たりシーズン。この2週間の間に情報収集を怠るとそのまま置いて行かれる、と言っても過言ではなかった。【ティアマトギャンブラー】は"ティアマト四天王"の活躍もあって早くから構築や立ち回りへの共通理解を深めていったが、その現象が他デッキにも一気に起こったのである。
観測できる範囲で、その進歩をデッキ個別に記述。
エージェント名敬称略。
1. 【緑単】系
新たに《強欲の代償》を組み込んだバージョンが出現。《女神の息吹》が引けないと継戦能力が低い、という弱点を力技で解決した。ライフ的に使いたくない場面でも第二効果があり、また自ターン開始時まではトリガーゾーンに残るので《女神の息吹》の発動を阻害しない。《強欲の代償》は前季も今季も4ptと、ポイントも悪くない。
2. 【青単】系
"立川のシャッフルキング"チョビ(@chobi_exvs)をCOJでもキングたらしめるデッキのタネがようやく明らかになってきた。デッキレシピ自体は簡単に流してくれる男だが、基本的な立ち回りの明文化が極めて難しいために使い手があまり増えず、イマイチTierが上がらなかった時代が長かったが万人向けの攻略記事がついに登場。
この記事以外でも、元全2・やじろう兄さん(@tyubura648648)が電アケ総研で当デッキについて言及している。
《マーメイド》も《海底の楽園》も無しに【海洋】という呼称は不適切だろう。【デスパレ息吹】、あるいは原案者の名を取って【チョビSP】【チョビスペ】と呼ぶのが一般化した。
《拒絶する世界》や《女神の息吹》+《邪眼天使サリエル》ループばかりが印象に残るデッキだが、その本当に恐ろしいところはそもそものデッキ挙動が他と完全に違い、「《デスパレート》で作った捨て札を第二の手札として扱い、《女神の息吹》で任意回収することで確実な後出しジャンケンができる」という基本構造にあった。詳しくはリンクを貼った記事に飛んで欲しい。《デスパレート》でキーカードを埋めてしまえば後はトップが強かろうが弱かろうが大して変わらないのでDOBも自由自在(トップが強いに越したことはないが)。また、この基本構造のために《盗賊の手》《文明崩壊》は疑似的な手札破壊として機能する。
僕が知り得る限り、チョビという男は8/25にDOBのシステムが変わって以降延々とこのデッキを使っているので、他とは熟練度が違う。エメラルド実装後にスタートダッシュを決め、今も1位を堅持するのにはしっかり理由がある。
3. 【ブリギッドハンデス】系
アルカナカップ予選が佳境に向かうにつれて、"銀河一COJの強い男"Slor(@faruke187303710)が、ひたすら隠蔽してきたデッキがついに明るみに出た。この構築をシェアした東海~関西地域のランカーで予選突破報告が多く、勲章レースというよりかは大会向けのデッキ。
いつ見てもいい構築だなぁ pic.twitter.com/h65ak040bS
— す ろ あ (@faruke187303710) 2016年10月30日
本人命名、【θブリギッド】。【銀河ブリギッド】でもだいたいこの型を指す。注目すべきは【ティアマトギャンブラー】への高いアンチ性能。《ライブオンステージ》も渋い。【紫単】への耐性はわずかに落ちるとのことだが、元々有利なマッチアップなのでそこまで問題にはならないだろう。【デスパレ息吹】とのダイアグラムが気になるところ。
「θ」の由来は15年前のMTGで青緑赤のカラーリングを指した"シータ/Ceta"から。少し調べるとわかるが、θ(Theta)とは関係ない。
動画シリーズがあるのでこちらも参考に。
【COJ】帰ってきたハンデスのプロ part1【元全2】 by サギタ ゲーム/動画 - ニコニコ動画
他にもmondialの【黄単】【武身】研究記事は必読。
【mondialが解説! #8】『COJ』トップエージェント対決動画(黄単デッキ)を読み解く - 電撃アーケードWeb
情報公開当初から「《ライトニングドラゴン》が強すぎる」と言ってきただけあり、信頼の高さがうかがえる。
これ以外にも既にテンプレが広く周知された【猿】【紫単】などは元気。勲章レースの観点で見ると【緑単】【デスパレ息吹】が若干有利だが、ようやくVer2.0_EX2環境の全貌が見えてきた。
・カードランキング:0pt帯
今回の集計期間は10/19~10/31。
《女神の息吹》、5位。もはやハンデス対策に1~2枚入れるものではなく、最初から息吹の使用を前提としたデッキが3枚投入しているので従来とは使用率が段違い。
新カードでは《ライトニングドラゴン》が32位までジャンプアップ。【黄単】系ではまず抜けることのないパワーカード。
他には《ジャック・ザ・リッパー》が84位で4pt→0pt。《原初神ガイア》の後に出すと《ライトニングドラゴン》を潰せるので【猿】で多用される。もちろん、種族シナジーのある【道化師】でも活躍。
【デスパレ息吹】系のパーツが軒並み伸びていて、《デスパレート》《天然魔導士ミーナ》《滅王アレキサンダー》が揃って2pt→0pt。
【緑単】対策か、昨今では加護の評価が高い。《アフロディーテ》と《宝玉獣カーバンくん》が2pt→0pt。
・カードランキング:2pt帯
《花の高原》《狂神アレス》が揃って0pt→2pt。【猿】はまだまだ行けそう。
2シーズン前の期間ミッションのせいで0pt帯にいた【昆虫】系主力パーツが軒並み2ptに落ちた。それでも使うかと言われると厳しいが。
4~8pt帯から上がってきたのはほとんど【緑単】【デスパレ息吹】系。その一方で、《ディメンジョンゲート》《大航海時代》(共に4pt→2pt)などの新要素にトライしてみるプレイヤーも増えたようだ。
《意志の継承》が4pt→2pt。お前ら、そんなに《サイレンスビロウ》が憎いのか。
・カードランキング:4pt帯
《ギャウルス》《ニードルアリゲイター》セットが2pt→4pt。【緑単】でよく使われる。Sまで上げずにAで止める場合などでよく姿を見かけたが、今季はSまで持っていけるかもしれない。《森の女神》2pt→4ptも追い風。
《モロク》《It's Showtime》も合わせて2pt→4pt。この手のオモチャが好きなプレイヤーはだいたい《ディメンジョンゲート》で遊んでそうだが、共存もできなくはない気がする。
《ヒートドラゴン》《伝説の奇術師》2pt→4ptだけ見ると【ティアマトギャンブラー】時代到来か、と勘繰ってしまうが他のパーツの伸びがよくない。逆に、環境の一部として認識されてきたという証拠でもあるだろう。
8pt帯からの昇格組で目を引くのは《冥府剣士ライマル》。最下位帯から脱出するのは史上初ではなかろうか。使用用途は《ディメンジョンゲート》で、《人柱のシズク》などを特殊召喚しながら他の4CPユニットに変化できる。
《パールヴァティー》が可愛くなったってほんとですかAikさん!
・カードランキング:8pt帯
赤:《ブラックナイト》《ケロール・レッド》が抜けて一気につまらなそうなラインナップに。どうしても使うなら海洋種族の《ヤドキャリー》?
黄色:1CPがいないのでこちらも面白くなさそう。《マンドラゴラ》はいるけど消滅回収系のポイントに恵まれているわけではない。
青:こちらも1CP無し。攻撃さえできれば《魔侯アンドラス》は高水準。
緑:《緑湖のアイリス》《ストレンジ・アイ》《白浜のオトタチバナ》と3種類いるので多分【緑単】はSになるでしょう。《夏空のマリーナ》は3CPなので運用に注意。
紫:《マルバス》だけ。《闇精ダークネス》が8ptスタートだが普通に使うにはかなり苦しい。
《盗賊のアジト》8ptは随分久しぶりな気がする。《ブラックケルビム》《貴公子ZERO》が4pt維持しているのでそれなりに遊べそう。他にワンチャンありそうなインターセプトは《大人買い》《盛者必衰》あたり?
・ジョーカーランキング
Ver2.0_EX2からの新ジョーカーアビリティによって順位が大きく入れ替わった。
《インペリアルクルセイド》が6pt→0pt。代わりに《明天凶殺》が2ptに落ちた。上位帯でよく見るのは明天なのだが・・・
《エビルガンビット》10pt→2pt、《トリックフィンガー》6pt→2ptとやはりドロー系が強さを見せる2pt帯。《ルインリード》2pt維持、《ワンダフルハンド》《冥札再臨》に至っては0pt維持なのでドローしようと思うとポイントが盛れないシーズン。
《セイクリッドシールド》《チェックメイトアクト》が10pt→6pt。《チェックメイトアクト》が見えることによるライフレースへの圧力は想像以上で、使うよりも使われて強いタイプ。
《ターミネートコマンド》6ptは喜ぶ人がそれなりにいそう。
10pt帯、似たような使用用途のアビリティが並ぶ。《インペイルメント》vs《デリートレイド》にしても、《スプレンドシックル》vs《シャープリィスライヴ》にしても個人的には仁優勢という見方。
今週末でアルカナカップ店舗予選は終了。来週末には北海道でエリア予選が始まるが、とりあえずは勲章レース寄りに環境がシフトするのではと予想中。
COJ"P"は生きていけるのか?現行の覇権シリーズ2種と比較する
とんでもねえことが起こった。いや、これから起こる。
COJがスマホでできるようになります。それに当たって、僕はSEGA側から「貴方の"インターネット訴求力"が欲しい。プロモーションに協力してくれ」とかいう謎の依頼を受けて、無事インターネットフリー素材となりました。一番脆そうなのが僕です。
この時に僕も先走ってプレイしてますが、「残りの2人と違って、バグのせいでまともに終わった試合が1つもなかった」ことだけ報告しておきます。ほとんどのことはちょもす大先生が書いてくれたので、こちらも参照してください。
『CODE OF JOKER Pocket』をプレイしたありのままを伝える話 - chomoshのブログ
が、このご時世にスマートフォン向けトレーディングカードゲームとは勇気ある行動をしたものだ。日本国内では「シャドウバース/Shadowverse(以下Sv)」が市場を席巻、世界的に見てもSvの元祖とも言える「ハースストーン/Hearthstone(以下HS)」の人気は根強いです。この決着のついた市場に今から飛び込んでいって大丈夫なのか・・・?
僕個人としては、大丈夫だと思います。なぜなら、HSやSvとCOJは、明らかに違う種類のゲームだからです。
それを説明しようとしたのがこの動画だと思うんですけど、30秒という枠に収めるためにめちゃくちゃ無理をしたせいか何が何だかわからない状態に(少なくとも見ている僕は)なってしまったので、それの説明をしつつ、今一度COJというゲームシステムを再確認しようという記事。HSあるいはSvをプレイしたことある方なら、より楽しめると思います。
このゲームの"ありえなさ"をお伝えできれば幸いです。
慣れてない方はこちらも参考に。
ここに来たのが初めて、という方もいるかもしれません。
《》がついたらカード名で、【】がついたらデッキ名です。
僕は基本的に長い文章を書く傾向にある人間ですが、今回は大事なところを太字にしました。時間のない人や、「貴様の好き勝手に付き合う道理はない」という人はナナメに読んでくださって結構です。
・とにかく事故の起こらないゲーム、COJ
「ありえねぇ数のカードをドロー」と動画内にありますが、とにかくCOJはドロー枚数が多く、またドロー効果の強いゲームです。
カードをプレイするためのコストの概念は、HSもSvもCOJも大差ありません。
HS:1マナスタート、1ターン毎に1増加、最大10マナ。後攻にコイン(任意のタイミングで1マナ増やせる)が渡される
Sv:1PPスタート、1ターン毎に1増加、最大10pp。
COJ:2CP(後攻は3CP)スタート、1ターン毎に1増加、最大7CP。
そんな中で、HSの《初級エンジニア/Novice Engineer》というカードを見てみましょう。
場に出すとカードが1枚引ける代わりに、最低限の戦闘能力しか持たないカードです。これが2コストになっています。
さて、COJ《ハッパロイド》。
同じ能力のカードが1コストになっています。これだけでは終わりません。
(《カラスマドウ》だけ微妙にやってることが違いますが、これは青という色がSvのネクロマンサーっぽいことをしているためです)
Svの《メイドリーダー》が2コストで頑張っていたのはなんだったのか、という状態です。2コストには2コストで"色"ではなく"種族"に対応するドロー効果付きユニットがCOJには超大量にいます。3コスト以上も大概です。
そもそも毎ターン最初の定期ドローが「2枚」のゲームです。HSは30枚、Svは40枚のデッキを1枚ずつ(Sv:後攻1ターン目のみ2枚)ドローしていきますが、COJは40枚のデッキを2枚ずつドローします。ここから先述のドロー効果付きユニットをこれでもかと出しまくります。《新たなる運命》を擁する【冥府エルフ】が平均8ターンで捨て札を30枚溜めるのはSv民なら見慣れた光景ですが、COJの【オーバークロック特化珍獣】は3~4ターンで40枚のデッキを全て引き切ります。ましてや、COJというゲームはHSやSvと違い、デッキのカード全てを引き切っても負けにならず、デッキが最初の40枚の状態に戻ります。そのかわり、ゲーム自体に10ターンというターン制限があり、相手のライフを0にする以外でも10ターン目後攻終了時にライフの多い方が勝ち(同点なら後攻の勝ち)というルールになっています。
動画内で、野性味溢れる女性のカード(《リーフィア》と言います)が3枚あったはずなのに、次の瞬間に別のカードに変わっている現象が起こります。オーバーライドというCOJ独特のシステムで、手札に同じユニットカードが2枚ある場合、それらを重ねるようにドラッグすると1ドローできます。重ねたカードは消滅し、重ねられたカードはレベルが1上がります。レベルの概念は面倒なので今回は省略しますが、手札中で最高レベルである3まで到達するとスピードムーブ(HSの突撃、Svの疾走に相当)を得るので、慣れないうちはガチャガチャ重ねるのが楽しいです。
大量にカードを引くことにリスクはほとんどありません。そういう風に最初から設計されたゲームです。
そして、COJ経験者が諸手を挙げて賞賛するのが、ゲーム開始時の手札引き直し、いわゆるマリガンのシステムです。
HS:開始手札3枚(後攻4枚)、任意枚数入れ替え可能、制限時間中に1回
Sv:開始手札3枚、任意枚数入れ替え可能、制限時間60秒中に1回
COJ:開始手札4枚、全て入れ替えるか全て残すか選ぶ、制限時間5秒中に何度でも選択可能
このマリガンシステムを発明した人は天才か悪魔かのどちらかです。例えばSvの【疾走ビショップ】で遊んでいて「6ppの《天空の守護者、ガルラ》が3枚来たから3枚引き直したのに、ガルラが1枚返ってきたあげく残りの2枚も《ムーンアルミラージ》だった」なんてのは日常茶飯事ですが、COJではそんなことが起こったらもう1回突っ返すだけです。
制限時間5秒というのもミソです。望むカードが来るまで引き直したいので、試行回数を増やすためにプレイヤー側はどういうわけか反射神経を鍛える必要があります。マリガンが苦手なプレイヤーは初手に欲しいカードだけプレミアムカードにして光らせることで見やすくするなどの裏対策があったりします。また、5秒という短い時間のなかで、残り時間が少ないので最善ではない手札でも妥協するなどといった判断力も重要になってきます。
このマリガンシステムについて、COJPは本家の完全再現に成功しました。プレイした感じだと5秒間のマリガン処理を行ってから開始手札の情報を対戦相手に送っている感じだと思う(あくまで推測です)ので、ここでラグが起こるならそれは通信ではなくスマホのマシンスペックだと思います。
このゲームに「ハイスピード」という冠詞が付く理由は、だいたいここにあります。
まとめると、COJというゲームはTCGにおいて回避することが難しかった"事故"を構築含めたプレイヤースキルで極限まで低減できるようにしてあるということです。"公的にドブンを保障するカード"《無限の魔法石》など、他では"ありえねぇ"カードの連続です。
これによって起こることは、ちょっさんも言ってますが実力の出やすいゲームになる、ということです。上手いプレイヤーは原則事故らないので、なんかよくわからんけど強い人に勝った、みたいな珍事が比較的起こりにくいのです。
・「ハント型戦闘」と「ブロック型戦闘」
HS、並びにSvはミニオン/フォロワー同士の戦闘に「ハント型戦闘」というシステムを採用しています。以下の記事が的確に説明しているので、時間のある方は読んでみてください。名文です。
【TCGデザイン論】 ハースストーンの戦闘システムの特徴と問題点 - I LOVE TCG
かいつまんで説明すると、ハント型戦闘とは、"攻撃側がどこを攻撃するか自由に決められる"のが特徴です。基本的に相手のターン中にできることはありません(HSにはトラップカードがありますが、それも手動ではなく自動です)。
ハント型戦闘のTCGとして、HSはまぎれもなく傑作と言えます。だから、今日のスマホ向けカードバトルにはHSを模倣したかのようなハント型戦闘TCGが多いと言ってもいいでしょう。
打って変わってCOJにおけるユニット同士の戦闘は「ブロック型戦闘」です。ユニットは相手プレイヤーしか攻撃できず、防御側のユニットがそれをブロックするかどうか決めます。防御側に戦闘の主導権があり、また相手ターン中でもこのブロックに関する判断をしなければならないのでただ待ってるだけという訳にはいきません。
COJは、実はHSよりも古いゲームです(英語版HSの稼働開始が2014/3/12であるのに対して、アーケード版COJの稼働開始は2013/7/11)。当然HSを参考にゲームを作ることはできません。
僕の目から見ると、COJは「マジック・ザ・ギャザリング(MTG)」と「デュエル・マスターズ(DM)」からの影響を色濃く受けているように見えます。そもそもユニットを色で分けているところからそうですし、ブロック型戦闘を行う上で必須となる"行動権"の概念などもです。戦闘に関わる能力設計やブロックするしないの判断などはMTG由来です。一方、攻撃力と体力をBPに一元化したこと、ライフダメージ量がBPに依存しないこと、そしてライフダメージを受けるとジョーカーゲージにボーナスが入るので逆転の目が出ることなどはDMからの影響を受けているでしょう。COJにも"進化/Evolve"というシステムがありますが、Svの「EPという別リソースを使ってフォロワーを変化・強化させる」のではなく、COJでは「進化ユニットカードを同色のユニットの上に重ねることで強力な効果や戦闘能力を発揮する」全く違うシステムになっており、これも極めてDMに近いと言えます。
さらに特筆すべき点として相手ターン中でも"トリガーゾーン"から呪文的効果を発揮できることが挙げられます。これはおそらく「遊戯王OCG」に源流のあるもので、トリガーゾーンのカードを一部効果で直接破壊することで口封じできることも同様です。MTGにおけるスタック、遊戯王におけるチェーンのような逆順処理ルールはありませんが、オンラインであれをやろうとすると通信回数が膨大になり、ゲームのテンポが損なわれる可能性が大きいのでアーケードゲームでは適さないという判断があったのでしょう。3年前の時点で国内でプレイされていたTCGをフルに参考にして作られたゲームと言えるのではないでしょうか。無論、そこから3年かけて独特の、そして怪物的進化をしたゲームでもありますが。
何が言いたいかというと、戦闘システムがまるで全く違うのでHS・SvとCOJは全く別のゲームとして認識した方がいい、ということです。プレイヤーの時間を奪い合うという意味ではこれからライバル関係になるのは間違いありませんが、これら3者はそれぞれに長所・短所があるもので、自分に合うゲームをプレイすればよいのです。
また、ブロック型戦闘を採用して全体設計がMTGやDMに近くなっているせいか、このゲームにはHS・Svと違って手札破壊があります。
人によっては「過剰なストレス」になるかもしれません。ただ、逆にこれが好きすぎてライフワーク化している人もいるので、そのあたりは覚悟して参入してください。
・ジョーカーアビリティについて
COJでは、HSやSvと違いクラス/リーダー専用カードというものはありません。では公式サイトに7人もいるキャラクター達は対戦にどんな影響を及ぼすのかというと、彼ら独自のジョーカーアビリティが試合中1回だけ使えるのです。
HSのヒーローパワーに近い概念ですが、ヒーローパワーが「デッキ内に存在せず、1ターンに1度、試合中何回でも使えるが、ややコストパフォーマンスの悪い行動」であるのに対して、COJのジョーカーはデッキ内に存在しないことを除くとほぼ真逆の性質で、「使用に多大な条件が付き、試合中1回だけしか使用できないが、非常に強力な必殺技」と言えます。
ジョーカーアビリティの使用には、専用ゲージが最大値に到達している必要があります。この専用ゲージの貯め方ですが大きく2つに分けられます。
1.自分のターンを終了する
2.ライフダメージを受ける
この2つなのですが、「自分のターンを終了する際の残り時間がジョーカーゲージ取得量に直結する」せいで、COJでは思考の正確さだけでなく速さが重要視されます。「ハイスピードカードバトル」ですね。
ちょっとコストパフォーマンスのいいだけのアビリティから、「2CPで対戦相手の手札を全破壊」「3CPでフィールドのユニットを全消滅」など桁外れの影響力を持つものまで様々な効果がありますが、強力なものほど必要なゲージ量が多くなっています。
※このジョーカー絡みのシステムのみ、現行アーケード版ではアップデートにより大きくシステム変更がなされています。2人のキャラクターから1つずつアビリティをセットできるようになり、また「1試合に1回だけ」の制限が撤廃されています。
・デッキオリジナリティボーナス(DOB)について
冒頭の動画にない部分ですが、COJをCOJたらしめる要素のうちの1つなので解説しておきます。
アーケード版COJでは、常にカードやキャラクター毎の使用回数が集計されており、使用率の低いカード、あるいはキャラクターを使って勝つとレートが増えやすくなっています。このシステムをデッキオリジナリティボーナスと呼んでいます。
SEGA(というかむっくさん)はこのシステムを妙に誇りに思っているらしく、なんと特許を取っていることまで教えてくれました。事実、似たようなシステムが同社のアーケードゲームである「戦国大戦(傾奇者ボーナス)」や「Wonderland Wars(舞闘会モード)」に搭載されています。
このシステムが採用されることによって、環境に流動性が生まれます。現在アーケード版では約2週間毎にカード使用率のランキングが更新されるようになっているので、2週間毎に流行デッキやテンプレ構築に微妙な変化がもたらされます。
一方、このシステムの難点として環境における最強デッキと流行デッキが一致しないことが挙げられます。全国対戦のランクマッチでのメタゲームは、全国大会用のそれとは一致しません。特に現在のアーケード版で顕著に起こっている現象ですが、"本当の意味での真剣勝負ではない"として敬遠する人も少なくはないシステムです。
COJPでは、やはりというか案の定というかデッキオリジナリティボーナスのシステムが採用されました。さらに、HSの魔素/DustやSvのレッドエーテルに相当する「生成」のレーティングにも、このデッキオリジナリティボーナスが影響するらしいのです。実際の紙のカードのように、安い時に買い、高い時に売る「株」めいた遊び方も可能かもしれません。
いかがでしたでしょうか。
「他のカードゲームと比較すると、思う存分好き勝手できるがそれは相手も同様である」というのがざっくりとしたCOJの特徴です。
というか、このありえねぇ世界に慣れきったCOJ勢は他ゲーで事故って怒っていることが大半なので、もはや麻薬です。
「脳天直撃」というフレーズは、あながち間違っていないのかもしれません。
10/20カードランキング更新 ~Ver2.0_EX2第一シーズン展望~
・前シーズンまとめ
新カードが出たはいいが、「新カードを試すモチベーション」に欠けるシーズンというのが本音だろう。ランキング狙いなら2ptの得体の知れないカードを試すよりも高オリボの安定した構築が欲しいし、全国大会向け調整ならそれこそ新カードもクソもないのである。だいたい言いたいことは前回言い切ったので、今日は簡単に。
集計期間10/5~10/18。新カード・新ジョーカーアビリティは6日間のみの集計。
・カードランキング:0pt帯
相変わらず1位は《ドーバーデーモン》。7位《プラウドドラゴン》に昨今の闇が見え隠れする。
なぜか【昆虫】系が好調。原因を調べてみたらなんと期間ミッション。カードブーストEXチケットがDOBに影響を与えているって・・・でも、コアプレイヤーがシーズン前半に「やり控え」ていたケースもありそうなので一概にどうとも言えない。
【猿】系の《狂神アレス》《花の高原》が2pt→0pt、おそらく【ブリギッドハンデス】の《女神の息吹》対策と思われる《セレクトショップ》も久々に0pt入り。このあたりは全国大会調整組か。
《天剣の沖田》も久々に0pt。《地剣の土方》により需要が急上昇した。
・カードランキング:2pt帯
【昆虫】に押し出されたカードが強烈。通常の青系では《大魔導士リーナ》《バンシー》《滅王アレキサンダー》、蘇生軸では《天然魔導士ミーナ》《デスパレート》《レヴィアタン》。紫系も《ニードルレイン》《パイモン》《魔人の羽化》が0pt→2pt。
他には前季"フルパワーでS構築"だった【ティアマトギャンブラー】系統はパーツのほとんどが4pt→2ptで今季は頑張ってもA。他にも細かい調整に便利だった《繁栄の対価》《蜀漢の英雄・趙雲》が4pt→2pt。
いくつか注目カードをピックアップ。
118位:《ゴールド・ダルマン》
0pt→2pt。
Ver2.0_EX2移行に伴って消滅効果、バウンス効果など非破壊除去の効果音が変更されたが、その効果音が異常にうるさい。プレイに支障どころか、ヘッドホンをつけていたら健康に支障が出そうなレベルである。全体バウンスのコレや、全体消滅の《ライズアンドシャイン》なんかで顕著。アルカナカップではいつもの爆音ヘッドホンでのプレイが予想されるだけに、出場者の鼓膜を破る前になんとか修正してほしいところ。
164位:《ライトニングドラゴン》
新カード1位。最も、冒頭で述べたように新カードを試すモチベーションに欠けるシーズンである上に集計期間も短かったので止む無しか。
性能は下馬評通りに強力の一言。能力は完全に腐らないというレベルではないものの、とにかく加護8000のスタッツがイカれてるのでとりあえず出すと強い。3Dモデルがおそらく《竜魔人ドラゴニュート》互換で、"喋るドラゴン"なのでフォイルトレードでも人気。
195位:《地剣の土方》
新カード2位。
《天剣の沖田》だけでなく、【侍】関連は押し上げられるように順位を上げている(《泰山の侍》《赤誠の沖田》《剣聖・武蔵》4pt→2ptなど)。意外と勘違いされやすいが、沈黙させてから破壊するのは土方の攻撃時のみ。《天剣の沖田》を従えていない限りは本人の防御力はそれほどでもない。
236位:《転生・毘沙門》
新カード3位。
とりあえず紫系に入るのはいいが、中には《ディメンジョンゲート》から《魔天ルシファー》を呼び出してワンキルルートに入る猛者も。実は《混沌神カオス》や《軍姫エリス》でも同様のルートは可能だが、更地が取れる確実性で言えばやっぱり毘沙門。
・カードランキング:4pt帯
《舞踏のクロエ》《魔導女学院生エリン》《樹海のドリアード》と紫の低コストユニットが豊富。《大航海時代》《ディメンジョンゲート》《ジャック・ザ・リッパー》など怪しい使い道のありそうな新カードもだいたいここ。《雪忍の六花》《マーメイド》なんかは【海洋】系には朗報。
いくつかピックアップ。
281位:《ディメンジョンゲート》
新カードの中でも抜群に挙動が怪しい。上述した《転生・毘沙門》→《魔天ルシファー》だけでなく、
・《泰山の侍》《地剣の土方》→《泰山の侍》《地剣の土方》(CIPとPIGを同時に発動させながら同等の脅威を場に残す)
・《シャドウメイジ》→《シャドウメイジ》(1体目の被破壊効果発動時に既に2体目が出ているので、効果が2回分発動。《幽世のイザナミ》と合わせて7CP2点)
など、多彩なコンボがこの1週間で開発された。
303位:《英剣・デュランダル》
明らかに4ptの格ではないオーバーパワーカード。
序盤から発動し得るCP+1は手札に来てしまった大型武身を出すのにも使えるし、緑の連撃ギミックの手札消費を抑えるきっかけにもなる。
《光明神アポロン》でコピーされたが最後《炎剣・レーヴァテイン》《雷鎚・ミョルニル》よりも基本的には損害が大きい。CP+1を有効利用できないデッキは原則ない。
466位:《アキレウス》
「帰ってきた《ドラグーンレイア》」。
【海洋】系ユーザーからの評価が高い。《天然魔導士ミーナ》や《レヴィアタン》などの自己再生条件とBP強化条件が一致するのは大きい。軽減1枚で《邪眼天使サリエル》《始世姫ジョカ》とも共存できる。
514位:《老獪な一撃》
4pt、かつ0CPで使える戦闘用インターセプト。
「加護に当たらない」というとんでもない弱点があるので気を付けよう。侍や《ライトニングドラゴン》など加護は増加傾向にある。
・カードランキング:8pt帯
赤:《ケロール・レッド》に加えて新顔《ブラックナイト》が。進化土台に困らない。
黄色:《寝坊のヒュプノス》8ptスタート。他には《ジェスタークロウ》《アメノホアカリ》など。
青:《キャタピワラシ》《ゴーストフェンサー》《アクアランサー》《シャルロット》。必須パーツのpt上昇もあり、【海洋】Sは難しくない。
緑:《ポクポくん》《チアマスター》《ハムシューター》。今季も【緑単】Sは可能。《ゴッドフィスト》は《聖少女ブリギッド》のサーチ妨害になるので慎重に。
紫:ユニットは《ダークキャット》《宇宙魍魎コ・モーノ》程度。《猫の大移動》に注目。
ちなみに、新カード最下位は《はにわの洞窟》。
・ジョーカーランキング
新アビリティ追加により、ポイント査定が変化。
1~6位:0pt
7~13位:2pt
14~19位:6pt
20~27位:10pt
となっている。
0pt枠拡大により、ここ最近ずっと2ptだった《冥札再臨》《明天凶殺》が0pt昇格。
2pt枠もほぼお馴染みの面々で、従来のジョーカーアビリティ18種についてはおおむね性能通りの査定。
集計期間の影響か、19~26位を新アビリティが固めることになった。新アビリティ1位は《トリックフィンガー》。2位《インペリアルクルセイド》までが6pt帯。
10pt帯では《エビルガンビット》と《セイクリッドシールド》がわかりやすく強力なので悪用されそう。最下位は《スターインパクト》。
今日からイベントです。稼働当日、せめて翌日からイベントやっとけば10/15・10/16の店舗予選組も痛い目見ないで調整できたのにね。
全国大会に関係なさそうなプレイヤー、あるいは既に店舗予選を抜けたプレイヤーなら今季はそれなりに稼ぎ時。新ジョーカーアビリティの育成に充てるといいでしょう。
《女神の息吹》、その功罪
現COJで最強のカードと言うと意見の分かれるところだろう。
《魔天ルシファー》かもしれないし、《邪眼天使サリエル》を推す人もいるだろう。その昔は《蠅魔王ベルゼブブ》や《破壊少女シヴァ》であったかもしれない。
では、現COJで「最凶」、あるいは「最悪」のカードは?《破滅のギャンブラー》?
僕は《女神の息吹》だと思う。
これはVer2.0_EX2最序盤の環境アナライズであり、DOBシステムの真意と深淵に近づくものであり、ランキング復帰を諦めた僕の愚痴である。
結構な長文、しかも難解な内容になるかもしれないが、比較的ヒマだというのならお付き合い願いたい。
・そもそも「DOBが高くなる」とはどういうことなのか
DOB、デッキオリジナリティボーナスが高くなるデッキというのは大きく2つに分けられる。
1つ目は、デッキコンセプトそのものがオリジナリティに溢れている場合。完全なる新デッキが生まれた場合、基本的にこちらになる。【OC特化珍獣】も、Ver1.4後期の【舞姫】や【赤青魔手ハンデス】も、最初はこちらだった。Ver2.0_EX1前半、きょへ式【黄紫】なんかもこちらの部類。一部の職人が不思議なワンショットデッキを組んだ場合なんかも相当する。
現環境では唯一【ティアマトギャンブラー】がこれに当たる。成立からそれなりの日数が経ってはいるが、未だに各パーツのポイントが上がらない(理由は後述)のでたまにフルパワーでSになったりする。各パーツ毎のポイントが割と均一で、俗に言う"綺麗なポイントの付き方"が特徴。僕がイマイチ【ティアマトギャンブラー】を憎み切れないのは、この綺麗なポイントの付き方にあると言ってもいい。
2つ目は、「デッキの機能を維持したまま異物を混入させること」。今回の本題はこちらである。【猿】、Ver1.2_EX【赤黄ミッドレンジ】、Ver1.3【海洋】、Ver1.3_EX1【侍】、Ver1.4_EX1【加護盗賊】、Ver1.4_EX2【舞姫アリアン】、Ver1.4_EX3【赤青魔手ハンデス】・・・環境を支配してきた1強デッキ達にも、フルパワーの状態とは別にシーズンごとにDOBを調整したバリエーションがあった。
ただこの場合に重要なのは、"デッキとしての機能を維持"することである。DOBの数値調整のために必須カードを抜いてしまっては元も子もない。緩和された要求勝率以上に負けるのがオチである。(こちらも参照→チラシの裏 これでB!?)
デッキ毎の必須パーツというのはデッキ毎に違う。この必須パーツの枚数が40枚中何枚かというのが問題である。上に挙げた例では【赤黄ミッドレンジ】【侍】【舞姫アリアン】なんかは35枚近くが抜いてはならない必須パーツであり、DOB調整の難しいデッキであった。逆に【海洋】【加護盗賊】あたりはこの中では比較的自由度が高く、シーズンが変わる毎にDOBの高い構築バリエーションを考えるのが常であった。
また、デッキコンセプトに"圧縮"が含まれる場合、見かけ以上に必須パーツが多くDOBを上げるのが難しい。上記のデッキ群では【猿】がこれに相当。《女神の詩》など圧縮手段をマイナーなものに切り替えることでDOBを上げたり、進化土台に《ケロール・レッド》など明らかに弱い1CPカードを使うなど非常に苦労してきた歴史がある。Ver2.0以降の【紫単】は同様の問題を抱えるが、紫ゲージの概念が追加されているせいで圧縮手段や進化土台にも自由度がほぼなく、"DOBの高いバリエーションを作ることが最も難しいデッキ"と見てしまって間違いない。
↑Ver2.0_EX1前半、全盛期【紫単】の必須カード。35枚取られてわずか6pt。
では、流行りの【緑単S】の必須カードを見てみましょう。
15枚。ジョーカーもほとんど自由なので、今0ptと書いてあるからと言ってこれを160ptにするのが容易だということがわかるだろうか。
・"異物"を最大限に有効利用できる、最近の高オリボデッキ
最近の高オリボデッキに共通するのは、「DOBを上げるために入れた"異物"の有効利用に長ける」、ということである。
基本的には、引いてしまった弱いカードの使い道は普通に出すか、軽減コストに使うか、あるいは《無限の魔法石》で捨てることだった。「《策略の装填》S環境」や「《はにわ》《白虎》《朱雀》S環境」など、過去のS環境を体験してきたプレイヤーはこの異物処理に悩まされてきたことだろう。DOBを上げるために《無限の魔法石》へのアクセスも悪く、そもそも《無限の魔法石》の枚数自体を絞らざるを得ないケースすらあったはずだ。
が、カードプールの増加にともなって、《無限の魔法石》のように「手札あるいはトリガーゾーンをコストとして、なんでもかんでも1:1交換してしまうカード」が増えた。具体的にその契機となったのは《聖少女ブリギッド》と《邪眼天使サリエル》である。《マーメイド》もその1つだが、自己再生できる青ユニットが登場するまでは採用するメリットに乏しく注目されなかった。
《邪眼天使サリエル》がトリガーゾーンの何を破壊しようが、対戦相手のユニット2体は破壊される。この場合において、0ptカードも8ptカードも等しくサリエルの弾でしかない。Ver2.0以降の【海洋】はこの"異物処理"に極めて長けるデッキであり、サリエルだけでなく《マーメイド》で引き直したり《デスパレート》であらかじめ埋めたりと、これまでの"異物処理"の基本であった「とりあえず場に出す」「軽減コストに使う」以外の方法をフル活用し、更にそれら全てが最終的に《天然魔導士ミーナ》《レヴィアタン》らの自己再生に繋がるのである。
【緑単S】は、不要牌を《聖少女ブリギッド》によって3コストユニット(すなわち《飛翔のジズ》《プラウドドラゴン》)に替えることもできるが、基本的には「軽減コストに使う」ことを極限まで突き詰めたデッキであると言える。本来5CP(《ドーバーデーモン》でも4CP)かかる連撃ギミックを、最序盤の3CPしかない場面から全ツッパで押し通し始める。
悪く言うと【海洋】は《邪眼天使サリエル》頼みだし、【緑単】は《聖少女ブリギッド》頼みなのだ。DOBを上げるということは、基本的にはデッキ内のパワーカードを減らすことである。圧縮に特化しているわけでもないのでデッキが1周することはなく(【海洋】は1周できなくもないが、自己再生の関係上2周目突入直後が弱い)、必殺技であるはずのサリエルやブリギッドは基本的には3回だけなのだ。最長10ターンあるCOJにおいて、Sデッキが強みを見せるのは3ターンだけ。カードパワーの高いカードを複数揃える低オリボデッキに、基本的には勝率で劣る・・・
そのはずだった。
・《女神の息吹》、その功罪
「Sデッキは強い行動を取れる回数が少ない」、というこれまでの原則をたった1枚でひっくり返しているのが《女神の息吹》である。
まずこの《女神の息吹》というカード、高DOBデッキにおける"異物"利用の基本概念である「軽減コスト」というルールと極めて相性がいい。なんでもかんでも軽減に挿してしまうことで発動条件である「手札0枚」を満たすと同時に、次のターン回収した2枚にとっては軽減コストとして利用できることになる。【緑単S】でよく見る光景だろう。「手札の不要牌を全て切って捨札中最強の2枚に交換する」行為と言える。
《邪眼天使サリエル》についてはCIPの選択回収で《女神の息吹》を回収できるという相互効果がある。基本的には《邪眼天使サリエル》がターンを跨いで生存しようものならその試合はだいたい負けなので除去しなければならないのだが、死んだはずのサリエルを《女神の息吹》が回収してしまう。以降、相互に回収を繰り返すことでループが成立する。
《女神の息吹》が出張ってくる試合が面白くないのは、「延々と同じことを繰り返される」ことにある。サリエル息吹ループはまさにそれだし、【緑単S】も多いときは5回以上ブリギッドやジズを出してくる。そもそも《女神の息吹》が《女神の息吹》を回収できるせいで《女神の息吹》を全てのターンで使われるという展開も珍しくない。序盤、中盤、終盤という概念がどこかに消え去り、回り始めるとそれ以降は機械的に同じことを繰り返される。すなわち、「DOBの高いデッキでも最強行動を繰り返せる」。緑単系にしろ青単系にしろ、Sデッキがなかなか死滅しないのはこれによって要求勝率をクリアしているから。
《無限の魔法石》によってデッキから確定サーチするのには、回数に限度がある。1度使用したカードをデッキに戻すためにはデッキを1周させなければならないからだ。一方、デッキ以外を対象とした確定サーチにはその回数に限度がない。特に捨て札は使用したカードがすぐに置かれる場所なので、最も再利用が容易である。その分、捨て札からの確定回収は比較的厳しい条件が課されている。
捨て札から確定回収するための手段を運用するためのコストを見てみよう。
・《女神の息吹》:0CP ※2枚回収
・《神託の天草》:2CP+進化土台 ※被破壊時
・《冥札再臨》:2CP+ジョーカーゲージ50%
・《邪眼天使サリエル》:5CP+進化土台
似たような概念である、消滅領域からの確定回収についても列記。
・《神札再生》:0CP ※自ターン開始時まで黄色ユニットとトリガーゾーンを保持
・《ダークプリースト》:3CP
・《光明神アポロン》:4CP ※被破壊時
《女神の息吹》以外のカードが厳しい条件を課されているのがわかるだろうか。《邪眼天使サリエル》や《光明神アポロン》は回収以外にも多機能なユニットであるが、それでもこういったユニットを呼ぶために1ターンで使えるCPのうち半分以上を割くことになる。
消滅領域回収によって比較的自由に強行動を繰り返す【黄単S】系統だが、それでもヘイトが向きにくいのはいつかどこかで《ダークプリースト》にCPを割いているから。《ダークプリースト》を出したターンというのは本当の意味での"最強行動"ではない。例えば《ダークプリースト》の代わりにその3CPで《雷神トール》でも出されようものならその6000はスピードムーブで走ってくる。そもそも消滅領域にカードを送り込むためには《どきどきテイスティング》などでワンクッション必要、というのも忘れてはならない。
確定回収にCPを使わないことで、「最強行動をしながら次のターンの最強行動の準備をする」というめちゃくちゃな事態が多発している。《邪眼天使サリエル》はその攻撃時効果によってそもそも青系の最強行動であることも多いが、《繁栄の対価》《デストラクションスピア》などそれなりに潰す手段が用意されている。
《神札再生》も実はやべーのでは?と思うかもしれないが、発動タイミングが限られている有色インターセプトであるために対策がそれほど難しくない。盤面から黄色ユニットを全て排除すれば当然使えないし、そもそもトリガー割りで割れる。《女神の息吹》は度重なる強化によって発動タイミングが"自分、あるいは相手のターン終了時"となっており、赤・紫系のトリガーを割れるデッキ相手には割られる前に発動し、青系あるいは《明天凶殺》といったハンデスデッキ相手では相手ターンをやり過ごしてから発動できる。《女神の息吹》そのものを止めるためには、ハンデス要素に加えてバウンスかトリガー割りどちらかが必要なのだ。捨て札を消滅させる《盗賊の手》《文明崩壊》では、間に合っていないケースが非常に多い。
さらに問題なのが、「少数の必須パーツと多数の高オリボカード」という構成はカードランキング更新による打撃を受けにくいことである。上に画像で示した【緑単S】の必須パーツはずっと0ptをキープしているが、残りの25枚とジョーカーの部分において手を変え品を変えS構築を維持し続けている。《イナバハンター》がダメになっても別の何かを使えばいい。ひとつのデッキがこんなに長くS構築を維持し、さらにはランク毎の要求勝率を満たしてくるというケースは前例がない。【ティアマトギャンブラー】がデッキ単位で未だに高いDOBを叩き出すことがあるのはこれが原因。「勝てるSデッキが【ティアマトギャンブラー】しかない」のなら、すぐに次のシーズンでDOBがガクッと落ちる。あのデッキ自体は《ディバインシールド》まで含めて必須パーツがそれなりに多いコンボデッキなのだ。それでももっとお手軽な【緑単S】が常時存在するためにデッキ種として選択するプレイヤーが少なく、本格的な流行にまで至っていない。
今までの文章全てを踏まえて、今の全国対戦で何が起こっているのかというと
・カードプールの増加により、「必須パーツ少数と、それ以外の部分に高オリボカードを詰め込んだSデッキ」が成立
・そういったデッキが《女神の息吹》によって最強行動を繰り返せるようになったので、必要勝率を満たしている
・《女神の息吹》そのものを止めることは難しく、必然的にそのデッキの最強行動をメタるしかない
・「必須パーツ少数と、それ以外の部分に高オリボカードを詰め込んだSデッキ」はカードランキング更新の影響を受けにくく、いつまでも高DOBデッキとして全国対戦環境に残存する
Ver2.0_EX2へのバージョンアップから1週間も経たないうちに、勲章レースを制するには高オリボデッキしかないという結論が出てしまった。新しいSデッキを開発する場合を除いて、「新デッキ開発」あるいは「全国大会に向けた最強デッキ探索」を行うことは「ランキング入りを諦める」ことと同義になってしまった。"勝率を重視した新リーグ"という上位陣の幻想は、エメラルドランク実装から1週間持たずに、早くも崩れ去ったのである。
もちろん、【ブリギッドハンデス】ミラーなど、《女神の息吹》によって面白くなるゲーム展開がないわけではない。そもそも《謀略の祝杯》と並んでハンデスメタとしての役割もあるのだ。 だがそれでも、現在の息吹を取り巻くデッキ構築並びにその結果のランキング争いは、あまり誉められたものではないと思う。
・「COJはこういうゲームなんだ」、と割り切るかどうか
こういう部分まで含めてCOJというゲームなんだ、と言われたら仕方がない。僕は開発ではないので、それを受け入れるしかない。
ただ"強いプレイヤーが全国ランキング上位にいる"という状態に戻すためには、「《女神の息吹》を下方修正する」か「DOBというシステムそのものを抹消する」しかないと思う。「ランキング指標となる勲章を集めるために一定勝率を維持し続けることを要求する」勲章システムはそこまで悪いものではない。
エメラルドランクが実装された暁にはランカー復帰目指してみるか、と当初は考えていたが、僕の時間リソースの総量はそれに耐えられるものではなかった。全国大会の準備を細々としながら、適当なペースでCOJと向き合うことにする。
僕はもう心が折れてしまったのだ。僕が今のエメラルド環境ならびにランキング争いを見てこうなんじゃねえかと勝手に考えているだけなので間違っている部分はあるのかもしれないが、もしそうなら間違っていると教えてほしい。